私の創作の原点 ~コーチは、可愛い年下の女の子(妹)~
「自分の創作の原点って、何だったっけ? 」
と他の方のエッセイを読んで考えていたら、思い出しました。
※つまり忘れていました(;・∀・)
私には歳の離れた妹がいます。
小中学生の頃、私は学校から帰ると妹の子守をしていました。
当時、友達がいなくて寂しかった自分。
高年齢出産と更年期障害が重なり、小さい子の相手が体力的に難しかった母。
需要と供給が一致しました。
そんな私は、公園に妹を連れて行くのが常でした。
子育て経験者の皆様はご存じのはずです。
幼児は、すぐに退屈します。
例え500メートルでも、目的(公園にいく)を忘れます。道路は車が走っており危ないので、早く公園に行く必要があります。
小学生の頃の私は考えました。そして思いついた方法。
「お話を、してあげるよ」
妹に絵本を読み聞かせるのが、私の習慣でした。
それを思い出し、妹の好きな絵本を手をつなぎながら喋ってみました。
上手くいきました!
妹はお話に釣られ、公園まで道端のシロツメクサ等に気を取られることはありませんでした。
帰りには別のお話をして、家に帰りました。
味をしめた私は次の日も、別のお話をしながら公園に行きました。
その時は知らなかったのです。幼児も味をしめることを……
妹は毎日、違うお話を強請るようになりました。
家にある絵本の話は、すぐに尽きました。
目を期待でキラキラさせている可愛い女の子に頼まれると、張り切ってしまうのは全人類の本能です!
※暴論
私は学校の図書室から、童話集を借りてきて物語を探すようになりました。
しかし、私はまだ楽観していました
図書室の童話集はイソップ、グリム、アンデルセン、北欧、日本の昔話と沢山あったからです。
しかし、意外と早くネタ切れになりました。
なぜなら、全ての物語が語りかけに使えるわけではないからです。
まず私がお話を覚える必要があります。テストではないので、あらすじで十分ですが一話まるまるです。
音声だけで内容を理解してもらう必要があるので、登場人物が多かったりストーリーが複雑な物語は不向きです。
相手は保育園児なので、人殺しやバッドエンド物も避けたいです。
短くて、シンプルで、わかりやすく、平和な物語。
必然的に、一冊の童話集で使えるお話は2、3話となります。
そして、子育て経験者の皆様はご存じのはずです。
幼児の、脅威の記憶力を!
ネタ切れした私は、以前に話した物語をもう一度使おうとしました。
「それ、前とおんなじお話! 」
妹は一か月前の話をきっちり覚えていて、別のお話を要求してきました。
私は童話だけでなく、低学年向けの伝記や落語の本からエピソードを抜き出してみました。物語っぽく喋れば、園児の妹は納得してくれました。
しかし、それも尽きます。
当時、夢中で読んでいた星新一氏のショートショートを童話風に語ってみました。
大人向けの話でしたが、妹はことのほか喜びました。
妹から褒められると、お姉ちゃんは嬉しいです。私は星新一氏の文庫から、短いお話を探しました。
愛人や二号さんは恋人や友達。横領や詐欺は、泥棒やインチキ。サラリーマンを子どもに、上司を先生にして。
子ども向けに改変して、どんどん喋り続けました。
妹は半年たっても、一年たっても同じ物語を喋ろうとすると指摘してきました。
「それ、前とおんなじお話! 」
四苦八苦しながら、新しいお話を語ります。
妹が卒園し、小学校に入学して公園に行く日々が終わっても毎日の語りは続けました。
私は自室の本棚から、使えそうなお話を探しました。また、図書室でも短編集を借りてきました。そして幼い妹への気遣いは、忘れていきました。
眉村卓氏、新井素子氏、赤川次郎氏、シャーロック・ホームズ、ポーの黒猫、手塚治虫氏、日本文学に古典の今昔物語に堤中納言物語etc
ウケるためなら殺人でも世界滅亡でも、なんでもありです。
設定を変え、キャラを減らして簡単にして短くして。
気づけば、小学校低学年の妹に芥川龍之介氏の『地獄変』を語るまでに堕ちていきました。
それでも、話は尽きてしまいます。
私は、一からお話を創るようになりました。
子どもは、誤魔化しがききません。
ストーリーの整合性が取れていなかったりキャラの行動に矛盾があると、「なんで、なんで」と容赦なくツッコミ? が入ります。また、わかり辛いも言われました。
その代わり、褒められる喜びは格別です。
「これ、お姉ちゃんが考えたの? すごーい!! 」
調子に乗りやすい姉は、次の日のための話を作り始めます。
そんな吟遊詩人みたいな日々が数年、私が高校受験で忙しくなるまで続きました。
その後、私は無事に希望の工業高校に受験合格しました。レポートと勉強に追われた高校生活。私は毎日お話づくりをしていた日々を、すっかり忘れていきました。
あれから30年!
数年前の40代半ばの頃、私は失業と、父の介護が終わった燃え尽き症候群と、更年期障害が重なり重度のうつ病になりました。
人混みが怖くなり、家から出られない日々が続きました。
「家の中で、出来る楽しみを見つけましょう」
とカウンセラーさんより、アドバイスを受けました。
色々試してみて、たどり着いたものの一つに創作活動。
文章を書いていると、己の感情や思考が勝手に整理にされてきます。メンタルの回復に、大変有効でした。
かつての経験が生かされるのでしょうか?
アイデアをストーリーにし、構成を組み立てるのがストレスなく出来ます。また、わかりやすくするための書き直しが苦ではありません。
「過去の経験って、役に立つんだなあ。こんど妹に、Amazonでお礼を送っておこう」
と呟きながら、今日も書いています。
漫画は、あまりネタにしませんでした。
絵を言語化するのが、大変だったからです。
読むのは、どっちも大好きです(*^▽^*)




