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3話 武器製作

「それでは、夜猫さん。マッピング及び案内をよろしくー!」

「了解しました。」


どうも、竜帝ディルクロです!前回、夜猫に権能を与えてようやく洞窟から出られそうです!いや〜、話し相手がいるってやっぱりいいね!もう本ッ当に暇だったし寂しかったしつまらなかったしの三重苦だったから癒されるわ〜。


「─…出口と思われるものを発見しました。地図を共有しますか?」

「うん!」

「了解しました。」

「…おお?おおお!?」


すごっ!ちゃんと出口がわかる!


「そんじゃ、これの通りに進めばいいんだよね?」

「はい。」

「わかったー!ありがとね〜。」

「いえ。またご用があればお呼びください。」

「うん、またよろしくね!」


─数分後─


「ひぇ。」


この情けない声は誰のものかって?もちろん私のもんだよコノヤロー!魔物が多すぎるんだよー!

と、叫びたいのを抑えて、今、私は魔物から隠れています。確かにね?確かに出口までの道のりはわかったよ?だけどさ、途中にいる魔物多すぎない?私目覚めたばっかで攻撃手段とか全く覚えてないんだけど?もう冷や汗ダラダラだよこんちくしょう。


「うし。セルウァスに聞こう。」


もうそれしかない、と思いまたもや意識を異空間へと飛ばす。目を開ければたちまち真っ暗な空間に到着だ。


「夜猫ー!」

「なんでしょうか。」

「うおっ。」


後ろからぬっと出てきたのはお馴染みの生物?魔法?ええい、わかりにくいから魔法でできた生物と書いて"魔法生物マジック・クリーチャー"と呼ぶことにしよう。我ながら安直だ。コホン。えー、話を戻しまして、後ろからぬっと出てきたのはお馴染みの魔法生物、夜猫。私が権能を与えていろいろなことができるようになった異空間の管理者です。


「セルウァスのところに連れてってくれる?」

「了解しました。転移します。」

「わかったー!─って転移!?待っ─」


一瞬だった。なんか足元に魔法陣浮かび上がったなと思ったら一瞬で目の前にセルウァスが現れた。


「夜猫!」

「はい。なんでしょう。」

「転移魔法教えて!」

「私の魔法は我が主(マイロード)が既に取得しているものを模倣しているだけです。」

「つまり…?」

我が主(マイロード)も使用することが可能です。」

「おぉー!そうなんだ!ありがと!」

「ご要件は以上でよろしいですか?」

「うん!」

「それでは失礼します。」


なるほどなるほど。私はもう転移魔法を使うことができたのか。ならば!はやく現実に戻って洞窟脱出を─


「コホン。ディル様。何のご用でしょうか?」


あ、いけね。セルウァスのこと忘れてた。


「えーっとね、セルウァス。攻撃手段とかって何か私に使えるものある…?」

「ありますよ。」

「ホント!?教えて!」


上目遣い&猫撫で声で必死の懇願!キマった!


「いいですよ。」


よっしゃ!


「まず、魔法ですが、こんな洞窟内でディル様が魔法を放ったら十中八九洞窟が崩壊するので、おやめになられたほうがよろしいと思います。」

「じゃあどうすればいいのさ?」

魔法武器(マジックウェポン)をお作りください。」

「え?」

「ですから、魔法武器をお作りください。」

「どうやって?」

「まさか、魔法武器の作り方もお忘れなのですか?」

「…テヘ。」

「はぁ…。それではディル様、今から説明いたしますので、よーく聞いてください。」


曰く、魔法武器とは魔力をそのまま武器の形へと圧縮、変形させたものを指すらしい。メリットとしては通常の武器と違い武器自体が魔力そのものであるので、火魔法や水魔法など、様々な魔法に変換することができるが、デメリットとして、そのぶん維持するのに大量の魔力を消費するそうだ。


「では、ディル様。今ご自身が放出されている魔力をそのまま圧縮、変形させてみてください。」

「お〜。」


簡単にできると思ったがなかなか難しい。魔力感知を発動すれば自分から放出されている魔力はわかるが、問題はその次だ。圧縮と変形。より圧縮することで魔力密度が上がり、丈夫になるらしい。変形はイメージが全てだそうだ。


「んん…?」


(─お?こうか?)


なんとなくだが魔力密度が上がり、形になってきている気がする。


「んー…?─ん?できた、のか?」


いつの間にか閉じていた目を空けてみると、手は刀身が黒く輝く一本の刀。よーく見ると刀身に蔦の模様が施されている。


「セルウァスー!できた!?」

「ええ。お上手ですよ、ディル様。珍しい武器ですが、流石でございます。」

「んふっ。もう、褒めたって何にも出ねぇかんな!それじゃ、ありがとー!」

「お気をつけて。」


意識を現実へと戻すと洞窟の岩肌がぼんやりと見えてきた。少し離れたところには先ほどの魔物もいる。


「よっしゃ!頑張るぞー!」


自分を励まし、いざ魔物の前に出ると自身の身長と同じ高さの蜘蛛が複数の目で私を捉えた。


「おわっ!?」


蜘蛛はその巨体の割に意外と俊敏で、左右に移動してはベトベトとした糸を吐いてくる。もし糸になんか当たってしまえば即捕まって餌コースまっしぐらだろう。うーん、なかなかに厄介だ。


(う〜ん…。頑張るとは言ったものの、どうやって倒せば…?)


さにせ、目覚めたばかりの私では力不足もいいところ。蜘蛛との戦力差は歴然だ。


(あ〜、もうどうなっても知らん!)


雲のもとへと攻撃を避けながら走っていき、握り締めた刀を蜘蛛へ振り下ろすと、思ったよりあっさりと切断できた。そのままの勢いで何度か刀を振り下ろすと甲高い声を上げたあとに地面へ倒れ込んだ。


(お?倒せた?)

「はい。絶命しているようです。」

「おわぁっ!」


雲を覗き込んで胸をなで下ろすと、心の声に夜猫からの返答がきて思わず飛び上がってしまった。 


「いきなりは勘弁してくれ…」

「善処します」


なんにせよ、敵は倒せたし一件落着だ。


「検索するにあたり、データが必要です。洞窟蜘蛛(ケーブスパイダー)の鑑定結果を保存しますか?」

「ん〜、よくわからんけどよろしくー!」

「了解しました。──洞窟蜘蛛(ケーブスパイダー)の鑑定結果を保存しました。次回から洞窟蜘蛛(ケーブスパイダー)の情報を閲覧することが可能です。」 

「りょーかい。それじゃ、引き続き案内をよろしくね」

「了解しました」


あと何匹の魔物に出会うのかを想像しながら、ディルクロは出口を目指してまた歩き始めたのだった。

どうも、古瑠璃です。

竜帝は夜明けを待つ、第3話です。

他の作品も書きながらこちらも進めるというのはなかなか難しいもので、道草を食いまくってたらいつの間にやら結構な時間が過ぎていました。

そんなこんなで久しぶりの投稿ですが、温かい気持ちで読んでいただければ幸いです。


これからも、よろしくお願い致します。

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