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2話 夜猫

「う〜ん。迷った?」

やっほ〜、みんな!私、竜帝ディルクロ!どうやら迷ったようです!


「地図か何かないかなぁ。」


本ッ当にどれだけ進んでも全く外に出られないのだ。さっき見たような岩もある。


「こんなときはセルウァスに助けを求めよう!」


異空間に意識を集中させる。扉を開くとあの真っ暗な空間に来た。


「セルウァスのところに連れてって。」


鍵に命じると、また猫の形になった。


「ねぇ、お前、名前は?」

「ニャー」

「ないの?」

「ニャン」

「じゃあ、私がつけてもいい?」

「ニャン」

「ありがと。」


さて、名前はなににしよう?どうせならカッコいいのとか、可愛いのとか、オシャレなのとかがいいよね。見た目は夜空みたいな猫だし…。


「うん、決めた!命名、夜猫やびょうってどう?」

「ニャー」

(あれ?なんか魔力吸われた?まぁ、気のせいか。)

「気に入ってくれた?」

「ニャン」

「それはよかったよ。それじゃあ、引き続きセルウァスまでの案内よろしくね。」

「ニャン」


「やっほ〜、セルウァス。」

「どうしたのです?ディル様。」

「いや〜、道に迷っちゃってさ〜。なんか解決策ない?」


顔の前で手を合わせお願いポーズをして頼む。


「ディル様、お忘れですか?魔力感知で目など使わずとも気配でわかるでしょう?」

「あ、そーだった。ありがとセルウァス!もう行くね〜!」

「お気をつけて。」


「ふぅ〜。そういやぁ、私魔力感知使えたわ。」


魔力感知とは、特定の魔力を探したり、魔力のもととなる"魔素"を感じ取ることで周囲を認識することができるスキルだ。


「魔力感知。」


周囲の魔素を意識して、その動きを感知する。


「おぉ〜。やっと周りが見えた。」


周りには何かわからない鉱物や植物、虫に苔、そして一面の岩肌が見えた。


「これでやっと道がわかる。もっと早く使っときゃよかったよ。」


まぁ、忘れていたのだから仕方がない。早く進もう。


「にしても、どんだけ奥に封印されてたの?私。」


洞窟を出るために歩き出して何時間、いや、何日が経過しただろう。一向に出口が見えてこない。


「いくら竜だから食べなくても済むとは言え、何かおいしいものが食べたくなってきた…。」


封印中に旅行した、ンン゙ッ!視察した異世界のご飯はとても美味しかった。美味しいお酒とつまみ、そして締めのラーメン。旅館で食べた刺し身とフルーツの盛り合わせ、そしてお酒。王道のみそ汁、白米、焼き魚を朝からちょっと頑張って作って食べた日なんかとてもいい気分だった。日頃のご褒美にちょっといい抹茶ケーキと抹茶ラテをおやつに食べたりとか、深夜に食べたインスタントラーメンがいつもより数倍おいしかったりとか、とにかく美味しいものがたくさんあった。


「はぁ〜。外に出たら絶対においしいもの食ってやる〜!」


そんな決意をして歩くこと数時間、外に出られそうな気配はこれっぽっちもない。


「ええい!こうなったらナビを創ってやるわ!」


日本で暮らした時もグー〇ルマップにはお世話になったものだ。


「どんな機能を詰め込もうかな〜。」


まず、マッピング機能。迷子になっている今、一番欲しい機能だ。次に、検索機能。1000年前と今じゃ色々なことが違うだろうし、つけておいて損はないだろう。3番目に統括機能。魔法やらスキルやらの統括をしてもらう。使うたびにいちいち探すのは面倒だからな。4番目はなんといってもこれ!会話機能!調べた際に読み上げてくれるだとか、旅の道中で雑談ができるとか、利点がたくさん!もう寂しさを紛らわすためにこいつをつけようと思ったぐらいだ。


「とりあえずこんなとこでいいか。んで、問題は…」


そう、創る際の媒介になるものだ。無から有は生み出せない。何を作るにしても材料が必要だ。


「ん〜。困ったなぁ。」


創るためのちょうどいい材料などこんな洞窟にあるわけがない。さて、どうしたものか。


「う〜ん。まぁ、セルウァスに聞けばなんとかなるっしょ!」


というわけで、もう一度異空間へと意識を集中させる。


「おっしゃ!到着!」


あら不思議!目を開くとそこは真っ暗ない空間!タネも仕掛けもございません!っとおふざけはここまでにして…。


「夜猫〜。」


鍵に向かって名前を呼ぶとみるみるうちに猫に変わった。


「ニャア。」

「お前は本当に賢くて可愛いなぁ。」


ちゃんとセルウァスのもとに連れてってくれるし、愛嬌もあるしって…。


「あ、ちょうどいい媒介いたじゃん!」


媒介と言っていいかわからないが、つけようと思っている機能を夜猫に"権能"として与えれば「機械」ではなく「すごい猫」を生み出せるのでは…!?


「夜猫。お前、私の手伝いをしてくれるか?」

「ニャア?」

「そう、手伝い。お前に権能を授けるから、その力を


使って私を補助してほしいんだ。できるか?」


「ニャア。」

「本当!?ありがとう!んじゃ、さっそく授けるけど準備はいい?」

「ニャア。」

「それじゃあいくよ。権能創造。」


私のスキル、"権能スキル創造"を使って創りたいスキルを想像し、構築していく。魔力と想像力がないと創るのは難しい。


「権能付与。」


次の問題は創った権能を授ける工程だ。スキル、"権能付与"で創造したスキルを特定の物質、生き物に付与することができるが、成功率はあまり高くない。というのも、付与する際には血の繋がり、または互いに信頼し合う、ことが条件となる。故に、血の繋がりもなく、相手からどの程度信頼されているかわからないというこの条件下で成功する確率は低いであろう。


「どう?話すこと、できる?」

「はい、我が主(マイロード)。」


聞こえてきた声は思ったよりも機械的な声だったが、元々機械を作るつもりでいたのだし、仕方がないだろう。


「うん。問題なさそうだ……」


…ん?我が主(マイロード)


「それって私のこと?」

「はい、我が主(マイロード)。ご希望とあらば呼び方を変更いたしますが、どういたしますか?」

「ううん。そのままでいいよ。体調は平気?」

「はい。これと言った問題点はありません。」

「それは良かったよ。それじゃあ、これからよろしくね。」

「よろしくお願い致します、我が主(マイロード)。」

「うん。よろしく。」


洞窟を出るため、頼もしい仲間が一人増えたのだった。

こんばんは、古瑠璃です。竜帝は夜明けを待つ、第2話です。時間がなく、なかなか納得できる文章を書けなかったのもあり、投稿するのにだいぶ間隔が空いてしまいました。次回はもう少し間隔を狭くして投稿できたらと思います。


そして、読者の皆様にお願いです。"竜帝は夜明けを待つー千年の封印から覚めた私は理想の国を創ります!ー"の略称を考えていただきたいのです。何卒 、よろしくお願い致します。


では、次回もよろしくお願い致します。

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