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ワンモア・バザール~最底職行商人、成り上がる~  作者: とあるアルパカ


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043,行商人、一通りを終える

 《フィアブル》の中枢再起動から数日。

 蒼い光を帯びて揺らめく街並みは、まるで眠りから覚めたばかりの新世界だった。


「おお……街が息を吹き返してる」

 レンが呟く。


 空中に展開した情報パネルが、新たに解放されたコンテンツを次々と映し出す。


――新素材“蒼晶鋼”の採掘権利獲得。

――特殊依頼“フィアブル守護隊”メンバー募集。

――未知の遺物“時空結晶”発見。


「素材のラインナップも増えてるし、依頼もどんどん来てるな」

 ミナトが画面をスクロールしながら言う。


「これは期待できそうだ」

 ユウカが拳を握りしめる。


 ──だが。


「新機能の“都市防衛システム”も導入されたようだ」

 レイが報告する。


「“シェルフィーネ”の再活性化に備えて、NPC部隊と連携した防衛戦が発生するかもしれない」


「つまり、また戦いが増えるってことか」

 ミズキが笑いながら、戦闘準備を始める。


「まったく、俺たちの生活、楽になる暇がねえな」

 レンが苦笑する。


 だが、確かな手応えがあった。


「この新しい《フィアブル》は、俺たち次第でどこまでも可能性を広げられる」


 再び未来を手繰り寄せる戦いが、今始まる。


 そんな折、新たな依頼人がやってきた。


「あなたが、レンさんですね?」

 柔らかい声とともに現れたのは、フィアブルの研究者を名乗る女性だった。


「新素材“蒼晶鋼”の調査チームの一員で、依頼内容は――“時空結晶”の解析と調査協力」


「面白そうだな。よし、受けてみよう」

 レンの目が輝く。


 新たな謎、新たな素材、そして新たな戦い。


 ──《フィアブル》は、まさに無限の可能性の結晶だった。


「おっと、レン!画面見てみろよ!」

 ミナトが興奮気味に叫ぶ。


 俺がスマホ型端末を覗き込むと、そこには見慣れないアイコンがずらりと並んでいた。


――【都市防衛モード】

――【素材自動採掘システム】

――【NPC連携指令】

――【遠征クエスト管理】


「ついに来たか、新機能祭り!」

 ユウカとミズキも画面を覗き込みながら笑う。


「まずは“素材自動採掘システム”の設定だな」

 俺は早速操作に取り掛かる。


「これで毎日の素材集めが楽になるはずだ。畑や採掘場にセットすれば、NPCが勝手に動いてくれるみたいだ」


「なるほど……でも、NPCたちのスキルや装備はちゃんと整えとかないと効率悪くなりそうね」

 レイが冷静に分析。


「それと“都市防衛モード”は、シェルフィーネの襲撃に備えて防衛ラインを自動展開してくれる機能らしい」

 ミズキが目を輝かせて言う。


「これは頼もしいけど、俺たちも戦力として参加しないとだめっぽいな」

 俺は肩をすくめた。


 さて、新機能をざっと整えたところで、最初の依頼に挑むことになった。


「今回の依頼は“時空結晶の調査と回収”だ」

 依頼人の女性研究者が説明する。


「フィアブルの奥地に眠る、未知の結晶のサンプル採取と解析が目的です。ですが警戒してください、そこにはシェルフィーネの高位個体が生息しているため、危険度は高いです」


「大丈夫、俺たちの戦力なら問題なし」

 双子が拳を交差させて自信満々だ。


 《フィアブル》の深奥、遺跡群の一角に足を踏み入れる。


 周囲の空気が一変し、どこからともなく心音が響く。


「来たな……シェルフィーネ」

 俺は身構える。


 双子はお互いに微笑み合いながら、戦闘態勢に入った。


「こっからは俺たちに任せろ!」


 激しい攻防の末、強力なシェルフィーネを討伐。


 時空結晶のサンプルを確保し、依頼は大成功となった。


「やっぱりチームワークが一番だな」

 俺が笑うと、仲間たちも疲れを見せつつも満足げな笑顔を返してくれた。


 この調子で、新機能を駆使しながら、次々と襲い来る試練に立ち向かっていくのだろう。



「よし、今回の目玉素材はこれだ」

俺はテーブルに青く輝く結晶――《蒼晶核》を置いた。


「この青晶核、ただの結晶じゃない。フィアブルの心臓部から採取された未知の物質だ」

レイが隣で興奮気味に説明する。


「理論的には、魔力と科学の双方の力を増幅させる効果があるはず」


「うん、だけど扱いは繊細だ。安定化させないと調合が爆発的に失敗する」

ミナトが慎重に周囲を見回しながら言う。


 俺は素早く装備を整え、調合台に向かう。


「今回のレシピは、青晶核を基軸にして、複数の触媒と希少薬草を組み合わせる」


 蒼く煌めく結晶を細かく砕き、魔力で活性化させながら調合薬草のエキスと混ぜていく。


「よし……ここが勝負所だ」


 慎重に魔力を注ぎ込む。

 触媒の反応がじわじわと立ち上り、空気が震える。


「うわっ、熱が……」

 ミナトが思わず後ずさる。


「落ち着け、集中だ」


 俺は深呼吸し、感覚を研ぎ澄ます。


「完了!」


 最後の一滴を入れ、青い液体が鮮やかな光を放つ。


 調合完了品――《蒼晶エリクサー》。


「見ろ、この輝き……」

レイが興奮を隠せない。


「効果は……強力な魔力回復とステータス強化、加えて一時的な魔法耐性アップ。まさにフィアブル由来の特別な薬だ」


「これがあれば、戦闘力も大幅に上がるはずだな」


 俺は満足げに頷き、新たな戦いに向けて準備を整えた。

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