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現実系ショートショート

現代の鼠小僧

 ここ最近、鼠小僧などと名乗る義賊気取りのハッカーが世間を賑わせている。

 企業や個人の、(おおやけ)にはできない裏の帳簿や不正の証拠などの情報を盗み出してはネットにばら撒いているのだ。


「そもそも企業にしても個人にしても、大っぴらに出来ない秘密の一つや二つは必ずあるのだ。それを暴くなど……」


 会社を経営している私は、会社にある自分の執務室でぶつぶつと呟いていた。するとコンコンとノックをしてから秘書が入ってくる。

 どうした、と尋ねると秘書がこう答えた。


「はい。以前より言われていたハッカー対策が完成しました。これでどれだけ凄腕のハッカーであろうと外部から我が社のコンピューターに侵入することはできません」


 それを聞いた私は小躍りして喜んだ。これでもう鼠小僧に怯えずに済む。

 その日私は久々に心安らかに、ゆっくりと酒を飲んでぐっすりと眠ることができた。


 しかし次の日の朝、私はけたたましく鳴る秘書からの電話で起こされた。一体どうしたんだと尋ねると、秘書は私の経営している会社の不正がネット上にばら撒かれていると報告をしてきた。


「どういうことだ! ハッカー対策は完璧だったのではないのか!」


 そう怒鳴りながら私は会社へと向かう。そして、昨日帰るときに会社の鍵をかけるのを忘れていたことを思い出した。

お読みいただきありがとうございます

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