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3.13

「聖女偽称罪、公金横領罪、不敬罪。それだけでなく第一王子と第三王子を籠絡しようとしたこと、人魔共存でなくてはならない魔物学者や、異世界転移者を守る近衛騎士にも手を出す無節操な少女。はぁ!? 何それ!? 聖女は別に偽称じゃないし、ちやほやしていたのは王族側だし、親密な関係性を許したのはあっちなのに! なんで、みこちゃんが投獄されないといけないの!!」

「まぁまぁ、さき姉落ち着いて」

「落ち着いていられないよ!!」

 鼻息荒く怒りを露わにする都は、手の平を返したような対応をしてくる面々に嫌気がさした。散々みこを持ち上げておきながら、バルドゥルを手中にできないとわかると切り捨てる。かと思えば、異世界転移の初日に放り出した都を担ぎ出す。

 ここは、ゲームの世界だ。だとしても、余りにも非人道的だ。

 都は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。

「……文句を言ってみたけど、わたしが巻きこまれちゃったからだよね。みこちゃんだけが招喚されていたら、こんなことにはならなかったかもしれないのに」

「ごめんだなんて、言わせないから。みこも、触れば暖かい人なのに、ゲームのキャラクターだなんて思ってちゃんと気持ちを考えなかったから」

 みこはしっかりと反省しているようだ。この様子なら、次は大丈夫だろう。

「……ねぇ、さき姉。現実って、残酷だよね。バルドゥルさんをみこが攻略できないってわかったら、今まで仲良くしてくれた他の四人も構ってくれなくなった」

「ジェラルドは、みこちゃんに食事を持ってきているでしょう?」

「それだけ。何か言いたそうな顔はしてるけど、何も言わない」

 みこのトラウマを、都が解消することはできない。だから時間が解決するだなんて、不確かな言葉はかけられなかった。

 代わりに、都は疑問に思ったことを聞いてみる。

「ねぇ、みこちゃん。わたしはゲームをしていないから展開がわからないんだけど、バルドゥルを攻略したらその後の世界はどうなるの?」

「わかんない。ゲームでは、バルドゥルさんと恋人同士になって、人魔共存できましたみたいな終わり方だったから」

「わたし、疑問に思ったんだけど……異世界から転移させることが当たり前になっていると思うんだ。バルドゥルのお姉さんのヘルルーガも、異世界から転移してくるけど帰るって言ってた。魔族は人よりも長く生きているからそれを知っている。でも、他の人は誰もそのことを指摘しない。なんか、おかしくない?」

「そこまで深く考えたことがなかったから、みこはわからない」

「そっかぁ……考えすぎかな」

 都を出してくれたように、みこも牢屋から出してもらえるように交渉すると伝える。

 牢屋から離れた都は、その足でバルドゥルの元へ行く。ずっと食事を拒絶していたため、まだ流動食しか食べられない。それでも、少しずつ都が匙を運ぶと食べてくれている。

 しかし、首の飾りが外れない。都は好きだと自覚しているが、バルドゥルは違うのだろうか。

 ヘルルーガに教えてもらった方法を試す。首の飾りに都が唇を寄せても、何も変化がない。

 みこも助け出したいが、バルドゥルの枷も外したい。



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