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プロローグ
ファントール大陸に、魔界と繋がる門が開かれたのが数千年前のこと。
魔界に棲む魔族たちは、人間界を侵略せんと軍勢を送り込んできた。
人間たちは当然、これに徹底抗戦。持てる全ての力を駆使して戦い、多くの犠牲を出しながらも、魔界軍を門へと退けた。
しかし、魔族も一度の敗戦で諦めることなく、侵攻は断続的に行われた。
人間たちは完全に魔界との繋がりを断つため、門を閉じる方法を試行錯誤してきたが、現在も叶っていない。
こうして、人間と魔族は長きにわたる闘争を繰り返してきた。その攻防は、時代によって一進一退であった。
およそ百年前の戦争の際には、多くの国々が魔族の手に堕とされ、あわや人間界の完全征服寸前まで追い詰められた。
しかし人々の中から、並外れた強さと勇気を持つ者たち――いわゆる勇者が立ち上がり、魔族の支配から人々を解放した。
そして結託した人間たちは、怒涛の勢いで魔族を逆に追い詰め、門の向こうへ撤退させるまで追い込んだ。
こうして、しばし平和な時代が訪れた。
そして現在……
魔族は、再び動き出していた――
