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超真面目ホラー

家族の夢

作者: 七宝

 最近、家族の夢ばかり見る。一緒に海に行ったり、カレーを食べたりする夢。もちろん家族は生きてるし、みんな元気だ。


 ただ、最近はよく「おかえり」と言われる。夢を見始めた頃にそれが聞こえて、そこから夢が始まる感じだ。


 夢の内容なんて基本的には覚えていないもので、いつも大まかな事しか覚えていない。しかし、最近は違う。日に日に夢の内容を覚えられるようになってきている。


 昨日の夢の内容だって聞かれればすぐに話せるほど覚えている。東京でひとり暮らしをしている私が徳島の実家に帰省する夢だった。家には父と母と、もう一人知らない人が居た。知らない人の顔はあまり覚えていないが、四人で机を囲んでカレーを食べていた。


「ずっとこっちに居ればいいじゃん」


 母がそんなことを言っていたのを覚えている。夢の中では東京に住んでいたが、私はまだ実家で親子三人で暮らしている。


 そもそもなぜこんな話をするのかというと、毎日家族の夢を見るのがなんとなく怖いのだ。予知夢ではないと思うけれど、なにか良くないことが起こる前兆のような気がしてならない。


 自分の家族と同じものが夢の中で生きていると考えるとゾッとする。しかも毎回「おかえり」と言われるし、意味は違うけれど「ずっとこっちに居ればいいじゃん」とも言われたし。


 いつか夢の中に連れ去られて、寝たままになって永遠に目覚めなくなりそうで不安になる。それと、もう一人いた家族が誰なのか。もしかして弟か妹が生まれるっていう予知夢か?


 歳の離れた兄弟になるけど、それはそれで楽しそうだな。そう思うと全然怖い夢じゃなく感じる。気の持ちようって大事だね。


 さてと、いつまでも布団の中にいてもダメだし、そろそろ起きて両親にこの夢の話でもしよう。


 階段を下り居間に入ると、母がドラマを見ていた。


「おかえり」


 母が言った。


 と思ったが、私は布団の中に居た。


 ⋯⋯なんだ夢か。ビックリした。もう訳分かんないな。


 さて、起きよう。


 階段を降りて居間に入ると、母と父と、私がいた。


「⋯⋯どちら様?」


 と、私は言った。

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