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テン★漢♡娘  作者: 風月七泉


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88話:内緒の初ホラーはVRから⑤




 いったい帰って来るまでに何があったんだろう。


 此処まで綺麗に片付いてはいなかったはずなのに、お手伝いさんの人数は確かに多かった気はするけど……僕等が出かけた後に庭師の人でも後から来たのかな。


「悠月ちゃんってお嬢様じゃないって嘘じゃない?」

「いやいや、普通……の家庭です」

「ちょっと間がありましたけど?」


 それは母さんを一般家庭という枠組みにして良いモノかと悩んだ結果だ。


「流石はお姉様ですね」

「菜々美さん……少なくとも僕が凄いんじゃあないですから


「私の事はナナと呼んでくれても良いんですよ。親しい人達は皆がそう呼んでくれますから、是非ともお姉様にも呼んでいただきたいんですけど」


 可愛らしく上目遣いで僕を見つめてくる。


 危なく彼女の雰囲気に飲まれて名前を呼びそうになるも、何とかグッとこらえながら擦り寄ってくる彼女の肩を押して、何とか離れる事に成功する。


「少なくとも先輩呼びですよ。僕はまだまだデビューしたてなんですからね」

「むぅ~、お姉様ってば意地悪です」


 別に意地悪をしているつもりはないんだけど、むしろ常識的な対応だと思うよ。


「ふふ、そう簡単に悠月を落とせると思わぬ事だのう」


 何故かカミが得意げになって菜々美さんを見下ろす様に見る。


 悔しそうな顔をしながら、拗ねた様に鼻を鳴らしてブツブツと何かを呟きながらそっぽを向いて、何かをメモ帳に書き込みながらゆっくりと僕等の後を付いて来る。


 なんか怖いんだけど、僕から話しかける勇気は流石に無い。というか皆が少しだけ距離を取りながら歩いているのは気のせいではないだろう。


「あの、普段から菜々美さんってあんな感じの人なんですか?」

「普段は大人しくって引っ込み思案な子ですよ……信じられないとは思いますが」


「ああいう感じのナナっちは初めて見るね~。双葉なら知ってそうではあるんだけどね~。仲が良いっていても深くは関わってるって訳じゃあないんだよね」


 菜々美さんと同期のフタバさんなら知ってはいそうだ。


「ただいま~」


 カミが大声でインターホンを鳴らしながら叫ぶと、控えていたように執事服を着ている人が中からお辞儀をしながら出迎えてくれた。


 柵が自動て横に動いていく仕組みらしい。


「カミ様と悠月様ですね……後ろの方々は?」


 この執事服を着た紳士なお爺さん、どっかで見たことがある気がする。何処だったかな、執事さんなんて……いや、更紗ちゃんの運転手さんだったかな。


「後ろの者達は先輩達じゃぞ。怪しいモノじゃあないから心配せんでも大丈夫じゃ」

「それはそれは、どうぞお通り下さい」


 今の僕が不用意に更紗ちゃんの知り合いで、会った事があるなんて言える訳がないから確証は取れないけれど、何時も更紗ちゃんを送り迎えしていた執事さんだと思う。


 なんで此処に居るんだろうという疑問もあるけど、それは後で母さんにでも聞くしかないだろう。もしかして、寮のお手伝いに来てくれているメイドさん達も更紗ちゃん絡みだったりするのだろうか、もしもそうであるなら、僕の家と寮が大きい理由も少し分かる。


「紬、お帰りなさい?」

「紬? 悠月さんでしょう」

「ぬっ、お主らは……何故、この寮に居る?」


 良く見知った顔を女の子二人が出迎えてくれた。


「それはこの寮に住むからに決まってるでしょう。それにしても紬が居ないなんてね。挨拶も一緒にしようと思ってたのに、驚く顔が見たかったな」


 いや、十二分に驚いてるから。


 今だってなんで此処に二人が居るのか若干理解出が出来てないもん。

 引っ越して来たって事は、寮に住むってことなんだろうけどね。


「先輩達も初めまして?」

「え、この方達って悠月さんのお友達じゃあなかったの⁉ って、よく見たら舞さん⁉」


 未希ちゃんが慌てながら、必死に挨拶の遅れを取り戻そうとしている。


「よろしくね~」

「お二人が居るという事は、計画はコチラでやると言う事ですか?」

「はい、もう準備は済ませてありますから何時でも開始できますよ」


「ふふ、ふふふ。さっき意地悪されたお返しはキッチリと返させてもらいますよ。お姉様がいけないんです。私の事を蔑ろにしなかったら助けてあげようと思ったのに、ね」


 気配なく僕の背後から近付いて、耳元で囁く様に菜々美さんが語り掛けてくる。


「どういうこと?」

「おしえてあげませ~ん。お楽しみに」


 にっこり微笑みを浮かべて、ワザとらしく抱き着きながら、視線は別の所を見て誰かが近付いてくると、彼女はすぐに僕から距離を取る。


「ほれ、何をしておる。行くぞ」

「まったく、油断し過ぎ?」


 カミと更紗ちゃんに両手を引っ張られて、少し怒った様に引っ張られる。




「ふ~ん、ライバルは多そうです、ね。でもお姉様は絶対に渡さないですから」







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