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テン★漢♡娘  作者: 風月七泉


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25話:秘密の共有って=??




 色々と問題は多かったデビュー配信だったけれど、概ね好評だったみたいで良かった。

 僕が最初に思っていた人数は正直に言ってしまうと、十人も見ていないんじゃないかって思っていた自分を殴ってやりたい気分だ。


 そのせいで始まる直前に何千という数字を見てしまって、頭は真っ白で体はガチガチになってしまった。もしもカミが居てくれなかったら、何も喋れていない気がする。


 そんな事を考えなら一息ついていると、携帯電話からライフのコメント通知が鳴った。

 誰だろうと思って画面を見てみると、更紗ちゃんからだった。


「こんな時間になんだろう?」


 珍しく遅い時間帯に連絡をくれるなんて、今までに無かった事なのに……。


 何か緊急な事なんだろうかと思っていたのだけど、コメントを見た瞬間に、思わず携帯電話を手から落としそうになってしまった。


〈今日ね、面白いモノをみたの。私の好みに近いキャラの子でね。この前にあったお姉様にそっくりで、すっごく気に入っちゃった?〉


 なんてピンポイントなタイミングで見てるんだろうか……確かに、何千という人が見ていたなら、近しい人が見ていないって事は無いだろう。


〈そうなんだ。良かったね〉


 コレが通話じゃなくて良かったと心底思う。

 今もしも通話で喋っていたら、僕は絶対にどもっていただろう。


 修学旅行なんかで良くトランプをしていたんだけど、その時にやるババ抜きなんかの心理戦的なゲームでは何時も負けてしまう。


 友達曰く、僕は顔に出やすいタイプみたいだから、すぐにバレるんだそうだ。


 最初は更紗ちゃんだけだったグループに、呼ばれたらしい美希ちゃんまでも現れて、同じ会話に入って来た。しかも、その内容は更紗ちゃんと同じでようで、今日僕がしていたライブ配信だ。


〈アタシも見たよ。ここのバーチャルライバーのオーディションに応募しよと思ってるんだ。丁度募集してるってネットの広告で見たからさ〉


 なるほど、あの時に買い物をしていたのって配信に必要な物を買いに行ってたんだな。そう言えば電気街にも行ってたって、少しだけ話していた気がする。


 ここで僕は何も考えずに、あの時に話していた事に触れようとしたが、すぐに我に返ったと言うか、思い出して書いたコメントを慌てて消す。


 危なくそのままで送信する所だった。

 僕が女の子になっているのが、自分のヘマでバレてしまっては元も子もない。

 こういう所も気を付けていかないとな。


〈その買い物をしてる時にさ、紬ちゃんのお母さんにあったよ。後は知らない子達にも、なんか一人のお姉さんっぽい人も居たんだけど。紬ちゃんにお姉ちゃんなんか居ないよね〉


 すぐに僕には姉が居た事にしようと思ったのだが、それよりも早くに更紗ちゃんのコメントの方が早く書かれてしまった。


〈何言ってるの? ツムぎんは一人っ子だよ。私は聞いた事は忘れないから〉


 確かに僕の家族構成については聞かれた事がある。

 しかも、その時はこんな事になるなんて思ってなかったから、馬鹿正直に答えてしまっている。


 ダラダラと冷汗が止まらなくなってくる。


〈そっか、あの時の人さ、な~んか前の学園祭でやった女装した紬ちゃんに近かった気がするんだよね。男の子じゃなかったら、きっとあんな感じの素敵な女の子になってそう〉


〈僕は良く解らない、かな。会った事はないと思うよ〉


 かなり動揺していて、早く返信しないとって思いながら、条件反射でコメント打つ。


〈ふ~ん? ツムぎんのお母さんと一緒だったから、親戚の子かなとも思ったんだけど? 会った事がないって事は、親戚でもない?〉


 確かにその手があったかと思い返す。


 何とか言い訳を探そうと必死に考えている最中に、今度は別の方向から、先手を打つかのように今度は美希ちゃんが畳み掛けてくる。


〈そうそう、その紬ちゃんに似たお姉さんで思い出したんだけどさ。アタシが応募しようとしている所でデビュー配信をしていた悠月ちゃんって人がね、料理上手なんだって〉


 カミの話で出て来たプリンの話だ。

 父さんが撮っていた写真を一枚だけ載せていたな。


〈コレでしょう、見たよ?〉


 そう言って更紗ちゃんが同じようなプリンの写真を一枚貼ってくるくれるのだが……どこか違和感がある気がする。


 でも、同じプリンの写真だしな……何が変に感じるんだろう。


〈そうそうそれ~、美味しそうだよね〉


 そう言いながら美希ちゃんも僕の作ったプリンの写真を貼ってくれる。

 写真が二枚……そこで、妙な違和感に段々と僕は気付いていってしまう。


〈えっと、あの……二人とも?〉

〈な~に? ツムぎんは、この写真に見覚えがあるの?〉

〈ある訳ないじゃん、だってあった事も無い人なんだよね〉


 彼女達の写真に違和感があるのは当たり前だ、写しているアングルが微妙に違うのだ。


 そして、このプリンを作って御馳走したのは他でもない僕だし、食べたのだって両親以外では彼女達しか居ない。微妙にアングルが違ったのは、各々が自分の写メで撮ったからだろう。


 父さんが撮ったアングル、更紗ちゃんと美希ちゃん達が其々に写した写真。


〈この写真って、出回って無いはずなんだよね~。なんで、彼女から出て来たんだろう、ね〉


〈ツムぎんとツムぎんの両親と私達以外には、この容器で、この机にちょっと崩れた感じの盛り付けなんかも含めて、見たことある人っていないと思うの? さて、どういこと?〉


 ここまでの会話で、僕はもう固まったように携帯電話がスルっと手から抜け落ちた。






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