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テン★漢♡娘  作者: 風月七泉


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遊び相手み~つけた

カースチャームの書き直しです、色々と変わっていますが、今日からスタートです。

誤字脱字等は多くあると思いますが、頑張って書いていくのでお付き合い頂けると幸いです。

至らない所が多いと思いますがよろしくお願いいたします_(._.)_




『呪ってやる、何故……なぜ誰も我を崇めない』


 座敷童の様な和服を着た美少女が、神社の境内で一人、ブツブツと呟いていた。


 なにやら物騒な言葉を発しながら、どす黒い霧に覆われた子供が境内で地団駄を踏んでいる。まぁ、神社がボロボロ過ぎて荒地の様になっているのだけど。


 もうすぐ日も落ちる時間だと言うのに、小さな女の子は帰る気配がない。


「キミ、もう帰らないと危ないよ」




 ==こんな時間に一人でいる古めかし和服を着ている女の子を不思議に思わず、声を掛けてしまったのが運の尽きだったのかもしれない。




『誰よ? こんな場所に何の様なの』


 子供だと言うのに、鋭く睨む目に気圧されてしまう。


「えっと、この辺で美術の宿題でも済ませようかと、思って」


 裏山にあるくたびれた神社で、長く放置された感じが良い具合に味わいある風景になっている。そこで、夕日をバックにした一枚の写真を撮ろうと思ってきた。


 後は写真基にして構図を描いて、絵を完成させれば美術の宿題は終わる。


『お参りもせずに?』


 なんか女の子に纏わりつく黒い霧が更に濃くなっていく。


「いや、だってこの神社って何の神様を祀ってるのか知らないし。というよりも、誰も管理してないよね。すっごくぼろぼろじゃん」


 この神社がどういう管理状況なのかは知らないけれど、市からも忘れられた様に放置された場所になっているのは、この辺に住まう人達なら知らない人は居ない。


『……ほぉ、そうか、そういうこと』


 フラフラ左右に揺れながら不気味に近付いてくる。

 しかも、さっきよりも黒い霧が僕の体に絡みついてくる。


「ゆ、幽霊なの⁉ 何か悪いことを言ったかな」


 逃げようと思っても、足が竦んでしまって動けない。震える脚になんとか力を入れて立っているのでやっとなのだ。


『我をあんな低級な者達と一緒にするんじゃない。我は……神聖なる――』


「悪霊みたいなことをしておいて、よく言うね! 第一、神様だっていうなら何の神様なのさ! というか名前は⁉ 僕が何かしたなら謝るからさ」


『ふふ、ならば教えてやろう。我の名は………………名は? あれ⁉ 名前……』


 今までの雰囲気が一気に飛散して、急に頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。


 苦しそうにしながら、ずっと自分の名前を思い出そうとしているようだけど、全然思い出せそうにない。段々と彼女の顔が恐怖に染まっていくのが見ていて良く解る。


 悪霊なのか、邪神なのかは知らない。

 分かってるのは普通の子じゃあなさそうって事ぐらいで、不思議ちゃんにしか今は見えない。


 けど、あんなに怖がっている女の子を放っておいて逃げてしまうのは、男である僕自身が許せないし、そんなことをしてしまっては男が廃る。


 ただでさえ僕は、外見が女の子みたいと揶揄われているというのだから。


「大丈夫だよ。そのさ、何があったのか分かんないけど僕が近くに居てあげるから」


 どす黒い霧が彼女を覆っていたが、僕は震えている少女に寄り添うようにして、頭を優しく撫でながら抱き着いてあげる。


『我は、遊びの神様なの……神様なのに、名前が思い出せない』


 確かに彼女が呼ばれていた名前があったのだろう。しかし、この神社に因んだ名前と言われても、ボロボロ過ぎてこの神社の名前は全く分からない。


 神社の本殿と鳥居などはあるけど、殆どが外観だけ残っているだけで、祀られている鏡や祭壇は辛うじて役割を保っているだけに過ぎない。


 神社の名前が分かるような看板なんて朽ち果ててしまっているので、もう解らない。


『誰も、此処に来てくれん。誰も我と遊んでくれぬ。誰一人、我を思い出してくれない。一緒に居たいだけなのに。遊びたいだけなのに。遊びに繋がりなんて、ない』


「ん~、そんなことないよ。今は色々なモノがあるからね。それにネットで世界中の人と遊べるようになってるよ」


『うそ、そんなの嘘。我は知らない。何にも知らないもん』


 小さく吐き捨てる様に発した言葉は、怨む様に僕を睨みながらも、瞳には「寂しい」という思いで溢れている様に見えた。


「そっか、じゃあその恨みを僕にぶつけてみる? 受け止めてあげるよ。一緒にずっと遊んであげるから、大丈夫だよ、一人にしないからさ」




 ==不用意な発言だった。こんなことを言わなければ、僕の日常はもっと平穏で、普通の男の子として過ごせたんだと思う。

 ただ、まぁ……色々と大変なことが多くなったけれど、後悔はしてない、かな。




『本当に良いの? じゃあ一緒に遊ぼうね。神との契約に裏切りは無いんだよ』


 ギュッと胸に抱き着かれ、黒い霧が僕を包むけれど、あたたかく怖くはなかった。

 ただし、少女の口元がニヤリと笑ったのが気になった。

 笑顔は少女そのもので、気付かなかったのだ。


 彼女が言っていた事は本当で、神様だって事も、契約というモノを結んだ事もね。




 ==契約というよりも、呪いだったけど。




 泣いていた少女が落ち着きを取り戻して、その日は、そのまま別れたはずだった。


「なにこれ、なんで? 何がどうなってるの⁉」


 家に帰ると、何故か神社であったお人形みたいな少女が家に居るのだ。


『神との約束は絶対なんだよ? 知らないの?』


「知らないよ⁉」


 僕と少女が玄関で騒いでいると、台所から母さんが顔を出してこっちを見てくる。


「何を騒いでるの? 二人とも外で遊んで来たなら、手洗いうがいをしてらっしゃい」


 そも当然の様に、この少女が母さんに受け入れられている。






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