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本好き勇者のお店屋さん〜クソ雑魚勇者の辺境店舗  作者: 夏飼 今日輸
序章 本選び 本好き勇者と魔物達
9/40

9ページめ

『この素晴らしい世界に祝福を』

『東方Project』

 の固有名詞を使わせていただきました。

 ドカン、ドカン、と、洞窟が震える。なにが起きたのか。それを知るために、僕は洞窟の外ヘ走った。


 ドカン。


「ヒイッ」


 思わず情けない声が出てしまう。怖い。もしかしたら、死ぬかもしれない。いや、僕のステータスで爆発をくらったら、確実に死ぬだろう。怖い。本を読んでいたい。けれど、これでみんなが死んでしまったら、悔やんでも悔やみきれない。僕は走って、走って、やっと外に出た。

 そこで、僕は『クレーター』を見た。それは、本当の意味での『クレーター』ではないのかもしれない。炎系黒魔法によってできた、球状の穴が正解だろう。けれど、僕は、ナニカが降ってきて、『クレーター』を作って行ったのだと思った。

 近くでありえない威力のファイアボールが破裂する。その爆発で僕の体は飛んだ。

 助けてくれ。痛い。足が。そんな言葉が聞こえる。なんとかしないと。

 そう考えながら、僕は地面に転がった。


「っグぅうっ」


 体中の痛みをこらえて立ち上がり、相手を見る。

 黒い肌を持った、4本腕のオーガ。

 白い模様の入った体を持つ、悪魔。

 最悪だ。本当に、最悪だ。なんでこんなところに魔王軍幹部が2人も来てるんだよ。このままじゃ本当に………。考えろ。考えろ。今、有効そうな持ち札は、黒魔法だけだ。どうすれば彼らを退ける事が出来る?

 近くで魔法が炸裂した。幸いにも、たいしたダメージは負っていない。はっ。爆発………!これならいけるかもしれない。でも、少しでも間違えたら。ええい、『やる前から失敗を考えるやつがいるか』!何かで読んだ言葉をおぼろげに思い出し、僕は叫んだ。


「合図したら全力で結界!」


 避けるルートを情報輸入で脳内にマッピングし、アルケミィの【MPポーション フル】を飲む。それと同時に風系黒魔法を頭に焼き付ける。なんでだろう。こんな時に僕の頭に浮かぶのは、『弾幕』ってこんな感じなのかなぁという、多少なりとも本に関わる事だ。

 近くで魔法が爆ぜる。けれども、僕にダメージは無い。マッピングされたルートを通っているからだ。

 目標まで、あと10メートル。

 ファイアボールを多数展開する。

 目標まで、あと8メートル。

 ファイアボールをまとめ、巨大な火の玉にする。

 目標まで、あと6メートル。

 ファイアボールを風で圧縮して小さくする。

 目標まで、あと4メートル。

 結界はれ!!そう僕は叫んだ。

 目標まで、あと2メートル。

 情報輸入の計算に従って水の玉を作る。

 目標まで、あと1メートル。

 僕は、某爆裂娘『めぐみん』のように叫んだ。


「エクスプロージョン」


 ぼっ、と音がして僕の意識は消えた。

この程度なら、怒られないですよネ……………。

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