7ページめ
一応説明。
SAN値精神力を意味する。本文では怖くて減少した。
フシバジェットコースターが終わった。
僕のSAN値も終わった。怖かった。
僕の三半規管は死んだ。目が回る。
「ウエッ」
なんか………今日、吐いて、ばっかりだと思った。
『なんか、すまなイ』
大丈夫とは返せなかったが、なんとか立ち上がり、洞窟内へ入る。
『フラフラだゾ。大丈夫カ?』
「大丈ぶぅベッ」
コケた。全然大丈夫じゃない。フラフラしながら中へ進んで行くと、ところどころに壊れ、たところや、血が飛び散っているところがみられた。それを見るたびに、心が死にかける。完全に心が死なないのは、死亡者がいないと分かっているからだ。
広間につながる曲がり角。そこでフシバさんが僕の目を塞いだ。
『怪我人を見ル、覚悟をしてくレ』
本当にすまなさそうな、フシバさんの声が聞こえる。僕は、ゆっくりと頷いた。
まず始めに見えたのは赤。みんなの、血の色だ。ここで、僕は吐きそうになった。血は、解体で見慣れているはずなのに。
「うっ」
ここで吐くのはまずい。全力でこらえる。そして見えたのが、治療に追われる白魔法の使い手。僕は吐き気を忘れ、治療のために駆け出した。近くにいた、腕がねじ切れている、ゴブリンのサジェクさんに回復をかける。イメージ。腕が生える、イメージ。
『腕ガ………』
サジェクさんの腕が元に戻る。
と、同時に、MP切れで僕の意識が消えていく。ガクッと頭が落ちた瞬間、魔力が体内に注がれた。僕の頭が再起動する。
「ありがとう、フシバさん」
どうやら、フシバさんがMPポーションをかけてくれたらしい。ダルいからを押し上げるようにして起き上がる。
「アルケミィがいればなぁ」
アルケミストゴブリンのサイスト。愛称はアルケミィ。彼のポーションは、効き目がスゴイ。だから、無い物ねだりとわかっていても、彼のポーションが欲しくなってしまう。
『サイストなラ、ボスの………』
あれ?なんか、とっても大事な事を忘れているような。
『そうダ!ボスの傷を治してほしいんダ!忘れていタ』
忘れないでください。本気でそう思った。
誤字報告、ありがとうございます。