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6ページめ
口の中がマズイ。また、吐くかもしれない。少しえずきながら、黒魔法の水で口の中をすすぐ。
『大丈夫カ?』
フシバさんの問いにうんと答え、 なにが起きたのかをきく。どうやら、魔王軍と思われるウルフの軍隊が襲ってきたらしい。幸いにも、死亡者はいないみたいだ。しかし、
『ボスが、死にかけていル。助けてくレ』
安心はできなかった。
「早く行かなきゃ!」
『ちょっと待テ』
僕が走り出そうとすると、フシバさんが襟を掴んで来た。首が締まってグエッとも、クエッとも、ウエッともつかない声をだしてしまう。
「な、なによ?」
僕が目線と口で抗議すると、フシバさんがは、目で黙ってろと言って来た(ような気がする)。
「は?」
次の瞬間。僕はフシバさんにバズーカ砲のように抱えられた。
「ちょちょちょ」
僕が抗議するまもなく、フシバジェットコースターがスタートした。