2ページめ
木を組んだだけのボロい小屋に帰ると、美形の男がいた。なんでこんな普通の人が来ないような所にひとがいるんだ?そう思う前に、僕の体は勝手に動いていた。
「美形は帰れ!」
あと口も。
ゴンッ、と鈍い音がして、美形の頭に分厚い辞書があたった。これは、僕のユニークスキル、情報輸入で呼び出したものだ。ちなみに、僕のステータスはこんな感じ。
カイト・カヤノ 14 Lv.1 勇者
HP15 MP70 ATC9 MND36 STR4
パッシブスキル
剣術Lv.1
アクティブスキル
剣技Lv.1
ユニークスキル
情報輸入Lv.8 翻訳Lv.10(MAX)
MPと魔力が高いのは、ずっと使っていたからだ。本を質量情報等と一緒に取り寄せていたので、よく魔力切れで倒れていた。
閑話休題。
気絶した美形の男を外に放り出し、読書タイム。あんなウザそうなのは、忘れるに限る。
次の日。
生きがいの読書タイム。『ベノム』のノベライズが面白い。奇妙な病気にかかった少女たちの話と読んだだけで衝動的に取り寄せ(コール)してしまったが……………。
コンコン。
誰だ?もう少し余韻に浸っていたかったのに。チッと舌打ちして、ドアを開ける。
「誰で(バタン)」
ふう危ない。美人が見えた。美形は嫌いだっていうのに、2日連続で見るとか、最悪だ。こんな時は読書に限る。
ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ。
ドカン。
ん?ドカン?音のした方を恐る恐る確認する。
ボロい壁。ボロい本棚。壊れたドア。
うーん見間違いかな?もう一回確認。
ボロい壁。ボロい本棚。壊れたドア。
あれーおっかしーなーなんでドア壊れてるんだろー。よし。現実逃避はやめよう。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ。ドア壊れてるぅーーーーーー」
「五月蝿い。黙りな。(ガンッ)」
叩かれ縛られ、僕は誘拐された。いやいや、僕を誘拐しても良い事ないでしょう!!もういいや。ボカロでも聞いてよう。ランダムで輸入スタートぉ(泣)