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二剣士  作者: 梛良次郎衛門八房
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覚者来臨し、地の騒乱を収める

魔王ハミルカル。彼こそは、この惑星ヌースフィアで最強の存在だった。

古の魔王達の剣技と魔術、そしてその戦術を受け継ぎ、人界を支配する七人の皇帝達の強大な騎士団を瞬く間に打ち破ってきた。


彼の剣は疾風の如に似て人界の軍が繰り出す鋼の戦車を紙のように切り裂く。

その魔術は無尽で十万の大軍の上に流星の雨を降らせる。

そして機略縦横の戦略は、科学力と軍事力で上回る人界の軍隊を自在に右往左往させ瞬く間に殲滅してきた。

ハミルカルはこのようして、科学によって強大な力を手にし魔界すら支配せんと攻め入ってきた人界の皇帝たちを退け、逆に地上に侵攻して皇帝らの国土を占領してきたのだ。


そして、皇帝たちの連合の盟主であるカピトリウム帝国の城壁を攻撃しようとしたとき、その男は現れた。

「我が名はサマンタバドラ、八葉の総意は勝者無きこと。故にサッタとして其方らを導かん。」サフラン色の僧衣を着たその男は、ただ一人魔軍の大軍勢の前に現れた。


「坊主風情が何のつもりで我が軍の前に現れおったか!?」

巨大な戦槌を振り上げたオーク族の魔将が嘲笑いながら、この狂った坊主を魔獣が曳く巨大な戦車で踏みつぶそうとしたその刹那、巨大な雷霆が大地を引き裂き魔将は戦車もろとも蒸発する。

「な!?」

「おのれ!我らに逆らいおるか!」

色めき立つ魔の将兵たち。しかし次の瞬間、戦場の全てを威圧するほどの比類ない霊力が彼らの魂を締め上げた。


「これは!?」

前衛軍の進行が止まっていることを訝しく思ったハミルカルが側近に状況を確認させようとした時、突如強い霊力が彼の心臓を締め付けるのを感じた。

「な…なにごとか!?」

胸を抑えてやっとの思いで立ち上り遠視の魔法で先鋒隊の方を見やると、一人の僧の頭上に巨大な蒼い火球が現れ今にも魔の軍団に襲いかかろうとしていた。

「いかん!」

「我、修羅道に堕ちし者らを涅槃の彼方に導かん。Om niśumbha vajra hūm phat 三千世界の勝利者よ、その浄炎でこの者等を浄めたまえ。」

遠目にも分かるその火球の恐るべき熱量にハミルカルが咄嗟に魔法障壁を張るのと、僧が詠唱を終えるのが同時だった。


目もくらむほどの閃光、全てを吹き飛ばすほどの衝撃波、あらゆるものを焼き尽くす熱線。

瞼を開いたときには、魔像兵も、戦車も、幕舎も、何もかもが粉々になり、ただ黒く焼けた大地と、恐らくは鎧が熱で溶けたであろう金属のどろどろとした塊だけが残っていた。


「まさか…これほどの大規模魔法、魔法陣なしには余でさえなし得ぬ…」

彼方に見える僧は僅かな呪文の詠唱だけであれほどに巨大な火球を創り出し、六万ほどの前衛軍を一瞬で燃やし尽くした。

ハミルカルも強力な魔法を行使することでは人後に落ちぬ。

しかし、一軍を瞬時に滅ぼすほどの術は儀式魔術に依らねばならず、魔獣を数体生贄にせねばならない。

ところが、彼方に見える僧形の男は杖や宝石と言った媒介すらなしにこれだけの術を行使した。

そして今なお、男の霊力はハミルカルの心臓を締め付け続けている。


「なんという強大な力…よもや唯一神の使いか?しかしあれが地上の事に干渉するなど神話時代のこと。いったい…」

ハミルカルが呆然と見つめていると、男は視線に気付き近付いてくる。


「一位の衆を認めたり…ああやっぱりこの顕現じゃ手加減がしにくいな、みぃーんな燃え尽きちまった…何だか喋りにくいし…やっぱこっちで行くか!」

男はそういうと、僧衣の裾をさっと払う。

たちまちに黄金色の炎が立ち上って男を包んだかと思うと、次の瞬間金色に煌めく鎧に身を包んだ戦士が現れた。

「om vajra-sattva āh!」

男が手に持ったヴァジュラ(柄の両端に短い刃のついた武器)を構えて短く詠唱を行うと、その一端が伸びて雷を帯びる刃となる。

「さてさて!魔界の兵隊さんよぉ!この勇者様が相手してやるぜぇぇぇ!!」


それからは、ただただ悪夢のような虐殺だった。

真っ直ぐハミルカル目掛けて迫ってくる勇者の前に中衛軍や近衛軍の暗黒騎士らが立ちふさがったが、剣を合わせることすらできず勇者の纏う雷霆に焼き尽くされた。

魔導兵団とハミルカル自身が魔法障壁を唱えて彼の者の進行を阻もうとするも数分も持たない。

「陛下を守れぇ!」「勇者に一矢報いるのだ!」魔獣や戦車を駆る魔将らが幾重にも強化魔法を張って突入するも、勇者が軽く振るった剣から伸びる光刃は彼らを一瞬でバラバラに切り裂いた。

「馬鹿な…余の無敵の軍勢が…滅びる?」

「王よ!お逃げ下さい!」

狼狽するハミルカルに、軍参謀であるダークエルフが叫ぶ。狼狽していた彼はその叫び声で我に返った。

「なにを言う!魔王ともあろうものがたった一人の人間に背を見せよというのか!?」

「あれは!あれは人ではありませぬ!魔神や天使でさえない!覚者です!」

「覚者だと?!」

「御免!」

驚くハミルカルにダークエルフは転移魔法を掛ける。たちまち彼の背後に次元の裂け目が生じ、気が付いたときには彼は魔王城の玉座にいた。

「…馬鹿な…」

「馬鹿なっ!!」


これが、僅か一時(いっとき)ほど前に起きた出来事である。

この地上に己以上の強大な存在などいないと思っていたのに、地上の全てを平らげ人間どもに目にもの見せてくれようと思っていたのに、その野望は一瞬で打ち砕かれ、多くの麾下の精鋭・家臣・友を全て嬲り殺しにされ、己だけが誰一人いないこの魔城に逃げ戻っている。


「くっ…!」

もはや、敗北とさえ言えない。口惜しさ、怒り、憎しみ、そのような感情では言い表せない程の絶望で彼の心は引き裂かれた。


あれほど完膚なきまでに魔王軍を蹂躙した上は、勇者は自分の首級を挙げに真っ直ぐ魔王城まで向かってくるだろう…せめて勇者と刺し違えよう…ハミルカルは入念に防御魔法と、勇者が持つであろう神気を弱体化させる結界を張って彼を待ち構えた。


ところが、死を覚悟して待ち構えたこの恐るべき敵は、今自分の目の前に座り込んでいて如何にも胡乱な提案を持ち掛けてきている。しかもわざわざ己の力を無効化してまで。

(どういうことか…?)全く、理解が及ばなかった。


戦場で見た恐るべき魔法、剣技、いやそれ以前にそれだけで此方の霊自体を握りつぶしてしまえるほどの神気。

そして今また防御魔法を容易く破ってここまで至り、結界の中でもその力が衰える風もない。

(余を殺すなど造作も無いはずだが…?)

先の提案…世界を山分けしよう、などという話は到底信じられぬ。しかし騙すにしても理由がない。

ハミルカルは佩剣の剣尖を勇者に真っ直ぐつけたまま、しかしどう応じて良いものか分からずしばし逡巡した。

もとより、剣を握る手に気を込めることも叶わぬのだから持っていても意味はないのだが。


「おいおい、いきなり来て話もねぇってなぁ分かるが、そうやってただ突っ立ってても仕方ねぇだろ?」

沈黙を破ったのは勇者のほうだった。


「剣を握ることも出来ねぇ、つってんだからそんなカッコだけつけてたってしょうがねぇ。そりゃまぁ、納得いかねぇことはイロイロあんだろうが、とりあえず座っちゃくんねぇか?」


ハミルカルは一瞬「何を」とばかりに気色ばんだが、何となく怒気も怒らず「まぁ確かにこの男の言う通り」と言うふうに思わず納得してしまう。

ふと目を瞑って黙考すると、自らもそのまま床に座り込んでしまった。


「おっ?案外話が分かるねぇ」

「何をバカな、其方が結界を張って無理やり話を聴かせているのであろうが」

ハミルカルは思わず言い返したが、自分でも驚いたことに笑みを浮かべていた。

いや、それは皮肉と自嘲を含んだものではあったが、それでも苦笑を浮かべている自分に彼は少なからず驚いていた。


「其方と余の力量の差は歴然。今やこうして戦って死ぬことすら叶わぬ。其方に隷従する以外、余が何を選べるというのか?」

「…まぁ、ぶっちゃけそうなんだが…アンタ、さっきとはえれぇ違いようだね?その方がありがてぇんだが…てっきり怒り狂って自害するなんて言い出すんじゃねぇかってね。」

「ふん、余を愚かな人間どもと一緒くたにするでないわ。其方を倒す望みも捨ててそのような詰まらぬことはせぬ。第一、如何に我が軍が滅ぼされたとしても、余にはまだ守らねばならぬ民草がいる。そうそう死んでおれるものか!」


「あー…そうか、まぁ、そう見えたか…いやね、ちょっと悪りぃんだが、アンタんとこの兵隊さん?別に死んじゃいねぇんだよ。」

「は?」

「いやだから、生きてるって。」

思わずハミルカルは呆れた。腹が立つというより呆れた。いや、よりにもよって自分の目の前で虐殺したのはお前でないか、ウソにしてももう少しマシな物言いがあろう、そう言おうとすると勇者は手で制した。


「まぁ、アレだ、正確に言うとだね、ぶっ殺したのは確かだよ?そりゃおめぇ、オレ必殺の八葉マンダラモードで特上の核撃魔法喰らわしてやってんだから蒸発よ蒸発。ほんで後の連中も稲妻剣でバランバランにしちゃってるから、そりゃ物質体はキレーさっぱりお陀仏だわな?」

「それ見ろ、何が生きているだ。つまらん嘘で謀りおって。」


「だからよぉー「物質体は」って言ってんじゃねぇか。エーテル体やアストラル体まで傷つけちゃいねぇーよ。そんでまぁ一回ぶっ殺した後に反魂法を使ってだね…」

「いやいや、反魂法は肉体が傷ついていないことが前提であろう。蒸発といったのは其方ではないか?」

この物言いは勇者を少しばかりうんざりさせた。なんて物分かりの悪い奴だろう、とばかりに小馬鹿にしたような表情をする。


「な、なんだ、その眼は!余が何かおかしいことを申したか!」

「あのさぁ、オリャ一発でアンタんとこの大軍を消せるんだぜ?肉体の再生ぐらい一瞬だっての。1秒で再生、2秒で反魂、はい皆元通りって…」

「陛下!」

勇者が得意になって言おうとすると、謁見の間の扉が開いて、先の戦いでハミルカルを逃がしたダークエルフの参謀が入ってくる。

「…おおぉ…おおぉ!よくぞ御無事で!このマゴよもや貴方様まであの覚者めに討たれてはいまいかと…!」


「お、お主生きておったのか?!し、しかしその風体は?鎧や剣は如何した?まるで今寝所から出てきたような形ではないか?」

「い、いえ、某も訳が分からず…ん?時にそちらの御仁は?何故にそのように床の上で胡座を?…」

近眼のマゴは眼鏡をかけ直すと、ハミルカルの向かいで胡座をかいている男を凝視してあんぐりと口を開けた。


「き、貴様は覚者!よもや陛下のお命を奪おうと?!ええい!このマゴ、我が君を貴様のような殺し屋の手にはかけさせぬぞ!我が命にかけても…」

「あぁぁ!待て!待たぬか!心配には及ばぬ!余は何ともない!…勇者よ、こう言うことか?」

丸腰のまま身を呈して王を守ろうとするマゴを制して、ハミルカルは勇者に問うた。


「そうだよ…だからそう言ってんじゃねぇか…まぁ要は誰も死んじゃいねぇんだから、とりあえず落ち着いてくれよ。」

「ま、まぁ…そう言うことなら…時にマゴよ、其方何故寝巻きなど着ておるのだ?床に伏せっておったのなら無理はならぬぞ。其方とは子供時分からの付き合いだが元々丈夫ではない方なのだから…」

「え?伏せる?はて何ゆえ斯様なことを…?いやいや、このマゴ気がつけば我が屋敷の我が寝台の上で仰向けになっておりまして。確かそこな覚者めの雷霆で身体を粉々に砕かれ、我が魂魄が身体から離れるところまでは覚えておるのですが…」

「…勇者よ、これはどういうことか?」

頭を捻っているマゴを置いて、ハミルカルは勇者の方を向いた。


「あー、アレだな、オレの回復魔法は人間やオメー達魔族のたぁ根本的に次元が違うのよ。オメェ達のはせいぜい生きてる細胞を急激に増殖させるくらいのこったろ?

オレのはオメェよぉー、何つってもアストラル体からエーテル体再生して、更にエーテル体なぞって肉体を復元するわけよ!早えぇ話が空間中のアビラウンケンを集めて原子を再構成してだな…」

「そのようなことは聞いておらぬし、早い話とも思えぬ。何故この者は自分の家からやってきたのだ?」

「ガクッ…チッ何でぇ、せっかくオイラのとっておきを教えてやろうってのにせっかちな野郎だぜ…知らねぇよ、エーテル体に沿って復元すんだから魂魄が家に帰ったってこったろ?このダークエルフのあんちゃんの場合!」

勇者は気分を害したのか吐き捨てるように言ったが、ハミルカルは心底驚いた。


強力な攻撃魔法はまだ分かる。

魔力が充分にあって術式が整えば、原理上は強力な攻撃魔法は幾らでも使える。


しかし、蘇生魔法の類はそれほど簡単ではない。

基本的には、肉体の機能停止によって離れた魂魄を戻す方法なので、肉体の損傷はあってはならない。

しかし、通常の回復魔法は肉体に魂魄が定着した状態でなければ作用しない。

このため、肉体の損傷を伴う状態からの蘇生は、反魂法によって魂を冥界から呼び戻し肉体に戻しつつ、同時に肉体を回復させる。


このため、著しく肉体が損壊した状態からの蘇生は非常に困難なのだ。回復魔法というのは勇者の言う通り正常な細胞をいったん幹細胞に戻してテロメアを伸長させ、魔力で急速に増殖させる方法なので、せめて肉体の断片ぐらいは残っていないとどうしようもない、というのがこの世界の一般常識である。


ところが、勇者のそれは「回復」ではない。アストラル体、エーテル体といった「霊的身体」に保存された情報から肉体を再構成するのだから「復元」である。

そして、彼がいったアビラウンケンというのが何のことかわからないが、それから原子を再構成するといっているのだから、原子より元の因子、とだけは考えられる。


「…そんな術は聞いたことが無い…しかしもしそれが事実なら…」

「なるほど!それでこのマゴは我が家の寝台で寝ておったというわけですな!すなわちそこな覚者に粉々にされた後、我が魂魄だけが屋敷に戻りそこで蘇生されたと!」


「おっ!あんちゃん物分かりが良いじゃねぇか!そうそう、そういうこったよ!さすがダークエルフだけあるねぇ!」

「いーやいや!それほどでも…って何を言わせおるか!いったい何が目的かは知らぬが、陛下には指一本触れさせんぞ!」


「待て待てっ!待てというに!時にマゴよ…其方先ほどからこ奴のことを覚者と呼んでおるがどういうことか?勇者ではないのか?」

再び興奮するマゴを抑えつつ、なぜ幼馴染でもあるこのダークエルフが勇者と言わず覚者というのか怪訝に思い問うてみた。


「ん?おぉ、そのことですか?いや、このマゴもしかとは存じませぬが…この男、聖光気も瘴気も纏っておりませんでしょう?」

(言われてみれば…)ハミルカルはふと考え込んだ。人間でも魔族でもそこいらの戦士、魔導士ならともかく、これほどの力を使うとなると霊的次元…即ち天界か地獄に霊的回路が繋がっていなければならない。その結果発露するのが、天界なら聖光気、地獄なら瘴気、というわけである。


「この男のは…何と言うんでしょうか?えーと…広大な森林や山脈、大海に遍満する霊気がギュッと凝縮したような…うーんつまり星の命そのもの?といった風で…」

なるほど、確かに目の前の男からは自分たちが日頃慣れ親しんでいる瘴気はもちろん、あの天の独裁者の代理人を気取る地上の偽善的で傲慢な聖騎士や司祭が纏う刺々しい熱とぎらぎらする光-聖光気を感じない。


それどころか、先ほどは怒りで気が付かなかったが、確かにこの男の前にいると何とも言えない清々しい気分になり安らかな気持ちになる。

「えー、それでですね、このような気の持ち主を覚者と言いまして、決して戦ってはならず、戦えば必ず敗北するであろうと我が師が申しておったのを思い出しまして。」


「なるほど…まぁ、我が兵たちが無事であったらそもそも其方と争う理由も無い…いやいや!その方、余の幕僚を倒したと申しておったろう!その者等は如何した!?」

麾下の将兵らの無事が確認でき、男のもつ霊力の作用も相まって、すっかり安心してしまうところであったハミルカルだが、勇者が自分の目の前にいる理由を考えて再び気を引き締めた。


「んん?あぁ、それね、ごめんごめん、あれウソ。」

「ウソっ!?はぁっ!?」思わず愕然とするハミルカル。

「いやね、城の前まで来たらよ、何だかえれぇ別嬪さんが挨拶に出てきなさってよぉ~、門を開けてくれたわけ。いやそんでオレはよ、その別嬪さんに「いやこりゃエライすみませんね、じゃちょっと上がらしてもらって」なんて言いながらここまで来たってわけよ!ま、でもよ、オメェさんとこ来たらまるで話が通っちゃいねぇみたいだからちょっとばかし魔法を使わしてもらったんだけどね!」


「おぉ?何ですか陛下?実はこの覚者め…いやさ覚者殿とご友人であられるのですか?いやそれならそうと予め言っていただきませんと…このマゴ随分と失礼なことを申してしまいましたぞ?いやいやそれよりも、客人と分かったからには斯様な床の上に座ってお話しというにも行きますまい。ちょっと侍従長を読んでまいります故しばしお待ちを…」

「ガチャリ…マゴ殿、それには及びませんよ。」


勇者の驚愕の告白と自軍の参謀の頓珍漢なもの言いにハミルカルが眩暈を覚えると、玉座の間の左袖にある扉が開いて美しい婦人が入ってきた。


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