聖女は護る
1923── アメリカ合衆国
世界第三企業と、言えば?
MissTiS、ルナティック、白白
MissTiSは主に生活に必要な服や
食べ物を安く売ることで名が知れた
ルナティックは現代の言わば銀行
である。どうやって儲けるかと聞けば
「こう答えてくれる」
客の金を使え、それで幾らか儲かる
もう1つは白白だが──
これは少し特殊で製薬会社という事
だろう。なぜ? 「私も分からない」
そうそう、言いたかったのは
こんな話じゃない、もっと別の
大事な話だ、とても大事な話だよ
1923年、アメリカ合衆国
そこで、たった一人の男の演説が
歴史に載せられるまでの話である
「用意は?」
「出来ています。街には?」
「今は何もする予定はない」
「それは、何時かはそうすると?」
「まあ、必要になればな」
「演説に行ってこい、失敗はするな」
「ええ、安心して下さい」
「・・・・・・・・」
「おい、」
「・・・・・ぁ・・・」
「おい、岡辺・・・」
「なんだ、忙しいときに?」
「俺達は居るのか? どうなんだ?」
「説明した筈だ、全て共有すると」
「これも共有か?」
「あの時、何があった?じゃ困るからな」
「へ~~」
「なんだ?」
「君も結構、考えてるなぁ~ってね」
「失敗すれば、世界は終わりだ。
考えもするさ、いくら俺でもな」
「ふん・・・・ そうか、」
「演説が始まるぞ、黙ってろよ」
「ああ、ハイハイ・・」
「みなさん。覚えてますか? 私を
あの日は初めての演説で緊張しており」
「必要な事を言えなかったと記憶しています
今回はそんな事はありませんよ、ほら?」
「メモがあるので・・・」
「笑いが起こった、いい兆候だ」
「ホントか?」
「───そんな事があったんですよ
酷いでしょう 次の日、クビにしました」
「あ、すっかり忘れてました・・・
この国が、いやこの世界が恐れるもの」
「それがここアメリカ合衆国にも近づ
いている。どうするか? 案がある」
「政治家はいつもこんな事を言います」
「けれど、私はこの国を守るために
壁を建設します。その名も聖女──」
「バルバラの壁、我々は壁に護られる
そう── 聖女の壁です。ご安心を」
「では。アメリカ合衆国に栄光あれ」
アメリカ合衆国が造ったとされる
通称── バルバラの壁
後に壁は3つに増え、聖人たちの壁
と誇称される様になる、そして──
これが造られる一年間でどれだけの
アリマがこの国に入り込んだだろうか
正確な数は記載されてはいない
しかし、学者達は口を揃えてこう言う
要人を除き、およそ半数の国民を
奴隷にしたのには何かしらの理由がある
モハネの偉人録題三章より
筆、ピネロ=パーマ二世




