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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えよう、探してみよう、作ってみよう⑮)

今年ももう少しで来年になりますね。今の心境を一言を言うと・・・いやぁ!今日投稿出来て良かった!!この一言です。自分で今日投稿しますといったくせに間に合うかちょっと不安だったんですよね。よかったです。今年最後にまた来年もちょっとした暇つぶしに読んでいただけたらと幸いです。来年も主人公ティリエスの日々徒然話しをよろしくお願いいたします。次回は予定通り日曜日に投稿予定です。


さて。

やろうと決めたからには、お父様が王都へ行く日までになんとか完成させなければならない。

父アドルフの出発予定は明後日。



これが吉と出るか凶と出るか分からないが・・・。


「まぁ、保険はかけておくから問題はないでしょうが。」


そう呟きと共にぱちりと目を開け横になっていたベッドからぴょいっと取り降りるように出た私は、そのまま静かにドア傍まで歩み右耳をドアへ当てる。


微かに遠くで音がするのが聞こえ、そのままスッと耳をドアから外した。


よしよし、忙しそうだからこっちには誰も来ないだろう。


普段ならメイド達も従者も明日の準備が終わって皆それぞれ休み休みになる時間帯だというに父の王都へ行く為の準備に皆忙しいようだ。


これなら私が変な物を音を立てたりしなければ、誰もこの部屋へは入らないはずだ。

ベッドの傍のサイドテーブルに置いてあるルームランプを灯しそれを床に置いた後ティリエス自身もその場に座り込んで、小さく息を吐いて気分を落ちつかせた。


・・・よし。時間もそんなにないしね、早速始めよう。



亜空間(サブスペース)収納(ストレージ)。」


小さく私が唱えると私の丁度手がある胸の辺りでゆらっと景色が蜃気楼のように一度揺れた後、その場から白い布が現れ私は慌ててそれをキャッチした。生まれ変わってから初めて亜空間収納を使用したが、前回のようにポンっと軽い音はならず、穴の中からずるっと零れ出たように現れた。


「丁度自分の手に現れるのですね。偽妖精とは若干異なる出現方法・・・という事なのかしら。」


でも問題はそこではなく私が使いたいアイテムがあるか、それが問題だ。

袋の口を開けて底が見えない漆黒一色の袋の中へ躊躇なく手を入れて中身を物色する。



えーとえーと、あれは確かこの欄の・・・お!

掴んだ感触と掴んだことでその物の情報が脳内にザっと流れたのを読んだ私は何の迷いなくそれを取り出す。

取り出したのは茶色の革製のアタッシュケース。

その場に下ろして私は鞄の中身を確認するため中を開けた。

「うん・・・うん、初めて中身を確認したけど全部揃っていますわね。」



開けて中身を確認した私は満足する。

鞄の中にあったのはお目当ての簡易セットだ。


錬成・薬剤精製簡易セット→その名の通り錬成や薬を初級から中級までの精製が出来るように作られた簡易セット。鞄の中には計り器・ビーカー・フラスコ・錬成アルコールランプ・錬成乳鉢・錬成片手鍋・錬成ガラス棒等が揃えられている。足場の悪い場所でもその場で作ることが出来、野外などで活躍する。簡易セットといわれているが収納されている種類や数をざっと数えても30はありかなりの量ではあるが鞄には拡張機能、重力変動付与されている為量が多くても見た目は変わらず、重量も軽減されているので軽い為遠征には特に重宝された。



ここで本格な錬成すると気づかれるからこれを取り出したけど、説明文はやっぱりゲームの時と同じだ。あの時はこれを所持する状態でダンジョンへ行けばダンジョンの中でも回復薬とか無くなってもぱぱっと作れるようになって長時間潜れたけど、流石に今回は自分でしないといけないか・・・まぁ、こういうの好きだから別にいいけど。



そして、次はこれだ。

空間収納(マジックボックス)。」

こちらは袋は出てこないが目の前に白い靄がふわりと現れその中に手を入れる。

お目当ての物はすぐに見つかったので手際よく取り出し、床に置いていった。


「水が入った水差しに、深紅、金、緑、蒼、紫、黒、白銀で・・・・う~ん、これは漆黒といえばいいのか?」

水差しの隣に順瓶につめられた色とりどりの砂の色を確認しながら順番に取り出して置いていくとルームランプの光で其々キラキラと光を放つ。


これの正体はフルクトースの粉末つまり砂糖であり、実はシナウスが帰った後こっそり黒い核の方に其々違う属性の魔力を注ぎ込んで粉末させて瓶にそれぞれ保管していたのである。

色の順番から言えば、火、土、風、水、雷、闇、聖、そして最後はすべての属性を注いだ全属性である。

「一見、どっちも見れば黒なんだけど反射の色が違うのよねぇ。」

2つの黒の砂糖に光を当てると1つは黒光で反射し、もう1つは七色の光が反射してキラキラと輝いているのが解る。


恐らく反射する光の色が属性を表しているようだ。他の色の反射した光がそのまま同じ色だしそうに違いない。全属性以外の属性の注いだ魔力量は500前後に留めている。確かにシナウスが言った通り注いだ量で色の濃さが変わると言っていた通り、彼の作った水の粉より私の方が濃い蒼色になっている。


「全属性は試しに作ってみた奴だったけど、其々の属性魔力量1000ずつ注いでも問題なかったし属性を組み合わせて注いでも反発もなかった・・・これも多種多様に出来そうですね。」


まぁここにある核の数に限りがあるから無駄遣いは出来ないし・・・我慢しておこう。


鍋を計り器の上に置いて深紅の粉と水を量りながら鍋に入れた後、鞄の中を物色しある物が見つかりそれも取り出す。

「へぇ・・・時間短縮された熱さまし丸型シート涙型シートに・・・八角形の形のシートもある。元々固形薬を作るときに使用するものらしいけれど・・・こちらを使ってみましょう。」


先ずは丸型シートを置いて・・・と。


「まぁ今回はシンプルに甘露水を飴にするだけなんですけどね。砂糖と水の対比は3対1で・・・よし、いざ。」


そう言って鍋を持って宙に浮かせて魔力を込めると、魔力の熱で中の砂糖が溶け始める。


お父様!ちゃんと私約束守ってますよ!火は使っておりません!




あっという間に溶けて少しとろみがついた後、魔力を流すのを止めそのまま透き通った赤い液体を丸型に型に合わせて注いでいく。全てを注ぎ終わったところで上にもう1枚同じシートをかぶせるとシュゥゥという音と共に徐々に冷えていった。


もうよさそうだな・・・。


頃合いを見て上のシートをはがすと綺麗な球体の紅い飴が綺麗にそこに納まっていた。

「・・・・・・・・。」


・・・やべぇ、快感。あ!しかも鍋に砂糖が全く残っていない!洗わなくても良いって事か・・・これ。


綺麗に納まったキラキラと光る綺麗なその飴の出来や鍋を洗わなくても良いという便利さも相成って俄然やる気を出したティリエスはそのまま次の飴を作り始めたのだった。







「ふぅ・・・結局全種類作ってしまった・・・。」


やり切った顔で皿の上に乗せた飴が山積みになって置いてある場所を見つめる。

砂糖を140g、殆ど使う形となってしまったが1シートで出来る飴の数は40個。全部で320個ここにある。


ほんじゃ、次にとりかかりましょうっと。

そう言って今度は亜空間収納から丸みのあるガラスの容器を5つほど取り出す。

これは外れガチャの1つで耐久性は普通のガラス容器と同等だが品質保存と金庫の役割も兼ね備えた量産型保存瓶である。


どうやって使うのかというと。


瓶の底に紙2枚あるのでそれを取り出し、私は1枚に一刺し指に魔力を込めて紙の上を触りながら指を滑らせていく。


紙にはこう書かれている。


【賞味期限 ―――――】。


この紙には賞味期限と書かれており、空欄の所に日付を書けば日付から約1年この中に入れたものは腐ることも劣化することもなくなる。


飴は湿気に弱いのでその配慮である。

因みにこういう品質保存するための紙の錬成アイテムもあるがこの外れガチャアイテムにはそれがセットになっているので今回はわざわざ作る必要がないのでそのまま使用する。


日付は今日からで・・・。

5枚とも同じ日付を書き、そこに入れると今度は飴をいれていく。


素手だとばっちぃから今回は風魔法で・・・。


クルクルとひとりでに飴たちが4つの瓶に納まっていく。7種類の飴が色とりどりに入っていっぱいになり瓶の口にガラスでできた栓をする。そして最後の瓶にはあの漆黒の飴だけをいれていっぱいにして栓をする。

属性を混ぜ合わせた代物なんてなこれは人にあげると面倒ごとおきそうだよなぁ・・・これは私が食べようっと!


さて仕上げは・・・。


また先ほどと同じように指に魔力を込めもう1枚の紙に書き始める。

こちらは金庫の役割、つまり開錠の条件を書いて条件が見合えば自然と開封が出来る代物だ。

開封できるまで、認識阻害が働き相手にはこれはなんてことない代物に見えるようになっている。


さて、これの開封条件は・・・。


【その① 私の事を友好以上の感情を持っている事。】

【その② この存在に対し嫌悪感を抱かない事。】

【その③ あげる人物がこれについて興味を持った事。】


この3つが揃わないとこれは開錠しない、無理に開錠した場合中身はただの水へ変化する。


書いた文字がスルスルと小さくなってその紙に記されていき、最後のあげる人の名前の文字が書き終えたことでその紙が光を放ちそのままふわりと宙を浮いて漂うと、その瓶の栓にペタリと張り付き同時に光が消える。

因みにこの4つのあげる人の名はディオス大叔父様・お父様・お母様・アイルお兄様である。

今回はお母様とお兄様は後であげることにするが・・・きっと2人は開封して食べてくれるだろう。


これで完了だ。私は他の紙も書き記していって貼っていく。

そして最後の5つ目の瓶。これの開錠条件は・・・まぁ自分で食べようと思った時、ぐらいでいいか。

最期は適当に書いて貼る。


「出来たっ!」

ランプでキラキラと色とりどりに輝く飴に私は満足して1つをとって喜ぶ。

あ、如何、落としたら元も子もない。


割れる恐れを感じた私はすぐに空間収納へしまい、ほっとする。

見ればもう時計は11時を指している・・・やべ、もういい加減寝ないと。


時間を見て慌てて道具も片づけて袋へしまいこみ、ベッドへ潜る。

丁度この時間になると様子を見に来る人が来る事があるからだ。


念のため甘い香りに気づかれないように消臭魔法をかけておく、これで問題ないはずだ。


「明日は何かちょっとしたラッピングして・・・お父様の荷物にこっそり入れようっと。」


考えながら横になりうとうとし始めた私はそのつぶやきを最後にスゥっと深い眠りに入ったのだった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

裏設定:核1つに出来る量が150gと作中で話していたと思いますが、150gしかないのに140g使って作った飴達・・・もう全部使えばいいのではないかと誰もが思ったでしょうが、勿論理由があります。

実は実際の飴の重さが大体3~5gだそうです。なので1個3.5gとして1シートで40個分40×3.5=140gという計算です。もう1つの理由は彼女の元からの貧乏性な性分なので少しだけ残しておきたいという彼女の気持ちによるものもあります。

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