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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~

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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(考えよう、探してみよう、作ってみよう⑬)

もうすぐ今年も終わりとしみじみしておりましたが・・・今年書き終えたかった内容の半分にもいってないことに放心(うっわー・・・でも書き続けます。)



「持ってきましたが、お嬢様あの事お忘れではありませんよね?」

「何をです?」


彼にとっては小ぶり、私にとっては大ぶりな片手鍋を持ってきてテーブルに置きながら私に確認するように言った彼の言葉に私は首を傾げる。

そんな様子の私に彼は眉間に皺を寄せて怪訝な顔になった。


「旦那様の言いつけです。旦那様は刃物や火は使用厳禁と言われていたではありませんか。」


言われてティリエスは目をぱちくりさせる。そう言えば危ないことや作業はギリムや他の人にしてもらう事を条件に料理の開発を許されていたんだった。


まぁ、忘れていたわけではないのだが。ふむ・・・ならまずはどういう風にするものなのか見て貰おう。


「忘れているわけではありませんよ、ただそうですねお皿だとちょっと零れるかもしれないと思ったのですから。では始めましょうか。」


そう言ってティリエスは小物入れの蓋を開ける。彼女の言葉に腑に落ちない様子ではあったがギリムも中身が気になっていたようで少し前屈みになりそれを一緒に見やる。


「これは・・・シロップの核ではないですか?」

「ギリムも知っているんですか?」

「はい。あそこで採れる野菜や果物はみずみずしいので調達にちょくちょく赴いてますのでその時に何度も見たことがあります。でもこれ確か硬くて廃棄な代物と聞いていたんですが?」

「私も村長さんにはそう聞かされています。・・・ギリム確認なんですけど。普段から口にする作物は基本葉も茎も口にしても問題ないんですよね?」

「あ、あぁ・・・以前のお話しを覚えていたんですか?そうですね。私がまだ貧しい子供の頃、色々工夫して1つの野菜で腹を満たす量が少しでも増えるように全て食べきってました。元々毒性のないものであれば切り取られる葉も茎も皮だって食べられます。」


うんうんそうだよねぇとティリエスは心の中で相槌を打つ。


私も前世の子供の頃、施設の近くで農家を営んでいる方によく捨てるいらないモノを分けて貰っていた。それこそ間引きされた成長途中の野菜の葉や茎、出荷前に切り取られる大根の葉っぱとかよくお浸し浅漬けをしたりして皆で食べていたものだ。


野菜の風味、味の決め手である少量の醤油と炊き立てのご飯・・・そして鰹節の風味や味を思い出し、思わず口の中に溜まった唾液をこっそり飲み込んだ。


如何如何、話しを戻さないと。


「そう、そのお話しと村長さんの話しを聞いて1つ思いついたんです。」


そう言いながら鍋の中にコロコロと入れながら話しを続ける。

鍋の中で核と鍋が当たり綺麗な音がポロンコロンと奏でられた。

核が2つ鍋に納まり小物入れが空になると、私は更に小物入れの蓋を開ける。

更に小物入れの底が現れ、そこに入っていたある物を私は取り出す。


「村長さんは水泥で核が壊れることがあったと言っていました。けれど全ての核ではなかったので村の皆さんは核の不出来があって偶然起こした事だと思った。でももし、違ったらと考えた時私はこれが原因ではないかと考えたんです。」


掌を広げて見せたのは私の手より2周りも小さい赤茶色の石をギリムに見せる。

ギリムはこれを見せられ私が何を言いたいのか理解できず首を傾げた。


「これは魔石・・・ですか?いや、でも大きさや色合いから殆ど魔力が籠っていない屑魔石ですよね?」


彼の言った屑魔石。

その名の通り、魔力がほんの少ししか籠っておらず属性魔力の特性発生も出来ないただの石同等の価値しかない代物。

実際道端に屑魔石は地域によって落ちている属性は違えど何処にでも転がっている。

この屑魔石も屋敷の庭にあった物を拾って洗って乾かしたものだ。


そのまま私は核の入った鍋の中へそれを中央にそっと置く。


「あちこちにあるということはあの時の水泥の中にも砂粒として含まれていたはず。けれどこの大きさよりもっと細かく触れている箇所が様々だった事から破壊される核のデータに不規則が産まれた。それに市井の人は自身で魔法を使う人は極稀な事で魔力が関係しているなんてそこまでの発想に至らなかった、ということなら・・・。」


ここでギリムも私が何を言おうとしているのか分かり、ともに鍋の中を覗き込む。

特に大きな反応を見せない核に私は確信をもって見つめる。


屑魔石のあの大きさの魔力量は多くて40程度。大丈夫、きっと変化は起きる。

その言葉に答えるように、核は触れていたところからさらさらと砂になっていく。

ギリムはその変化に目をこれでもかという程見開いてその現象を理解しようとしていた。


「ほ、本当に核が壊れた・・・。」

真っ白の砂粒並みの粉が鍋に納まっている光景にギリムはただ驚いていた。

そんな彼に更に私は追い打ちをかける。


「ギリム。これでこれは加工できることが分かりました。でもそれだけじゃなく、核の中にあった甘露水は食物です。そしてこれは硬いけれど木の実の類になる・・・ということは。」

「これも・・・食べることできる代物。」


ぽつりも漏らした言葉にギリムは、ハッとしてその粉を一つまみじっと見て匂いを嗅いで少し間思案していたが、そのままスッと躊躇なく口に含んだ。


「・・・・・・・・・っ!!?」


数秒沈黙の後、彼の表情が驚愕へと変わったことで彼の舌は今とんでもないことが起きたに違いないと私は容易に想像できた。

そう、恐らく未知との遭遇だ。酸味塩味苦味でもない・・・そう。


「甘い・・・。」



その味が何なのか理解した瞬間、彼の瞳が大きくキラキラと輝いたのを見た私は私の理想通りの展開に事が運べたと心の中でほくそ笑んだのだった・・・まではよかった。


ガシィ!!



「・・・・ん?」

突然自分の肩を大きな手でつかまれたティリエスは何が起こったのかよく分からずその手を見た後、手の持ち主である彼に視線を向ければ・・・彼は酷くにっこりと良い笑顔で笑っていた。


「それではお嬢様始めましょうか?」

「・・・・え?」




その後、彼の目がキラキラどころかギラギラしてまるで飢えた獣のようにこの甘味をどう使うか調達をどうするか、まずは手始めに何作ってみるか・・・等々。


ティリエスは彼に肩を掴まれ別室へ連行された後、何時間も拘束されることとなり彼女は4歳児にして早くから疲労困憊を味わう事になったのだった。









いつも読んでいただきありがとうございます。


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