私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(さて、不穏な魔人の国だけれども私は散策するだけである。⑮)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/27(金)投稿予定です。
辺りを見渡せば、ゴージャスな金の調度品の数々に、美しい壁画、それに何処の廊下にも紅い絨毯が敷かれておりそこから冷気が漂っていて快適な温度を保っていることが窺える。
「お嬢様、足は疲れていませんか?」
「大丈夫です、確かに広くてたくさん歩きましたけど疲れてませんわ。」
「それで、小一時間歩き回ったわけですが元は何処にありそうかつかめましたか?」
オーガに聞かれティリエスは首を振る。
「何も、煙が動くので元はまだ見つけられておりませんわ。でも少し分かった事もあります。」
へぇ、少し詳しくとサッと他の人の目を掻い潜りとある部屋の中へと入室する。
ベッドの他にソファに机。どうやらいつでも泊まれる客室の部屋だったらしい。
レイとオーガ思い思いに座り、ティリエスはベッドに腰をかける。この国のベッドは低いベッドが主流なのかティリエスの背でも難なく座れた。
「私達が外で待ち構えていたでしょう?」
「えぇ、まぁ。それが普通ですからね。」
「あの時、周りの従者と王とで私達の対応が妙に違いませんでした?」
「?・・・あぁ、何だか戸惑っているような顔でしたねぇ。」
レイがあの時のことを思い出して口にする。
王は歓迎ムードではあったが従者はそれが戸惑う対象になっていた事、それを指摘するとティリエスは頷く。
「あの時、彼らには私達を捕えるつもりでいたんだと思います。王は何かしら合図を出すつもりだった、けどしなかったんだと思います。王が私達を歓迎し、グルド様グリカ様を本気で案じていたからだと思います。」
「?でもますます理解不能ですねぇ?宰相の腕を切断したんですよ?宰相達が黒幕と?」
「それも違います。」
断言するティリエスの言葉にオーガは首を捻る。
「ではティリエス嬢は歩き回って何が分かったんですか?」
「その前に質問しますが、宮殿に通された後従者達はどんな様子です?」
言われてオーガもレイも気がつく。
誰1人にこやかに自分達に対応している事に。ほんの少し前まで彼らは動揺の目を自分達に向けていたはずなのにだ。
「プロ意識が高い・・・というわけではなさそうですね?何処かしらで自分達を噂していても不思議ではないのに、全くそれがないというのが逆に不気味ですねぇ?」
自分も従者としての立場だからかレイは自分の普段の身の周りの様子を思い出して口を開く。
「・・・もしかして、以前の例の教会のように彼らの死体が動いている、って事ではないですよね?」
オーガが声を顰めてティリエスに問いかける。あれには彼自身トラウマ意識があるようで珍しく開眼させていた、ティリエスは逆に今のオーガの方が怖いなと思いつつもオーガにそれも違うと首を横に振る。
「彼ら、忘れているんだと思います、私達を捕らえようと行動しかけた記憶の部分が。」
ティリエスの言葉に思わず2人が顔を見合わせた。
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