私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(さて、不穏な魔人の国だけれども私は散策するだけである。⑪)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/18(水)投稿予定です。
「旦那様、今お茶を「いや、大丈夫だそのままで良い。」」
ティキの言葉にアドルフは動き出したティキを手で制止する。
アドルフの制止にティキは畏まりましたとすぐに止める。
念の為父に続いて戻って来た大人達にも確認は取るが、皆同様に要らないというのでティキはそれ以上は何もしなかった。
っていうか珍しいなオーガさんまで遠慮するなんて。
ティリエスは1番後ろに座ったオーガを見やる。空気を読まずにいつもならバクバク飲み食いするのに。
「早速だが皆にも話そう、まず、王である彼は本当の事しか言っていない。」
「嘘だ!」
人が入って来た気配を感じてかいつの間にか起きていたグリカにティリエスは驚く。その目は父の断言を信じていない様子だった。
「グリカ、落ち着きなさい。」
「でも!」
「良いから落ち着きなさい。」
グルドの強い言動にグリカも流石に黙り込む。そして静寂が戻ったところでアドルフは話しを続けた。
「私の技量には人を見抜くものもある。それを使ったが彼からは偽りが全く感じられなかった。お二人の安否の心配もグリカ様ご両親に対しての悲しみも。そして私たち歓迎も本当に喜んでいる。」
そこまで言って一呼吸置く。
「だが、知らなさすぎる。」
ん?知らなさすぎるとは?
ふんふんと黙って聞いていたが次の言葉でティリエスは首を傾げた。
「旦那様、知らなさすぎるというのは?」
私の心の声を代弁するかのようにシナウスが問いかけると、アドルフは言葉の通りだと返す。
「ご両親の死、2人が旅立たれたが安否不明だった、我が国と交易外交。大まかな事は知っていたがその間の詳細が全く一つも答えられなかった。」
「?なんでそんなことが分かったんですか?」
「実際に彼と話しをして来たからだ。」
え?話しをしてたの?!
思わず質問をしてしまったティリエスは父の返答に驚く。てっきり隣では両親とオーガとシナウス、そしてグルドが話し合っているのかと思っていたが、なんと直接本人と会話をしていたとは知らなかったティリエスは思わずシナウスの方を見やる。
少々気まずかったのかシナウスは苦笑いを浮かべた。
「彼に話しかけながら本題の事を質問した。すると全て答えられず話題を変える。」
お陰で何杯もお茶を飲む羽目になってしまったとぼやく。
なるほど、それはオーガさんも同じだった訳だ。
何杯もお茶を勧められたらそりゃお茶要らないよねと何処か納得する。
「こちらが何か話せば茶の変わりを言われる、何か暗躍を企てているのであれば不自然に茶の代わりの話しばっかり持ってこないだろう。」
「なんだか奇妙ですね、そんな風に言うのはまるでーーー。」
ティリエスはそれを聞いて思い浮かべる。
決められた言葉しか話せない人形が何か不具合が発生した時、また同じ事を繰り返して言い始める姿をーーー。
「そう、奇妙だ。そしてこんな風な奇妙な現象を体験したことがある。」
呪いを使われている可能性がある、と父は静かに言い放った。
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