私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(さて、不穏な魔人の国だけれども私は散策するだけである。⑨)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/13(金)投稿予定です。
「今回はお招き感謝しますーーー。」
父アドルフがスラスラと外交としての言葉を述べて始めたのを横で聞きながらティリエスはチラリと彼の足元を見る。
褐色の肌に無駄のない筋肉質な体型の脚、どうやら彼は武術系の人間なようだ。
頭上では父と挨拶を交わしグルドやグリカの安否に安堵する様子、更には私たちを歓迎する快い挨拶を交わしている事から、まるで本当に私たちを歓迎してるかのようで薄寒くなる。
あれだけ暗殺者をよこしておいてよくもまぁ厚顔無恥・・・ん?
と、ティリエスは王の足元の影を見やる。
今なんか動いたような・・・?
「そしてこの子が長女のティリエスです、ティリエス。」
「初めまして国王様、ルーザッファが長女、ティリエス=フェルザ・D・ルーザッファと申しますわ。」
間一髪自分が呼ばれていることに気がついたティリエスはにっこり顔を上げて微笑みながら挨拶をする。
ふー、あぶね。遅れるところだった。
「ほー、我が国の挨拶を存じているのか。」
感心したように黄土色の瞳がこちらを見やる。
人の良さそうな顔にティリエスはほんの少しだけこの人がグリカの両親を殺そうとしたのかと疑いそうになるが気を引き締める。
「はい、グリカ様に教わりました。」
「そうかグリカに・・・。」
グリカの方を見やる王にグリカは少し緊張した面持ちだったがグリカは頭を下げながら口を開く。
「はい、ティリエスは友達ですから。」
「なるほど友人か!それは良い!」
からりと笑った王はグリカに近寄り手を伸ばす。
一瞬だけ緊張が走ったが、王はただグリカの頭を撫でただけだった。
「兄者や姉上を亡くしてまだ悲しみは癒えぬがこれからのために友人ができるのは良い事だと私は思うぞ。ティリエスよ。」
「は、はい!」
「グリカとはこれからも良い友人でいて欲しい、よろしく頼むぞ!」
ニカッと笑ってあっけらかんに言う王にティリエスは戸惑いながらも返事をする。
可笑しい、いくらポーカーフェイスが上手い人でもこれだけ普通に出来るか?
ティリエスの想像では抹殺できなかった対象が無傷でここに集結しているのだから、何処かで取り繕うはず。
それが全く無いのが逆に異様だ。
・・・なんか変じゃね?
隠しているというよりは何だか目の前の人と私達今までにあった状況と妙に噛み合わないような・・・それに。
チラリとみて周りの従者たちを見る。彼等に広がる動揺も妙に感じるが一体ーーー?
「ゴルガよ。」
「何だい父上。」
「街の方で我らとルーザッファ公爵に妙な噂があるのは知っているか?」
「噂?一体何のことだい?」
え?知らない?
「民衆は我が国に新しい交易が出来るという喜びの声でいっぱいだと聞いてはいるが、一体何の話だ?」
・・・・・やっぱりなーんか変だな。
ティリエスは本人より周りが彼の言葉に困惑しているのが見え、いよいよこれは何かがおかしいことにティリエス達も気がつく。
・・・一体何か起こっているのか調べないといけないな。
ティリエスは王に全く翳りのない眼差しを見て、ティリエスは1人そんなことを考えていた。
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