まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。㊷)
今回は短めです、次回で2章の2部完結予定です。出来れば明日続けて投稿出来れば・・・と思っています(願望。)
ティリエスは何か見間違いではないか、それか何か誤解があるのではないかと思わず三度も上から順にゆっくりじっくり読み返すが今見ている自分のステータスが変わるわけもなくただの結果としてずっと手鏡に記されていた。
身体能力は・・・確かに3歳児といえる数値と言えよう。
だが、まず魔力の数値が可笑しい、というか無限大ってなんだ!しかも自分の魔力の残量も可笑しい!以前より10万も増えているってなんだ?!容量が限界突破したからか!!
増えているといえば知力も可笑しい、こっちも増えているし?!
あと、なんで運もそのままってなんだ?!・・・いや、融合したからそのままであってるか!!
でもそれを省いて考えても可笑しい・・・可笑しすぎる!!
明らかにちぐはぐな自分の数値化されたステータスに最早突っ込まずにはいられない。
ティリエスはゆっくり鏡から視線を外し思わず遠くを見つめる。
そこには勿論いつもの見慣れた天井しか映らない・・・だがそれでも遠くを見つめたくなった。
所謂現実逃避である。しかし、ずっと黙っているわけにもいかないと理解しているので私はシナウスに口を開く。
「シナウス・・・確かに容量が増えていたよ。・・・これってシナウスとか他の人にも見えるものなの?」
「いいえ、記録を記す特殊な版がなければ他人が閲覧することはできません。僕の場合鑑定を使えば確かに他人のステータスを読み取ることはできますが、鑑定は自分より魔力量が多い人にはその能力が弾かれてしまうので全てではありませんね。」
「・・・・へ、へぇー・・・。」
という事は無限大な私は他の人のステータス見放題じゃないか・・・マジか。
「姉様も僕より魔力量が多いので僕の力では全くといって良いほど鑑定できません。精々名前と体調、様子、後は本人の精神状態が解る程度でしょうか?」
「・・・因みに、私の今の精神状態は?」
「そうですね、主に混乱に動揺、そして少々興奮状態といった状態でしょうか。」
規格外なステータスでどうしようヤバイなと思っているのも本当だけど、初期段階で所謂強くてニューゲームなステータスに若干興奮を覚えているのも事実。
「流石シナウス、大正解です!」
見事に今の私の精神状態を言い当てたあと、今度は技量を確認してほしいと言われ今度はそちらに集中して鑑定を試みると、自分の名前以外の文字がまるで意思を持ったように変化していく。
うごうごと這うように動いていた文字の動きが止まったのでまた上から順にゆっくりと確認していく。
読み進めていく内にだんだんと眉間に皺を寄せ何とも言えない顔で見つめる。
「浮かない顔をされてどうされました?」
「いや・・・・・シナウス、技量って普通どのくらい所持してるものなの?」
「そうですね・・・恐らくは多く持って10ほどでしょうか?たくさんあっても消失してしまう場合もありますから。」
「・・・だよねぇ。」
私の技量一覧、誰か説明してくれ。
びっちり記された技量一覧に思わずげんなりしてそれを見つめる。
ざっとみても100ほどある技量は見れば見るほどよく知っているものだった。
「見てみたけどどうやらシナウス達のいた箱庭で会得した技量がそのまま引き継いでいるみたい。」
眉間に皺を寄せて確認できた技量の内容はゲームで取得した技量がそのまま記されていた。
「てっきり上級技量しか残ってないと思ってたんだけど、初級技量も消えずにそのままなのはなんでだろう?」
この前アンに聞いた技量の話しから恐らく本来なら初級のものはより上級のものへと消失して塗り替えられると思っていたのでどうしてそのまま自分の技量として残っているのか不思議に思ったのだ。
あとは単に技量の数が多くて読んでいちいち確認するのが面倒くさくなったのもあるが・・・。
「確かに本来なら不要な技量は消えますが・・・そうですね。・・・これは仮設ですが、姉様の場合器は時間という概念はあくまでお飾り、実際あそこは時が進んでいませんでしたから技量はそのまま蓄積されていく一方で、こうして融合しても会得した技量は残ったのではないでしょうか?」
シナウスの仮説を聞き私は妙に腑に落ちた。
融合されたというが顔も風貌だってあの使っていた器の姿の面影は全くない、私の肉体は勿論父と母の遺伝子から授かり面影は彼ら2人に似ている。
では器がどこで私と融合したのかと言われれば、見えない場所例えばシナウスも言った魂といったものが一番融合しやすいのではないか。
だが如何せん多い、多すぎなのだ。規格外すぎて何とかできないものだろうかと本当に切に願う程だった。
「因みにこれが消滅するとかは・・・?」
「姉様に限りこの場合の仮説が正しいとなれば魂との融合ですから恐らく姉様の魂が破壊されない限りこのままではないかと・・・。」
「つまり私の平穏は自分の死をもってなのか?もし万が一にも他人に見られたら即一発でアウトじゃんか!」
思わず突っ込んでしまっていた。
言ってしまった後悔と言ってしまったことで一番の懸念が解り、更に一段と落ち込んだ私にシナウスは困っているようだったが、ハッとした表情で口を開く。
何か思いついたようだ。
「他人に見られるのを懸念されるのであれば、姉様は他人に開示するステータスを決めてしまうのはどうでしょう?」
「え?まさかの詐称?」
「いえいえ、詐称ではありません。姉様は個人情報を守りたいが故に見せる技量、ステータスと見せたくないモノと分けた。それだけです。」
いいのかそれ?
可愛い顔してさらりと言ってのけた彼に、初めてジト目を向けてしまっていた。
でも、確かにこれらが解ってしまえば面倒ごとになるのは目に見えているし・・・、家族に知られるとこれまでの経緯を話さなければいけなくなる。そうなれば周りにバレていくのは時間の問題となる・・・そうなれば―――。
やばい、お兄様にバレたら涎の事がバレてしまう・・・それは避けたい!
「5歳の洗礼式にはステータスを開示しないといけません。それまでにどうしても、技量に対しての消滅の変化が見られない場合は最悪そうするようにしましょう。」
家族にも黙っておくのは気が引けるけど仕方ないとして私は心の片隅に留めて置いたのだった。
いつも読んで頂きありがとうございます。




