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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第8章〜魔人領編〜

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私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(人材育成、それ即ち領地を守ることにもなる。⑩)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は12/3(水)投稿予定です。



ティリエスの知っている蜂蜜、それは蜂という虫が巣を作り、巣の中にいる女王蜂と子供達の為に採取した花の蜜を己らの体内で分解し巣の中に溜め発酵凝縮させた彼らの栄養源のそれを蜂蜜と人は呼び甘味の一つとして重宝されたーーー。


「へぇ、蜂が作った蜜、だから蜂蜜なのかぁ。」

「でも確かにそこまでお嬢様が理解しているというのに鑑定詳細に浮かび上がってこないというのはおかしな話しですね。」

簡潔な説明だったがここにいるメンバーには伝わったようでグリップは関心を、ティキは首をかしげる。

「姉様も知らない代物ですか・・・確かに興味がありますね・・・レイ先輩どうしました?」

「え?なんか怒ってない?レンレン?」

1番に何か言いそうなレイがずっと黙っているのを見てシナウスは彼に声をかける。そして何故が若干怒っているような雰囲気もまとっている事に気がついたグリップ達が妙な緊張感を持っていると、項垂れていた頭をゆっくりとあげる。

「あのクソジジイ・・・お嬢様に劣化したものを食べさせるなんて・・・。」


あ、黙って怒ってたのはそっちかと3人は理解する。

「レイ怒らないでいいですよ、私は気にしていませんわ。それにグルド様が言うように良質な物が既に手に入りにくくなっているかもしれません。」

お祖母様から聞いた感動する味でもなかった事に少しだけがっかりしたのは事実だが、彼らの贈り物と共に真心を受けとったティリエスは感謝の心を持ったのも事実だ。


それに言ったように彼にとってあれが精一杯の贈り物だったのかもしれない。

着ている服はここにきてあつらえた物だったから小綺麗であったが、履きなれたぼろぼろの靴や持っている小物はひどく草臥れていた。

何か事情があっての訪問かもしれないと思った瞬間、思わず顔を顰める。


・・・なんか、去年から領地に問題がひょいひょいやってくるのは何で?そういう年なの?

そういう事が立て続けに起こっただけなのか、それとも首を突っ込みトラブルメーカーになりつつある自分のせいなのか、出来れば前者だと思いたい。


アステリアの言っていた戦争の兆しは今のところ見えないが、小さな火種が大きくなって起こることもあり得るし・・・とりあえず定期的には手紙を送ろうか。


ティリエスは新たに思い至り頷いているとふと、今日グルドと一緒にやってきた女の子のことを思い出す。

結局彼女、グリカは夕食の時にも顔を出すことはなかった。

グルドは疲れが溜まっていたのだろうと説明されたが少し心配だ。


まぁ、まだ滞在期間はあるし仲良くなれるきっかけはあるだろう。・・・・多分、シャイなんだと思うし。



ーーーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

ティリエスがそう思っている同時刻ーーー。


双子の部屋で眠っていたアドリウスは物音で目を覚ます。

ここには防音魔法が施され、物音など聞こえるはずはないのだがアドリウスの耳には誰かのすすり泣く声が聞こえた。

一瞬片割れのリドルフが泣いているのではと思ったが、弟は涎を垂らして幸せそうに眠っている。

一体誰が泣いているのかと思ったが、その前に扉が開く。

「あら、どうしたのアドリウスちゃん?」

母リリスが首をかしげる。いつものように寝る前に双子達を見にきたリリスはアドリウスがまだ起きている事が不思議で声をかけ抱きしめる。

「怖い夢でも見た?」

違うとアドリウスは首を横に振る。

「誰か・・・ないちぇた?」

「え?・・・・・・いいえ?誰も居なかったわ。」

道中を思い出し、誰も居ない事を確認したリリスはそれ以上追求しなかった。

もしかしたら寝ぼけていたのかも・・・。

「さぁ、一緒に寝るからもう寝ましょうね。」

リリスはアドリウスを抱きしめ一緒に横になる。

トントンと背中を叩く手の温もりと規則正しい音にアドリウスはゆっくりと目を閉じたのだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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