まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。㊶)
「どういうこと・・・といいますと?」
これにはシナウスも首を傾げて私を見る、あれ?もしかして知らない内になんかやらかしてた?
互いの理解度に差が見られ2人は見つめ合う。
「・・・その話しを聞けば何か良い事に繋がって作用したみたいだけど私自覚がなくて・・・私、何をしたの?」
別に分かってないことを誤魔化す必要はないので私はシナウスに正直に話すと、彼はこれでもかと目を大きく見開いて私を凝視した。
「まさか・・・姉様。無意識にしたんですか?」
「・・・その、たぶ・・ん?」
自信なく言えば、シナウスは口に手を添えて何か独り言を言ったが聞き取れない。
と、ふいっとこちらを見れば、彼は先ほど以上に目をキラキラさせてこちらを見やる。
「ふ、ふふふ流石・・・本当に、貴女は規格外だ。まさかあれだけのことをしたのに、それを無意識で?」
シナウスは嬉し気に笑いながらそう言い終わると、ベッドの横にある机に伏せて置いてあった手鏡を手に取り彼がぐいっと私に更に密着するように傍へ寄る。
仕草がさりげない、いい匂い・・・イケメン、これだからパーフェクトな男はっ!
彼の仕草に思わずぽっと顔を赤らめつつティリエスは彼の行動にされるがままその鏡を見た。
「姉様。魔法や固有魔法はこの世界に来てから使いました?あとは・・・そうですね、ご自身の技量内容は把握されていますか?」
「魔法?・・・ううん。魔法を具現化するにはもう少し成長しないと身体に負担がかかるから使ったことはないよ。技量も洗礼式に出てからとしか聞いてないから分からない。」
思い出すように彼にそう告げる。
一般的に初期魔法が扱えるのは5歳を過ぎてからと言われている。たしか過去に好奇心で幼い子が魔法を使おうと試みたところ死に至る事例はなかったものの意識不明の重体を起こした事例が何度か報告されたため国が神殿に協力を仰ぎ民にその事を伝えたのだという。
なので私もその教えに則って使ってはいない。せいぜい自分がした事と言えば体内の魔力操作して体内の魔力属性特徴を変えて体に纏わせる程度だ。
私の身体の中に様々な色や光がありそれらが混ざった運河がある、私はその運河に意識を向けて魔力の属性に集中すればそれらが綺麗に色別れを起こす。
色違いの光が其々集まれば今度は私が更に魔力に意識を向け動かすのだ。
ある属性だけを爆発せるように暴れさせたり、少しの光を使って形をつくったり移動されたりそれぞれの色を混ぜ合わせたり分離させたりと多種多様な事が操作できる。
今ではもう随分変化自在に出来るようになったが、これらを習得するまでなかなか難しく大変だった。稀にうまくできなくて自棄になりそうになった頃もある。でもこれが出来るようになったおかげで良かった部分もある。
それは冬で寒ければ私の中にある火の属性だけ魔力を大きくさせ、他の属性の魔力を小さくすれば火の属性の魔力を増やし身体を巡らせて寒さを凌いだり、逆に暑い日は水の属性だけ魔力を大きくして身体を巡らせて暑さを凌いだりといった事が出来て、正直かなり快適に過ごせた。
まぁでも毎日変化のない体感温度のままにして過ごしてたら、私がもし魔力切れを起こしてしたとき急激な環境の変化に身体に負荷がかかって恐らく痛い目を見るに違いないと思っているので、本当にたまに位しかしないようにはしているが・・・。
「なるほど・・・魔力操作ですか。きっとその魔力操作が魔力の内容量を大きくしたんですね。姉様、もしかして気絶するまでそれ、したことありませんか?」
「・・・・・・・。」
無茶苦茶思い当たることがあり、思わず無言になる。
あれだ、私が彼らを認識できなくて幽霊だと思っていたあの頃、怖くて気を紛らわすために魔力を視てはいつも気絶していた。
それこそ、自分が赤ん坊の頃からだ・・・。
「個人の魔力の容量は様々なんですけど、実は自分の容量のリミッター解除することが出来ると言われています。それは自分の限界を試すので大変危険な行為なんですけど、それは幾重にもあると言われていて解除すればするほど容量が大きくなり魔力量も飛躍的に上がると言われています。僕も幼少期に試みましたが何かパズルを嵌めるような感じでした。他の方は鍵穴を探して鍵を開けるようなイメージだった者も確かいましたね。」
鍵穴?!
それを聞いて目を大きく見開く。やっぱりあれはリミッター解除だったのかと心の中で結論付ける。
だが同時にでも、まてよ?とすぐに冷静になり考える。
彼らもしたことがある、という事はそんな変なことを私はしていなかったという事だ。
誰もした経験がある別になんてことはない。
「シナウスの言う通り私もしたことはあるよ。」
すっかり安心した私は彼にそう告げると、彼もやっぱりとそう告げて私に言うと次の言葉を口にした。
「そうだと思いました!あれは解除成功するのが難しくて僕は3回が限界でした。3回でもかなりの容量が出来るのでそれでも凄い事なんですが。姉様はきっと僕より多く成功していたんでしょうね。」
「うん・・・まぁ、あまり覚えてないけど。たぶ・・・ん?」
3回で・・・凄い事?
彼の言葉に思わず固まったまま私は今までの事を思い出す。
もし、鍵穴を探して鍵で開けることがリミッター解除の行為としてそれが1回と数えるとするなら・・・するなら・・・。
私、何回・・・いや何百回リミッター解除をしたんだ?
もしかして・・・私、とんでもないことをやらかしたんじゃ―――。
「さぁ、姉様。」
「・・・ん?」
思考の渦に呑まれ固まっている私にシナウスにズイッと手鏡を渡され握らされた。
「姉様は箱庭の器と魂が融合しているので鑑定も出来るはずです。今、ご自身のステータス確認してみてはどうでしょう?」
ニコニコと笑う彼を見つめ、そして鏡を見、そしてまた彼を見たあと徐に鏡を持ち上げ自分を写した。
滅茶苦茶無表情な自分の顔が自分を見つめていた。
「か・・・鑑定。」
視てはいけない・・・そう頭では思っていたがパンク寸前の頭は彼の言われるままにそう呟けば、鑑定が上手くいき、ポワッと鏡に何か文字が浮かぶ。
ゆっくりと浮かんだ文字を上から辿って見て・・・・・思わずひゅっと自分の喉が鳴った。
ティリエス=フェルザ・D・ルーザッファ
HP 78/78
体力 29/29
魔力 186600/∞
知力 9889/9889
攻撃力 7/7
防御力 8/8
速さ 5/5
運 7777/7777
「む・・・。」
無限大って・・・何?
思わず頭を抱えそうになったのだった。
いつも読んで頂きありがとうございます。




