私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(村人候補達から村人達へとなった彼らは私達には無いものを持っていました、それは技術です。㉓)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/22(金)投稿予定です。
数秒の間沈黙したレイが「じゃぁ事前演習か。」とポツリと漏らしたが皆聞かなかった事にした。
ティリエスもまたレイの言葉を耳にしていたがレイの言葉にそこは練習じゃ無いのかと心の中で突っ込む。
演習て訓練並じゃん、せめて練習だろう。
何かのスイッチが入ったように、何を言っているのか分からないぐらい小声でぶつぶつ言い始めたレイを主人であるティリエスもまたいつもの事かと放って、2人にその件はまた目処が立ったら相談する事を約束して教会を後にした。
それでは早速と思い、その日の夜両親に自分の誕生日プレゼントとして教会の修繕とミサの件を話した。
勿論OKをもらったわけだが、両親2人して微妙な顔をされた。
父は眉間に皺を寄せて何かもっと自分個人で欲しいものは無いかと問われたが、ティリエスはてんで思いつく事がなかったので、では前々から思っていた皆で1日一緒にピクニックしたいと言えば両親2人とも天を仰いでいた。
2人とも仕事人間、最早仕事中毒者なだけに難しいかなと思ったが必ず休みをもぎ取ると約束してもらいティリエスは喜んだ。
日々成長しているのは私だけでは無い。
また一緒に遊べなくなると察知した双子の不機嫌な顔が満笑になっていくのを見届けたティリエスはホッと胸を撫で下ろした。
双子弟達を我慢させたいわけでは無いが不満を爆発させて宥めるのに困ったのも事実なので、ここは有効活用していこう。事実自分も両親とお休み遊びしたいし。
でもまぁそれはそれこれはこれとしてやるしか無い。
何せ自分が一領民としての許可に判を押したのだ、困っている案件に首を突っ込んでも誰も文句は言わないだろう。
「それにしてもお父様もお母様ももう少し休めるようにすれば良いのに。」と、眠る前に机で早速資料を読み漁っいたティリエスはポツリと漏らすと、隣で控えていたレイが呆れた様子で「お嬢様も負けず劣らず仕事中毒者ですよ。」と言われたが聞かなかった事にした。
それからさらに数日経ったある日の昼時、ティリエスはとある民家へ向かった。
「まぁ!ティリエス様どうかされましたか?」
「こんにちはソラネさん。」
やってきたのがティリエスと分かるとソラネは驚いた顔を見せたが、直ぐに家へと招き入れた。
お茶を用意しようとしたのを止め、身重の彼女に椅子に座ってもらいシナウスにお茶を淹れるように指示をした。
因みに今日はシナウスとグリップの護衛の日で、レイは別件でここにはいない。
「急にごめんなさい。体調はいかがですか?」
「はい、不調もなく問題ありませんわ。けれどお嬢様が何故この様な場所まで、一体どうなされたのです?」
不思議に思っているソラネに応えようと口を開いたが、その前に入り口の扉が開く。「ただいま〜」という何処か疲れた様な声を滲ませたトーメが入ってきた。
「え、え?!公女様?!」
「お邪魔していますわトーメ、そうねさっきの質問に答える前に昼食を持ってきたんです。皆さんで食べませんか?」
未だ困惑している夫婦2人にティリエスはにこりと笑った。
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