私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(村人候補達から村人達へとなった彼らは私達には無いものを持っていました、それは技術です。㉑)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回はお盆明け8/18(月)投稿予定です。
この世界の種族は様々でそれによって身体能力に魔法の扱い方や生活、価値観も違うことがある。ただ一つだけ種族の垣根を越えた唯一の共通点がある、それは信仰である。
4柱の神の上に立つ絶対神女神。種族によって4柱の神は崇める神が違うが、その上に立つ神、女神はこの世界で生きる人々にとって共通の唯一神である。
当たり前すぎて忘れてたけど、私が物心つく頃にはミサなんてここでは無かったな。
信仰心がないわけでは無いが、生後間もない頃に私を教会へ連れていこうとしたその事があってか教会に対して不信感になった領民達が昔行っていたミサに行かなくなり出したのがきっかけだった。それで昔から寄付金を渡し出張派遣で神父を連れ行っていた月一度のミサも領民達が行かなくなってだんだん1ヶ月から3ヶ月へ3ヶ月から半年へと次第に遠のいて行きーーー、遂にはミサ自体行われなくなっていった。
まぁ、だから最小限の手入れしかしてこなかったわけなんだけど・・・ミサかぁ、確かにしてもいいよね。
「それなら、ミサができるように手筈していきましょうか?きっとお父様も賛成してくださると思いますよ?」
「実は、その件について既に公爵様にはお願いして快諾はしてもらったんじゃ。」
資金も出してくれるという申し出ももらったと言うイーチャの言葉に、ティリエスはあれ?と疑問が出た。
「じゃぁ、問題なく出来ますよね?ミサ。」
信頼できる友好的な神父が行うミサだ。信仰心のある領民達がミサに来ないわけがない。
それなのに何故自分に相談してきたのか?その理由をすぐにブジョラが答える。
「ご覧の通り、聖書だけだとミサを退屈だと思ってしまう。」
聞けば、他のミサでは教会の前で自分達が用意した出店をしたり作った小物を売ったりと、小さい規模ではあるが少しイベントを盛り込んで来てくれた信者を楽しんでもらう事もしているらしい。
時には治療を診たりとお祭り感覚ではない時もあるが神に祈りを捧げるものとして共に平和に感謝し楽しむ。それが今のミサの在り方の一つにもなっていた。
「主の教えを説く、治療する選択もないわけでは無いが、それよりも親しんでもらったり子供達に楽しんでもらうのが良いと私達がそう判断した。だが、私達はそういう催しをした事がない、だから、ティリエス嬢に相談したわけだ。」
成程、確かにそういうのしてなだそうだもんね。2人ともザ・目上の人!だったろうし、そんなことした事ないだろうし。寧ろ夜鍋で小物を縫い上げているブジョラ司祭なんて正直想像出来ないし。
などと失礼な事を思い浮かべながら困った顔のままのブジョラを見て、ティリエスはどうしたら良いか悩む。
そうは言っても私ミサ経験無いしなー・・・前世もそんな所でお祈りした事もないし。
なので前世の記憶に残っている事を思い出す。子供達が退屈しない楽しめる事、そしてテレビ番組や旅行雑誌などで見た前世の西洋の教会で行っていた事を思い出していて、ティリエスはある事を思いついた。
「それなら、寧ろ手伝いをしてもらうのはどうですか?」
「はて?それはどういう事じゃ?一体なんの手伝いを?」
「ミサの催しを手伝ってもらうんですよ、この子達に聖歌を歌ってもらうのはどうですか?」
ティリエスの言葉目の前の男2人は思わず顔を見合わせた。
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