表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第8章〜魔人領編〜
720/747

私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(村人候補達から村人達へとなった彼らは私達には無いものを持っていました、それは技術です。⑲)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/8(金)投稿予定です。

8/8追記 申し訳ありませんが、本日投稿予定でしたが作業時間が確保できず難しくなってしまったため、誠に勝手ながら8/10(日)投稿予定となります。


ギリアとエルアル卿は知っているから鑑定しても問題ないし。


スゥと鑑定の瞳に変わりティリエスは白い球体へと目を向ける。

鑑定と小さく呟けば、それを引き金に文字が浮かび上がる。


スライムの残骸と呼ばれる物


ん?この言い方だと仮の名前みたいで本来の言い方じゃない気がする。


ティリエスがそう思っていると、やはり鑑定で記された内容を見て渋い顔をする。


スライムの残骸と呼ばれる物・・・スライム、その中でも温厚である性格のピュアホワイトスライムという種類のスライムが作り出した残骸と呼ばれる物体。水に入れると泡を出し独特の刺激の水を作り出すことができる。

ただ、何かの条件で爆弾のような威力を放つことがある。


「成程。」

「その表情、思っていたより鑑定が出来なかったようですね。」

「え?」


今まで後ろから静観していたレイがティリエスの様子にいち早くそう言うとギリアが不安げな顔を見せる。

「旦那様からお嬢様の鑑定の能力は優れたものと伺っていましたが、それでもダメということでしょうか?」

「え?お父様そんな風におっしゃっていたの?」

領地の信頼おける臣下には話しておくと事前に聞いていたティリエスは、まさか父がそのうように自分の事を話しているとは思いもせず戸惑う。


「確かにすごい能力なんでしょうけど万能ではないですから。」

鑑定基準が私の無意識に得ているもの含め全ての知識で鑑定を行っているので聞いただけの内容しか表示されなかったということは、書物の中の一文字も人の談笑でも私は触れた事がないのだろう。


だとすれば、これ以上の情報を得たいのであればーーー。


「失礼。」

「あ?ティリエス嬢、一体どうするつもりだ?」

「まぁエルアル卿、とりあえずものは試しに・・・レイ、お願い。」

レイは何をすればいいのか分かっているようで、白い玉を一つ手に取ると右手の人差し指を見えない速さで動かす。手が止まった次の瞬間、手の持っていた球はバランと崩れ沢山の小さなサイコロ状の形と変わる。

手からこぼれ落ちる残骸には目もくれずそのサイコロ状のそれを一つ取りレイは迷う事なく口の中へ放り込むと、何か納得したように頷き、もう一度一つ摘む。先ほどよりも持って小さい大きさのそれを彼女の口の前へ差し出す。

「大きさはこちらの方がよろしいかと。」

レイに頷き、ティリエスも躊躇なく口を開き口の中へと入れ味わうように中でそれを転がす。


・・・うーん、味無い!


唾液に反応してシュワシュワと泡を感じつつも無味無臭のそれに眉を一瞬顰めたがなんとかそのまま飲み込む。

さて、何かこれでわかる事があればいいけど・・・お!


もう一度鑑定を展開すると、名前はそのままだが明らかに説明内容は変わっていた。


スライムの残骸と呼ばれる物(魔力0/特性吸収)・・・スライム、その中でも温厚である性格のピュアホワイトスライムという種類のスライムが作り出した残骸と呼ばれる物体。水に入れると泡を出し独特の刺激の水を作り出すことができる。これは水に含まれる水の魔力と物体が強く結合し融け混ぜた事によって現れる現象で一度融け込んで仕舞えば分離もせずそのままの状態で止まる。水属性と相性が良く物質が粒子レベルに個々に結びつくため何かの小さな衝撃で分離しそうになると電気のようなピリリとした刺激が走る。逆に火属性は相性が悪く結びつきに均等はななく固まりのまま吸収するため振動が起こった場合大きさに比例し最悪爆発のような衝撃を起こす事がある。人体に害はなく、寧ろ僅かに吸着特性もあることからお通じが良くなる。


へぇー、確か帝国は鉄鉱が盛んだから火属性が水に融け込んで反応したのかな?

「うまくいったわ。」

「本当ですか?」

「えぇ、ですから危ない事は・・・・・?」

言葉を切ってティリエスは視線をまた鑑定分がある場所へ向ける。お通じの下から少し離れた場所に「そして」から始まっている文字を見つめそのまま字を追っていくと、ティリエスはピタリと表情が固まる。


これはもしかして、そういうことか・・・でも、浄化出来てあれ、なんだよね?

「?どうかしたのか?」

話す途中で黙った彼女が心配になり声をかけるエルアルへと視線をやる、何か言いかけたがやめ、パンっと手を叩く。

「うん、まぁ大丈夫!」

「は?」

何がと問いかけたかったが、ティリエスの方が先に口を開いた。

「分量とか特性がわかったから大丈夫みたい、ちょっと今から手伝えますか?」

「はぁ、まぁ。」

ティリエスの言葉に答えつつも少し疑問に思ったエルアルだったが何も聞けず頷いた。


まぁ、知らぬが仏だよね。害ないし浄化されているし。


ティリエスはティリエスであの時鑑定で知ったある事実を誰にも告げず墓場まで持っていくこととなる。

そして遠い未来、スキルの等級というランクされるようになった未来のある日、10等級中9等級持ちの鑑定者が僅かながらに鑑定したある一言で炭酸水の原料となったこの物質の正体について多くの専門家が論争する事になる事をティリエスは知る由もない。


いつも読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ