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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第8章〜魔人領編〜
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私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(何故彼らがここにいるのか順を追って説明しよう!㉗)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/24(月)投稿予定です。


「え?・・・あ、本当だ。」

「本当ですわね。」

「よくよく見れば確かに。」

「・・・・・・・・・・・・。」

他のメンバーはグリップが指摘した先の方を見て口々に呟く。

じっくり見ないと分からないその仕掛けは普通に何も思わず歩いていると分からないぐらい、ほんの些細な痕跡だ。

一番後ろにいたのによくこんなのが分かったなと近くに寄って罠を確認しているグリップを見てティリエスが思っていると彼が戻ってきた。


「いやーすごいよあれ、凄く分からなく作ってあるわ。絶対素人じゃないわ。」

「敵の作った罠をそんなに褒めてどうするんだぁ?」

感心しながら戻ってきたグリップにレイは少しだけ呆れた顔を見せる。


「だって、あれここの地質さえ把握してれば絶対分からないやつ作れてたよ?そんなに完璧に作れないよう普通、惜しいよね?そこまで把握するのに時間がなかったのかな?」

「へぇーたった少し見ただけでそんなこと分かるなんてすごい。グリップってこういうの詳しいんですね。」

「まぁね〜。」

「どうしてそんなドヤ顔なんです?グリップさん総隊長になれる程の実力も知識もあるんですから知って当然じゃないですか。」

何を当たり前な事をとドヤ顔になっているグリップにティキは冷めた目を向けたまま言い返した言葉でティリエスも彼が実はトップのすごい人になれる程の実力を持っている事を思い出す。


そういえば彼、合格を蹴ってまで従者になりたいからって私のところにやってきたんだっけ?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

なるべく早めにお給金あげれるように雇用主としてしなくては。

新たな決意を静かに決め意気込んでいるティリエスだったが、ジィッと未だ罠の場所を見つめているグリップが気になり声をかける。

「どうしたんですか?他にも何か気になることでも。」

「うーん、実はこれ帝国が使っている罠みたいなんだよね。本で見たことがあるわー。」

「帝国だと?」

その国の名前を聞いた途端、グリップとティリエス以外のメンバーの表情が変わる。

「じゃぁ潜んでいるのは帝国の軍人達ってことになるんですか?あれ?でも帝国は私達の国から見て東側大きな川を超えた先ですよね?どう考えても東の公爵領の方が近いのになんでこんな北の遠いところわざわざ隠れるようにいるんです?」

「そう!それなんだよね〜、流石ティリエスちゃん!おかしいんだよ、ここ遠いのにわざわざ来るなんてさ。で、俺ちょっと思ったんだよね。この罠、逆に分かりやすく作ったんじゃ無いかって。」

「?どういうことですの?」

「これ、穴に落ちたら糸で繋がった音がなる仕組みなんだけど、その前にもちらほら引っかかるだけで音が鳴るだけ罠もあるんだよ。相手を罠でも殺すように作るのが帝国流なんだけどさ。罠から見てそんな感じじゃ無いから、もしかしたら誰かが落ちたと分かった時逃げるための時間稼ぎで穴掘っているんじゃ無いかなこれ。」

「逃げるために?迎えるのではなく?」

シナウスの質問にグリップは首を縦に振る。

「うん、多分だけどこの罠作った軍人達と一緒に一般人もいるんじゃないかな?だから注意よく見れば罠が分かるようにしたんじゃ無いかなって。」

「なるほど、一般人が罠にかからないようにする為ですね。」


納得したティリエスは自分の頬に手を当ててどうするのか考える。

「どうします?相手が手練れであれば先に乗り込んで鎮圧すべきでは?」

「・・・・・いや、レイ。それをしたら駄目です、怪我をしてしまいますわ。」

「ではどうなされるんです?」

「・・・・・うん決めた。」

ティリエスは小さく呟き、大きく息を吸い込んだ。


「あのー!!すみませーん!!隠れているのは分かっているんでー!!一度話し合いしませんかーー!!」

「え?!お嬢様?!」

驚いているティキやシナウスを他所に森中に響き渡る大声でティリエスは彼らに聞こえるように叫んだ。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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