私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(何故彼らがここにいるのか順を追って説明しよう!㉒)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/12(水)投稿予定です。こっそり誤字脱字教えてくださった名もなき妖精様ありがとうございます。
とはいっても、すぐに行動を移すことは出来ないのでその日の夜ティリエスは食事の席で父に伺いを立てることにした。
「ピクニック?」
夕食が始まって早々ティリエスは元気よく頷く。
「はい!工事は始まると極力家に居ないといけませんが、工事着工までまだ少し時間があります。なのでその前に外で遊びたいと思いまして。」
「確かに材料は運ばれて来てはいるが・・・それなら一層のこと買い物へ行くのもいいんじゃないか?」
「そうね・・・ティリーもやっぱりドレスは何着か必要だと思うし。」
「それでしたらアステリア様から新しいドレスで意見を聞きたいといってましたので、何着かその際お願いする予定ですし領地外に行く必要はありませんわ。それに買い物といっても特に欲しいものはありませんし。」
思いがけない提案に内心焦りながらティリエスはゆるゆると首を横に振る。
「それに、実はルル村に行こうと思っているんです。村長、師匠にも最近会えてませんし。」
「まぁティリエスがそう言うなら・・・、今は夏で豊穣祭も時期的に無いし。秋になったら皆で港に近いルーズル伯爵領の豊穣祭には行こうか、あそこは港もあるから色んなものが売られると聞くし。」
「まぁ!それは楽しそうね!是非そうしましょう!」
リリスの嬉しそうな様子に双子もにこーっと笑って拍手を送っているのを見てティリエスやアドルフはほっこりさせる。
「分かった、ならティリエス行くのは明日にするのか?」
「いいんですか?」
「あぁ、それにレイ達も一緒なんだろう?」
アドルフはチラリとレイの方を見ればレイはにこりと笑い軽く会釈する、
「はい!今回はシナウスやグリップにティキも一緒ですわ!」
よしよし、後は明日の準備をするだけだ。
父親の好感触を感じほぼ外出確定の予感に喜んでいるとポンっと小気味の良い音が聞こえてきた。
双子のご飯が入った食器を置いた母リリスからだった。
「それならティリー一つ提案なんだけどお母様も一緒にいいかしら?」
「え?お母様も?」
予期していなかった提案でティリエスは若干戸惑う声を出す。
「ダメだったかしら?」
「いえ、ただこの前お母様お薬のことでお時間作れないと聞いてましたから驚いてしまって。」
「それなら実はある程度目処が立ちそうなの。最近忙しくてこの子達もアン達に任せっきりになる事もあったし、たまにはお母様も貴女達とゆっくりしたいわ。」
そこまで言われてしまうとティリエスはNOとは言えない。
「ではお母様も・・・2人も一緒に行きます?」
「「アイッ!」」
双子の元気な声にティリエスは頭の中で白旗をあげる。
「では一緒に行きましょうか。お父様良いですか?」
再度確認しながらもチラっとレイを見ればニコリと微笑んでこちらを見ていた。
特に含みのない笑みなので母達がついてきても問題ないと言う事なんだろう。
「・・・話しは纏まったようだね。何人か護衛も一緒に行くよう伝えておくから楽しんできなさい。」
成り行きを黙って見ていたアドルフはニコリと笑いティリエスにそう伝えた。
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