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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第8章〜魔人領編〜
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私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(何故彼らがここにいるのか順を追って説明しよう!⑬)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は2/14(金)投稿予定です。


「・・・え?その、気になっている女性がカリファ法王、ですの?」

「はい、そうですよ。」


念のためもう一度オーガに確認をとってみるが、返ってきたのは肯定でティリエスは面食らう。

確かに綺麗な女性だしわからんでもないけど・・・マジ?法王?

身分差・・・いや、一応この人公爵家の出だしできない事もないんだろうけど・・・え?でも、この前結構険悪じゃなかったですか?


以前の彼らのやりとりを思い出しティリエスは思わずオーガをガン見する。

一体どこに惹かれたんだろう・・・気になるな。


「へぇ、それは初耳でしたねぇ。一体彼女の何に惹かれているんです?」

これにはレイも予想外だったようで、面白そうにニヤリと笑いながら聞いているとオーガは苦笑する。


「私のことはあとでいいでしょう、それよりこの人達をどうするんです?」


言われてティリエスはあっと思わず他の3人を見れば、彼ら全員正座したままこちらの様子を伺っているようだった。

うーん・・・とりあえずは。

「もう一度お聞きする内容ですけど、お父様に移住の件でお願いしたら私に許可を取るようにと言われた、っていうことで間違い無いですか?」

3人とも私の言葉を聞きこくりと頷く。

「間違いない。」

「全くもってその通りです。」

「その通りじゃ。」

「・・・エルアル卿には理由を聞きましたが、貴方方2人はどうしてここに来ようと思ったんです?私はともかく領民がどう思っているかで貴方方はこの先住みにくい場所になるかもしれないのに・・・。」


心配してそう言えば、彼らが互いに顔を見合わして穏やかに微笑んだ。


「そうであってもいいのです。私の手は罪の手で汚れています。領民達から冷たい目で見られても私の償いとして受け入れるつもりです。」

「儂もじゃ、息子と同じく償いをしたい、そして余生短い儂はどんな場所でも息子と過ごしたい。それが出来るのならここに住まわせてほしい。」


成程、覚悟はもう決まっていると・・・気がかりはちらほらあるんだけど・・・まぁ、彼らなら了承してくれるかな。


ティリエスは悩んだがすぐにどうするか決め頷く。

「わかりました、私は反対する理由はありませんので許可しますわ。」

その言葉に3人は笑みを浮かべティリエスに礼を言う、ティリエスはそんな彼らに少しだけ罪悪感を感じながらも再度彼らによろしくと挨拶をする。

「では、お嬢様。こちらをどうぞ。」

「うん?」

いつの間にか隣に来ていたレイがズイッと私の前にお盆を差し出す。

「何ですのこれ?」

お盆の上には羊皮紙3枚と結構な大きさの木の棒のようなものが置いてあり、紙ではなく木の方を持つ。


「?採用、って書いてありますが・・・もしかして判子??」

木の裏側が彫られていたのでひっくり返すとこの世界の文字で採用と書いてあり、ティリエスは思わずレイの方を見た。

「はい、私が作ってみました。採用であればこの用紙に判子を押してください。」

「え?えぇ・・・それじゃぁ。」


そのまま押してみてくださいと言われたので、言われるままそのまま押してみるとジュッと音が鳴り離すとそこに焼印のような判子の文字が浮かんでいた。

「私の魔力で程よく焼けるようにしてみましたので、細工もできませんでしょう?」

「はぁ?でも、何でこんな物を作ったんです?これっきりなの物ですのに。」

ティリエスは作った理由がわからず彼に問うとニヤリと笑みを浮かべた。

「いやぁ・・・必要になるかと思いましてね。」

「え?」

思わず聞き直そうとしたが、くるくると用紙を丸めて違うところを見ているレイに聞けないでいると、オーガが「そうそう。」と口を開く。


「私がなんで彼女に惹かれたか聞きたがってましたよね?」

「えぇ、まぁ・・・。」

「色々ありますがまぁ1番はあんな人そうそう居ないじゃないですか。」

「そうそう居ない?まぁ、確かに、あれだけの地位で綺麗な人はいませんよね。」

同意して言うと、彼が違う違うと首を横に振られティリエスは首を傾げる。

「え?じゃあ何処に惹かれたんです?」

そう言えば、オーガはにっこりと先ほどより笑みを深める。

「私、可哀想な女性の方が好みなんですよ。」

「え?か、可哀想??」

「えぇ、だって可哀想であればあるほど縋るでしょう?悪い気はしませんよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」


理由が理由なだけに、レイがオーガから私を遠避け、他3名も彼を奇異な目で見つめていた。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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