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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第8章〜魔人領編〜
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私が3年間領地から出られないつまり出禁状態だったあれやこれやそれ。(何故彼らがここにいるのか順を追って説明しよう!⑪)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は2/7(金)投稿予定です。


「あれ?エルアル卿じゃないですか?」

ドアの前に立っていたのは、パン屋の娘であるイストさんと婚約したエヴァイスの兄エルアルだった。

彼は確か大叔父様であるディオスの部下であり右腕のような存在である。

はて?なんでここに彼が来ているのだろう?


招待状は確かに送ったが、1週間前彼は不参加と聞いてちょっとがっかりした時の事を思い出しながら彼にソファへと勧める。

そうか、もしかしたら来れるようになったから今ここに来ているのかも。


今日は自分の誕生パーティーである。驚きはしたが親しい人たちが自分を祝いに来てくれることは何より嬉しいことだと思っていると、彼がなかなかソファに座らないことにあれ?っと思い振り返ると、彼は何故かドアの前にたったまま一歩も前に進んでいないようだった。


「?エルアル卿どうしました?」

そう思っていると、エルアルが己の身体を支えていた杖をその場に置くとそのまま何故か土下座のポーズをする。


え?何?どうした一体?!

突然の行動にティリエスは助けてもらおうと驚愕したまま周りを見る。

待った・・・誰もいないじゃないか。


そう言えばいつもならメイド達が誰かしら案内してくれるのに居ないということに今更気がつく。


「頼むティリエス、何も聞かずに俺をここへおいてくれ!」

「え?!」


・・・・いや、駄目だろう事情聞かずに頷くのは。

一瞬驚いたもののティリエスはすぐに冷静になると、小さくため息を吐く。

「案内を頼まずに1人で来たのですから事情があるんでしょう。話しを聞きますからとりあえず中にどうぞ。」

そう言ってなんとかその場で土下座しているエルアルを立たせて中へ入ってもらうとティリエスは扉を閉め、自分はソファへとすわるが、何故かエルアルはティリエスの近くの地べたへと正座したまま座りこむ。


いや、なんでそこに座るんだよ。

心の中で突っ込むが彼に言うのももう面倒になったのでティリエスは話しを進めることに決めると、若草色の頭を見やる。

「で、一体どうしたんです?エルアル卿は魔塔という帰る場所があるのにどうしてここにおいてくれなんて言うんです?」

その言葉にぴくりと肩が反応したのをティリエスは見逃さなかった。

大叔父様と何かあったんだな。

「大叔父様と喧嘩でもしたんです?」

「・・・喧嘩なんかしてねぇよ。」

黙りを決めていたエルアルがようやく口を開いたのでティリエスは彼の次の言葉を待っていると話しだした。

「魔塔でディオス様のところでもっと頑張ろうとそう思っていたんだよ。でも自分の脚で色々外に行ってみて、思ったんだよ。このままでいいのかって。もっと色んなこと出来るんじゃないかって。それをディオス様に言ったんだ、そしたら俺はティリエス様のところに行ったほうがいいって。」

「え?私のところに?」

「お前はなんでって思うかもしれないけど、それはなんとなく俺自身わかっているから良いんだ。」

「はぁ・・・それでここに?でもそれならお父様のところに行って話しを進めたほうが良いのでは?」

「もう行ってきたんだ、そしたら公爵様がお前のところに行けって。」

「え?」

「お前がいいと言われたら領地に居て良いって言われた。」

えぇ・・・お父様なんでそんな事を?

少し混乱しているとまたノックが聞こえてきたので「今取り込み中」と答えると「お客様です」とレイの言葉が聞こえてきた。

下がらせずにレイが応えた。・・・また嫌な予感。

ティリエスは開けて欲しくなかったがレイはきっと動かないと思ったのでティリエスは彼に扉を開けるように言った。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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