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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
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私が聖女候補なんて世も末である。(真相を究明しようとすれば、きっと誰かは泣く羽目になる。㊻)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は9/1(日)投稿予定です。


「どう見てもこれは・・・。」

ただの村人じゃないよねぇー。


ゆらゆらとこっちにやって来る彼らの姿はどう見ても生きているようには見えないほど、身体のあちこちにとうに死んでもおかしくない怪我の跡があり、中には腐敗している肉体の村人もいた。そして全員血色も悪いし全員白目を向いている。


うーん・・・前の世界でもゾンビを見たことがあるけど、架空の存在と本物では全然違う妙な不気味さを感じる。


「確かにあのような姿、人間じゃないですねぇ。ロコスもあのような者に出くわしたと?」

オーガの問いかけにロコスはすぐ様首を横に振る。


「成程、まだ人間らしい状態だったというわけですか。ということは、あれが最終形態の姿ではなく失敗の可能性もありますねぇ。」

「失敗?」

「これを行っているのはあの日記の通りなら聖女と言われる人物です。なら、その聖女はここの人間を実験に使ったと、まぁ今はそんな事を言っている暇はないですねぇ。」

「え?・・・うわっ。」

オーガの言葉を聞いて彼らをみた途端思わずティリエスは声を漏らす。

見れば片手に松明、もう片方の手には凶器になりそうな物を振り上げて此方にジリジリと迫ってきている姿が見えたのだ。

だからってパニックになるほどでは無いけど・・・でもこのままでもいけないよね。

思いがけない襲撃に危機的状況ではあるが、既に身体が腐敗しているせいかこちらに迫る速度もゆっくりなのでそれほど恐怖心は生まれない。慌てる必要もないが、このままここにいれば確実に囲まれる事は間違い無いだろう、それは避けたいところである。


「あのようななりでも、私達は敵ということを判断しているんですねぇ。一体どういう仕組みでそう思っているんでしょうね?」

「レイラ、気になるけどここから離れないと。バルバラ達もいるんですよ?」

「嫌ですねぇ、ちょっとした好奇心ですよ。」

咎めるとレイは口を尖らせて不満を言う。

「いや、寧ろそいつのいう通りかもしれない。」

「オーガさんまで。」

「だってよく考えてみてください、あんな得体の知れないものに対抗しように知らなかったらこちらが不利でしょう?」

「それは・・・そうですけど。」

「この方達には申し訳ないですけど、ここで彼らと戦って弱点を見つける良い機会じゃないですか?」


申し訳ないって言っているけど・・・全然申し訳ない感ないよなー。

オーガの中で彼らにとってはもう人間であるという認識はないのだろう。切り替えの早さにティリエスは彼らしいと思いつつ、視線を後ろにいるロコスに向ける。


「貴方の知り合いを傷つけることになりますが、いいですか?」


一瞬考えるそぶりを見せたがこくんと彼が首を縦に振ったことで、ティリエスも腹を括る。

「分かりました、でも危なくなりそうなら撤退してくださいよ。」

「それは勿論、しかし、どこを攻撃したら効果的でしょうねぇ。闇雲にすればこちらが不利になりますし。」


それは確かに・・・待てよ。


ここでティリエスは以前の世界のゾンビの弱点を思い出す。銃で攻撃する際頭を攻撃すればその場で倒れたはず。

なら、ここにいるゾンビもまた身体へ指令を出している頭を打ち抜けば再起不能になるのではないか。


「頭を狙ってみてください。」

「頭ですか?心臓ではなくて?」

「えぇ、身体を動かすのは脳の伝達ですから。そこを破壊すれば止まるのはないでしょうか。」

「成程、では。」


そう言ってレイが右手の人差し指に魔力を込め、一番前にいる村人の頭にい照準を当てると音もなく発射させる。

勿論、頭に命中し前のめりへ倒れた。

「どうやら効果的みたい・・・ん?」

・・・いや、動いとる。


ティリエスが言い終わる前に倒れた村人がゆっくりと身体を起こしまたこちらへと歩き始めたのをみて思わず目を向く。

「どうやら違うみたいですねぇ。」

「では今度は心臓を。」

そういうと今度はオーガがそこに照準を当ててレイと同じように攻撃をする。

勿論命中したがふらついただけでこちらに向かってくる様をみてティリエスはげっと悪態をつく。

「全然沈黙しませんね・・・どうしましょう。」

「・・・面倒なので頭吹っ飛ばしましょうか。」

そう言っている間にレイが今度は魔法で頭を首から切り離す。

「えぇ・・・レイラ、それしたら流石に・・・いや!起き上がってくるんかい!?」


いや、弱点調べるんじゃないの?とそう思っていると、なんと、その頭を落とされた村人が立ち上がったのをみてティリエスは思わず突っ込んだ。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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