私が聖女候補なんて世も末である。(真相を究明しようとすれば、きっと誰かは泣く羽目になる。㉟)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は7/30(火)投稿予定です。
「ーーーーー成程、ではここから出る算段をどうするのか考えているが、良い解決策が見つからないと。そう言う事ですかね?」
レイラに今まで話していたことを伝えると、レイラはふむ・・・と考え始める。
まぁ、正直お手上げだよねぇ。単独でいくなら兎も角複数人で行くなんてリスクが高いだろうし。
流石にレイでも良い案は浮かばないだろうと思っているとにっこりと笑ったので、ティリエスあれ?っと思う。
「でしたらお任せください。策はありますので。」
「・・・・・・・・・・。」
信じていないわけじゃないけど、なんかこうレイって安全第一!っていう感じじゃないんだよなぁ・・・不穏が大きいっていうか、不穏しかないというか。
「でも、そうなるとあと数人同行者が欲しいですねぇ。」
「え?同行者ですか?」
思いがけない要求にティリエスは聞き返す。
「はい、流石に行くのは夜、しかも月が出ない日を選びますからねぇ。私1人では守りきるには少々骨を折そうなので。」
「・・・貴方がそう言うのならその方がいいんでしょうね。」
レイが茶化すことなくこう言うのは下手したら怪我をするかもしれない可能性があるのか・・・・。
「それでも貴方の策なら問題なく外へ出られるというのね。」
「えぇ、それは勿論保証します。」
うーん・・・レイがそこまで言うなら。
「では貴方に任せますわ。それで同行者をどうなさいますの?」
「同行者ですか?まぁ今でしたら二択しかありませんが、そうですねぇ、今回はオーガ達に頼みましょうか。その方がまだ気心知れた仲ですしね。」
まぁ確かに。司祭の2人には悪いけどオーガさん達の方が同行しても誤魔化せれるところはあるし。何よりこれ以上変に聖女の株上げるような事は避けたいし。
「でも、ロコスさんは傷がありますが、彼も同行させる気ですか?」
「彼は同行させますよ。彼は地理に詳しい、何より機転が良い。軍人でもない人間があの怪我を受けて逃げ仰せたんですから。」
褒め基準が物騒だけど・・・まぁ、地理詳しい人がいた方がいいよなぁ。
「ちょうど3日後が新月ですし、その時までに彼の傷をどうにかしましょう。最悪魔法で治しますが、それまではフラスに任せます。」
「おや?招くんですか彼も?」
「彼だけだったら今の状態でも問題ありませんでしたけど・・・彼女の状態が良くないですわ。」
前見た時より弱っているクレメンスを見てからティリエスは答える。
「一度、クレメンスさんとバルバラさんを拠点で保護しましょう。ホルアクティもそれでよろしい。」
返事の代わりにばさりと羽根を上げる。
バルバラ達がいるから数日間喋れなくなるけどごめんね。後で何か美味しいもの作ってあげるよ。
「じゃぁ早速行動しましょうか、バルバラさん。」
「は、はい!」
急に呼ばれたバルバラは驚いて返事をする。
「ちょっと今から部屋移動しますから、そこで数日間過ごしてもらってもよろしいですね。」
「はい・・・え?」
バルバラはよくわからないまま返事をしたその数分後、拠点へ着いた途端素っ頓狂な声をあげて驚いた。
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