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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
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私が聖女候補なんて世も末である。(真相を究明しようとすれば、きっと誰かは泣く羽目になる。㉓)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は7/2(火)投稿予定です。


「誰もいない事はないでしょう?ほんの2ヶ月前、あそこには少なからず60人ほどの村人がいたんですから。」


オーガは自分がそこに滞在していた時の事を話すがそれでもロコスはもう一度誰もいなかったと書き記す。

「となれば、村の人間はこの2ヶ月の間で姿を消したという事になりますねぇ。」

「そういう事になりますわね?」


どちらの主張も事実ならレイの言う通りなんだろうが、それなら村人達はどこへいったのだろうか?

・・・・あ。


「もしかして、その採掘跡地にいらっしゃったのでは?ロコスさんが襲われたのもその採掘跡地でしたし。」


ティリエスは可能性を伝えてみたが、ロコスは首を横に振りまた書きはじめる。あそこは何年も閉鎖されているし数年前の落石で入り口手前まで塞がっていると教えてくれた。

自分はその入り口前に隠れていた知人にやられたのだとそう付け加えられた。

「じゃぁそこに村人がいるわけがないですよねぇ・・・何処に行ったんでしょう?」


ティリエスが呟いている姿を見ていたロコスはまた何かを書き始めたので3人は文面に視線を戻す。


“恐らく、このことも関係があるかもしれないのでお伝えしますが・・・"

ロコスはなにか躊躇するように書くのを一度止めたが、羽ペンを握り直しまたスラスラと書き始めた。

“これを書くまでに何度も何度もそうではないという可能性を探して考えていましたが、やはりそうとは思えないのでここに書いてお伝えします。私を襲った知人は2年前にすでに亡くなった人です。“

「ほう?」

「なかなかありえない事が出てきましたが、面白くなってきますかねぇ?」


レイ、何で何時も面白くなる事を望んでるの?娯楽かと思ってる?それよりも。


「でも、そんな事あり得るんですか?死者が動いて攻撃なんて。」

この世界は魔力というエネルギーを介して様々な現象を起こしている。そしてその魔力というエネルギーは物でも生き物でもゼロに近い魔力量でも必ず宿している、ただ、この世界の中で全く魔力を宿していないものがある。それが死んだ生き物だ。

確かに死んだ直後は魔力が残っているが、その魔力が内部で溜まり身体の腐敗を進めていく。そして残っていた魔力がなくなる頃には腐敗、所謂遺体が出来上がり同時に魔力の循環貯蓄機関も壊れ二度と魔力には耐えられない、そしてその遺体は地へと還っていく。

だから、2年も経った今その襲った人が死んでいるとなると魔力が無いモノになる。そして死んだ人間は意思のない人間だ。だから誰かが操るしかない。操るとしたら魔法を使う事になる、でもその魔力自体無い器を操る事なんて普通では出来ないのだ。

だから、よく物語で死んだ後ずっと死体を操作する魔法というのはこの世界では実現出来ない。


「もし、それが可能でしたら世紀の大発見になりますねぇ・・・とても悪い意味に。」

オーガは呟きティリエスもそれに同感する。

もし遺体を操れるのだとすれば、下手すれば倒れない兵士が無尽蔵にできるという事にも繋がるだろう。


「今の段階ではあり得ないですけど、でもそれならこの傷なら納得しますねぇ。」

いつの間にかレイラがロコスの怪我をした包帯を取りマジマジとその傷を見ていた。

あまりにも痛々しい傷にティリエスは思わず顔を顰める。


「これ見て何かわかるんですか?」

「あまり多くのことは分かりません・・・が一つだけなら分かりますねぇ。」

なぞっていた手を止め、振り返る。

「この傷には何の感情も無いという事ですね。」


いつも読んでいただきありがとうございます。

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