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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
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私が聖女候補なんて世も末である。(真相を究明しようとすれば、きっと誰かは泣く羽目になる。⑳)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は6/25(火)投稿予定です。こっそり誤字脱字教えてくださった名の無き妖精様ありがとうございます。



その日ティリエス達は彼女がいるであろう図書室へ向かうが、彼女に会うことはできなかった。

バルバラから以前に聞いていた図書整理している時間に彼女の姿はなかったからだ。


ティリエスはそれでも彼女と会うことを辞めようとはせず、時間を作っては折を見て彼女が居ると言われている図書室へ足を運んではいたがそれでも会うことはできなかった。




ーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーー


ーーーー



「なかなか彼女に会えませんねぇ、私達避けられてるんでしょうかねぇ?」

うっ・・・薄々思っていたことを直球で言われた・・・。


彼女に会うことができず早5日過ぎた頃、レイラはポツリと言葉を漏らした事でティリエスも思わず本を読んでいた手を止めた。

本日図書室滞在時間1時間経過しているが、彼女が現れる気配すらない。


「一応バルバラから聞いた彼女がいる時間帯を狙ってこうしてここで待ってはいますが・・・。」

本当、来ねえなここに。本当に普段からここにくるんか?彼女。

ティリエスは読み終えた本を片付けながら心の中でつい愚痴を漏らす。

でも、あの子が嘘を言うような子じゃないのは分かっているから・・・やっぱ避けられてるんだろうな・・・。


ティリエスはバルバラが嘘をつくような子ではないと分かっている。もしクリメンスが私達を意図的に避けたい場合、彼女はクリメンスの事情を聞き正直に会いたくないと思っていることを私達に伝えるような子だ。


となると・・・彼女にもクリメンスは自分はここで役割を担っていると嘘を言っている事もあり得るのか。

でも、何の為にそんな嘘を言い続けているのか謎だ。

・・・そういえば、何だか最近のバルバラも心なしか元気がないような気がする。

うーんとティリエスが唸っているとバルバラと談笑していた事を思い出す。

いつものようにパンの差し入れをしていた時、彼女は喜びつつも何処か上の空で元気がなかったような気がする。


こちらから話しをすると直ぐに何時ものバルバラに戻るから聞こうに聞けなかったけど・・・もしかして。


「・・・パンの差し入れが飽きた?」

「急に何を言い出すんです?」


突然の言葉にレイラはティリエスを心配そうに見てきたのでティリエスは慌てて弁解する。

「いや、今はバルバラの事を考えていたんです。最近彼女も元気ないなぁって、だからもしかしてパン飽きたのかなって。」

「なんでそんな発想になるんです?寧ろ喜んでもらってたじゃないですか?」

「だって、元気じゃないのに取り繕って誤魔化されるし、もしかしたらパンのバリエーションが飽きたのかもしれないじゃない、でもその事が言いにくいとか。」

「明らか食糧不足の教会の日々、極限の状態でそんなことを思いますかねぇ?」

「でも、ある意味いい事だわ。より良い食事を食べたいと思うは人の生きる欲よ!だから食文化は発展してきたのだしギリアだってそうでしょう?」

「あれは食に対してのバロメーターが振り切ってますけどねぇ。」


久しぶりに領地に居る彼を思い出す。

皆に会いたいなぁ・・・。

ほんの少しだけセンチメンタルになったティリエスはそれを振り切るように首を横振る。


こういう時こそ美味しいご飯作ろう!きっと何か解決策があるはず!


「仕方ないので今日は帰りましょうか「そうしてくれると助かりますねぇ」・・・・ぎゃ!むぐっ!」

背後から急に声がしたので思わず悲鳴を上げたティリエスだったが誰かに手で塞がれる。

こんな風に驚かすのは・・・。

「むぐー!(オーガさん!)」

見上げると、案の定糸目の顔がそこにあり抗議をしようとしたが、彼は気にする事なくにっこりと笑っているだけだ。

「ティリエス嬢、早速ですが食事を用意してくださいませんか?彼が帰ってきたので。」

彼?・・・あ。

そう言われて1人心当たりがある人物に、ティリエスは頷いた。


「むぐー(でも、さっさと手を離して欲しいんですけど?)」

ティリエスの言葉を理解しているのかしていないのか面白そうにしている彼に、思わずジト目になった。





いつも読んでいただきありがとうございます。

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