私が聖女候補なんて世も末である。(同調しているモノは異分子を感じ取る事にピカイチである。そして即座に敵とみなされる。⑥)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は4/1(月)投稿予定です。以前から言ってました新作の件は次回投稿の際ご報告させて頂きます。よろしくお願いします。
「!おぉ、マルフェ司祭。大丈夫でしたかな?・・・おや?ティリエス様まで!」
「イーチャ司祭、悪いけど2人にもお茶をお願い。さぁ、好きな所に座って。」
マルフェに案内されたソファへ座り辺りを見渡す。
さすがここの教会の4階、上層部の人が出入りする階だけの事はある。落ち着いた部屋ではあるが置かれている家具は良い物が置かれている。
ティリエスは衣装に気をつけながらソファに座り、そのソファの柔らかさにホッと息をついた。
レイラもまたそのまま何も言わずティリエスの隣に座る。
「ん?・・・いや、レイラ何してるの?」
「消毒です、消毒。」
いや、消毒ってなんだ?消毒って・・・。
一息ついていた矢先、急に自分の手を掴んだレイラが持っていたハンカチで自分の手をゴシゴシ拭き始めたので思わず聞くとよく分からない返答をされた。
「僕は別に汚れていないんだけど。君の家のメイドは他人に厳しくない?」
レイラの意図が分かったのか苦笑いでマルフェは自分達の向かいにあるソファに座る。
マルフェの言葉を聞いてたレイラはフンッと鼻を鳴らす。
レイラの態度に思わず呆れそうになったが、ふとマルフェの言った言葉にティリエスはマルフェの方を向く。
「その言葉だと私の家のメイドと交流が?」
「いいや違うよ。君が生まれた時に君の家に訪問したことがあったんだよ。要件を言ったのは別の司祭だったから僕はただ付き添っただけという立場だったんだけど・・・まぁ案の定その司祭が君のお父上の逆鱗にふれて問答無用で追い出された。その時の周りの従者達が冷ややかに僕達を見るんだもの、傍観者だったけどあれはさすがに怖かったなぁ。まるで汚物を見ている目だったよ。」
「汚物・・・。」
皆あんなに穏和な人なのに?
にわかには信じられないなそんなことを言われてもなぁ・・・。
昔からいる古株の従者達を思い出し、もうすぐ6年経つが自分と話している時や接している時はそんな態度を一度も見たことがないのでピンと来なかったティリエスは首を傾げる。
眉間に皺を寄せて考え込んでいたティリエスを見てかマルフェは否定し手を横に振る。
「あぁ、違うよ。逆に褒めているんだ。それだけ君達家族を大切に思いそして忠誠心が強い。そんな人達があんな態度をとるのは当たり前だと思うし、それに、あの時あんな風に押し掛けたこちらが完璧に悪いしね。」
昔の事を思い出したのか小さくため息を吐くマルフェに、恐らくちょこちょこ耳にしてきた、聖母だの何だのといった今回の一連に関する事何だろうが、両親側ではなく教会側の人間でさえ呆れる態度を見せることになったそれは、一体どんな風に押しかけたのだろうかと気になり聞きたかったが、聞いてて不快になりそうな予感もすると、掘り起こしても良い事は無いだろうと思い直しティリエスは黙り込んだ。
「あの時は報告しか見聞きしなかったが本当にご夫妻には申し訳ないことをしたもんじゃ。」
いつの間にかこちらへ来ていたイーチャが口をこぼしティリエスは彼の方をみた。
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