表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
515/693

私が聖女候補なんて世も末である。(その行いは美徳だろうが己の意思がなければそれはただの苦行である。㉝)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/18(火)投稿予定です。

まだ本調子では無いですが、なんだか夢の中で兄弟に「書きたい話しの小説はいつ書くの?」と質問される夢を見たんですけど・・・現実な話し忙しいから手を出さない方がいいんだろうなぁと思ったんですけど、そろそろ執筆しようかなぁ・・・なんて考えてます。(詳細は次回にでも伝えられたらここでお知らせします。)


「まぁ!お嬢様。一体どこでそんな言葉を覚えてきたんです?レイラ悲しいですわ!」

「・・・・・・いや、全然貴方悲しそうにしてないじゃありませんの。」

むしろ嬉々として笑っているじゃないか、嘘をつくなよ、嘘を。

「・・・ヨヨヨ。」

明らかな嘘泣きに棒読み・・・マジか、それで私が騙されるとでも?


シクシクと言って泣き姿を見せるレイラに呆れていると、バルバラの遠慮がちな声が聞こえそちらを見る。


「ティリエスさんはどうして贅沢を我慢することがその・・・呆れるんですか?」

バルバラの問いにティリエスはあぁそのことかとバルバラが未だ持っているバスケットの中身を見た。


「だって、贅沢が敵みたいな事を言うんですもの。それにこれは贅沢ではなくて貴女方がもらう当然の物なのよ。」

「え?」

「いい?バルバラ。別に私は神に使える身の上だろうが農家の出だろうが貴族の出だろうが、私はしっかり真っ当に働いて当然受け取り得られるものがあるのが当たり前なの。だから、本来であれば私はここの教会にいる皆全員がその対価をもらうべきだと思っているわ。」

「で、でも・・・見習いでも私は神に仕える身だから。」

「だから、あの食事と部屋を用意してもらっているから無償で毎日掃除をしてお祈りをしてルールに則って生活しているというの?それは違うわよ、きちんと働いているのだから保障はするのは当然だし大体あれだけの仕事していて給金もらえないのって普通におかしいわ。」

「一応愚問ですけど分かりやすくするため聞きますがこの教会の財源がひっ迫しているとかは?」

「レイラ、本当に愚問だわ。立派なステンドグラスに置かれている調度品や上の人間の部屋の内装をご覧になったでしょう?置いてある物ほとんどが見事な物ばかりでしたけど?」


彼ら司祭達から学ぶ為について行った階はどれも高いものばかりだった、なんなら最近買ったものまで置いてあった。たまたまお父様の書斎に用事があり置いてあったカタログを見たことがあったので大方の金額も分かっているから間違いない。


まぁ、最近経済の方も勉強し始めたせいか鑑定で相場の金額も見えるようになってきたんだよね。それでついつい調べちゃったからもあるんだけど・・・。


「バルバラ、貴女がそれが当たり前で今はピンと来ないかもしれないけど。・・・働く理由は色々あるわ、家族の為とか借金の為とか、自分以外の事で頑張らないといけない事の為とか。でもね、それだけの為だと自分に言い聞かせていると心が苦しくなるわ。だから、どんな物でもいいから自分を褒めるための少しのご褒美は日々の中で必要だと私は思いますわ。もし、貴女がそのバスケットの中身で嬉しいと自分にとっての小さなご褒美だと思ってくれたら私は嬉しいですわ。」

「・・・正直、私にはなんだか難しい話しです。でも、ティリエスさんは私がこのバスケットの中身を貰うのは当然の事、なんですね。」

「えぇ、貴女のおかげで私は恥をかかなくて済むもの。それにお休み中の時間をもらっているんですから、当たり前ですわ、逆にそれだけのことしか出来ないことに心苦しさを感じているのよ?」

ぽつりと漏らしバルバラにそう返すとバルバラはぎゅっと大事に抱え込む。

そして笑顔で顔を上げた。

「ありがとうございます!大事に食べます。」

「よかったわ。・・・レイラ、ではクリメンスさんの分を。」


そう言うとトントンと右肩を指で叩かれたのでレイラの方を見るとレイラがその人差し指で前を指差す。

そこには同じバスケットを抱えガツガツとお菓子を食べているクリメンスの姿があった。

「既に差し上げて召し上がってますよ。」

「・・・・・・・・。」


なんとも言えない雰囲気を察したバルバラが何度もすみませんと頭を下げる。


・・・いや、別にいいんだけどね。いいんだよ・・・うん。

バルバラを制止ながらティリエスは心の中でしょっぱい顔になっていた。


いつも読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ