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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
505/693

私が聖女候補なんて世も末である。(その行いは美徳だろうが己の意思がなければそれはただの苦行である。㉓)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は2/14(水)投稿予定です。

→2/14追記  すみませんが体調を崩し、投稿時間帯を本日夜へ変更させていただきます。申し訳ありません。




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「・・・え?私が出迎え・・・ですか?」

「えぇ、聖女様が明後日ここへ来る予定なのだけど、お願いできないかしら?」


バルバラという少女とたまにこっそり交流しつつも息の詰まる日常を送る、その日常にも慣れつつある頃。


ティリエスは何時ものように、聖女にまつわる教えについて長い話しを聞き終えた後食堂で一休みしていると、微笑みを浮かべながらエルパがやって来たのである。

いつもと様子がどうも違う様子が見え隠れするエルパに対しティリエスは嫌な予感をしていた。

そして冒頭の言葉で案の定、彼女にとって厄介事であった。


「あの・・・聖女様って教会の中でとても崇高高い方ですよね?そんな方を私が出迎えるって・・・どういうことですか?」

エルパのお願い事に困惑し、思わず隣にいたレイラに目を向けるとレイラがエルパに対し、口を開く。


「お嬢様がここへ来て間も無いのに、聖女様へ対応など・・・正直申し上げて難しいと思いますが?ようやくここの生活に慣れ始めたお嬢様に負荷をかけるような事をさせるとは感心しませんわ。それに、そのような対応ならここで顔の広いエルパ様か司祭達の対応ではございませんか?」


そうだそうだ!もうすぐ6歳児の幼女にさせる仕事じゃ無いだろう!もっと言ってやれ!正論ぶつけてやれ!


やりたくないのでレイラを心の中で応援していると、エルパは一度顔を覆い、今度は困った表情で自分の頬に手をやる。


「えぇ勿論、本来なら私のような教会の者が出迎えないといけないんですけど。実は司祭様から言付けを言われましてね。その日はどうしても難しいのです。他の司祭達同様にです。かといって神父や修道女の位での出迎えは聖女様の失礼にあたります・・・ですから、聖女候補という肩書きのあるティリエス様、貴女だと角が立ちませんの。どうか、私達を助けては下さいませんか?」


えー・・・本当にしなきゃいけないのぉ?

・・・声を大にして言いたい!嫌に決まってますよ!何でですか!マジで嫌です!!


・・・って言えればいいんですけどねぇ。


「えっと、その私にそれが務まるのでしょうか?」


悲しいかな、今の立場上、変に反感買って行動しにくくなるのは避けたいので言えないよねぇ。


ティリエスの意図を理解したレイラは、嫌そうな顔を見せるだけでそれ以上何も言わずエルパの方を見る。

エルパはティリエスの言葉に唸りながら顔を覆った後、ガバッとティリエスの手を満笑で握りしめる。


「大丈夫ですわ!ちゃんとこちらから修道女数人補佐をお付けしますし!どうかお願いします!」

「・・・はぁ、まぁレイラやオーガさんも一緒に対応しても宜しければ、何とか務めを果たしますわ。」

「ありがとうございます!流石ティリエス様ですわね!勿論、こちらからお願いしますもの!お二人もティリエス様のお手伝いをお願いしたいです!」


・・・よっぽど困っていたんですかねぇ?

そうなんでしょうね・・・。


年相応よりキャッキャッと喜ぶ彼女に2人は目配らせ会話をする。

彼女を冷めた目で見ていると彼女を呼ぶ修道女の声で彼女は我に返ったのかはしゃぐのを止めたが、それでもよほど笑みを止めることはなかった。


「呼ばれたわ、ではティリエス様!細かいことは後でお伝えするわね!」

「え?エルパ様?!・・・行ってしまいましたね。あの人いつも思いますけど表情豊かですわねぇ。」


ここの人達を見ていると彼女のコロコロ変わる表情はよく目立つな。


「しかし良かったんですか?引き受けて。」

「仕方ありませんわ頼まれてしまったんですもの。でも、ここの教会の偉い方々の急な言付けって何でしょうね?」


ティリエスの言葉を聞きながらレイラはチラリと横を見やる。


こちらを数人の修道女が見ていることに気がつく。


「・・・さぁ、案外派閥の事でお迎えをしたくないのかも知れませんよ。それより早くオーガさんにこのことを伝えませんと、時間もありませんし彼の助力も必要です。」

「それもそうですね。・・・確か今は礼拝室でしたね、行きましょう。」


ティリエスも頷き2人はオーガのいる礼拝室へ足を運ぶ。

レイラはふと足を止まらせ振り返り、もう一度こちらを見ていた修道女達を見たが、未だ彼女達はこちらを見ているが追ってくることはない事を確認する。


「どうしたのレイラ?」

「・・・いえ、何でもありません。気のせいでした。」


それだけ言って、レイラは振り返るのをやめ足を進めティリエスへついて行った。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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