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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
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私が聖女候補なんて世も末である。(その行いは美徳だろうが己の意思がなければそれはただの苦行である。⑰)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/31(水)投稿予定です。



オーガの為に薬を調合し、彼に錠剤薬を渡すと本来の部屋へと戻っていった。彼にしてはあっさりとした退場に内心身構えていたティリエスは拍子抜ける。


彼が詮索することなく早々に退場した事、恐らくは私との約束を反故にしないという意思表示だろう。


口約束だし後で反故にしたところで私には彼を罰則することなど出来ない状況下なのに・・・。さっき言われた事でモヤモヤイラァッとしたから、解消する為に薬草に八つ当たりしちゃったわ。


なんか・・・ごめんね。多分強めにすり潰したから結構苦いと思うけど、効能はバッチリだから。


薬を飲んだ後苦い顔をする彼を想像して出ていったオーガに心の中で手を合わせながら、ティリエスは料理のストックの為にキッチンの方へと踵を返した。



ーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー


ーーーーー



具が少ないスープ(薄味 毒草入り)→具材の少ないスープ。中には中毒性のある毒草マジルが混じっている。マジルは一時的に多幸感が得られるが副作用として意識の混濁・頭痛・吐き気を催し徐々に身体に影響を受ける。また、再び食べると症状が緩和されるため中毒性は強い毒草。少し独特な味と苦味があるので動物は好んで食べようとはしない。高い山に生息している事が多い。



・・・本当だこれ毒入りじゃないか。しかも殆ど毒の事しか説明がない、スープ事なんて一行だけしか説明がないぞ?おかしくないか?もしかしてスープより毒素の方が量多いって事じゃないの??いや、そんな事より動物が食べないもの・・・私、食べてたんだけど?


「ね?言った通りでしょう?」

鑑定するように勧められた翌朝、早速朝食を鑑定しているティリエスに目の前に座るオーガはこそっと伝えると何事もないように食事をする。その量はティリエスより少し少なめな量だった。

村での出来事もあってここでは彼は小食を通すつもりらしい、拠点でご飯の不自由はないし懸命な判断である。


くそ、知っていれば私も小食を通すのに・・・今更無理じゃんか。


自分の技量(スキル)で無毒化にするので自分の身体には問題ないということは分かりきってはいるが、不思議なもので、知ってしまった後食べると苦味をより酷く感じる。


苦々しい顔で咀嚼して飲み込むティリエスにレイラはお茶を差し出しながら、オーガの方を見やる。


「そういえば、まだあの司祭と対峙したことはないのですが・・・えぇっと名前は何でしたでしょうか?」

「あぁ、ブジョラ司祭の事ですか?確か彼には私もまだお会いできていませんので確認をしたんですが、どうやら彼は今不在のようですよ?」

「え?不在だったんですか?」


思ってもみなかった事実にティリエスはスプーンで掬っていたスープを器に戻し、オーガに聞き返す。

「どうやら、教会の徴収に行っていたみたいで。それで今回の聖女訪問ですよ。」


何がそれで聖女訪問なのかよくわからないティリエスとレイラはそれぞれ首を傾げているとオーガは空になったスープの皿を横に置き直す。


「教会は一枚岩ではありません。それに寄付金などで一番貢献しているアメジスト商会の後ろ盾である公爵家に対し不躾な態度をしてしまってますからねぇ、穏便派と中立派は危惧したんでしょうブジョラ司祭は過激派だそうですし。そこで現聖女を派遣してティリエスお嬢様にその才はあるのかどうか判断していただくということになったようですよ。それに伴い、何人か彼とは違う派閥の人間が来るみたいですから、ブジョラ司祭はやりにくくなるでしょうねぇ。」


いつも読んでいただきありがとうございます。

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