私が聖女候補なんて世も末である。(その行いは美徳だろうが己の意思がなければそれはただの苦行である。⑪)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は1/17(水)投稿予定です。
神の教えとはだの聖女としての世界の役割だのと、無愛想な神父様から教えを説かれ、開放されたのは昼食が終わるギリギリだった。
出されたものも、相変わらず質素な食事で味などほぼ皆無なものばかりであったが時間がなかったので、それらを流し込むようにして食事を食べ終えた。
時折少しだけ苦みがあったがまぁ多少自分に合わないものが入っていたとしても技量【異常状態無効】がセットされているので例えば猛毒やら意識が混濁する食べ物を与えられようが私の身体には全く影響は受けない。何なら食べ終わり生き物であれば当然の生理現象・・・まぁ言い難い事だが、つまり私の消化器官と通して外へ出したものを見るに身体を通して異常性な物資は無力化している、当に最強浄化装置のような身体である。
だからといってギリアみたいに味が気になるからと率先して食べたいとかそんな事は思わないが。
食事が終わった後は礼拝堂で修道女達と祈りをささげる時間でこれまた食事の後なので苦痛な時間であった。
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「お嬢様ぁ、早くも3日も経ちましたけど心境はどうです?」
「・・・・・・苦痛ですわ。」
拠点ではない自室の机にうつ伏せになり絞り出すように言ったティリエスはその後大きなため息をするとのっそりと顔を上げる。
きちんとここで3食も食べ、拠点でも甘味や夜食と称した4食目を食べているので太っても良いはずなのに若干痩せたように思える自分の頬に頬杖をつく。
「私、ストレスのせいで食べても太らないなんて事実、知りたくありませんでしたわー。」
「相当参ってますねぇ・・・もうここ潰してもよろしいのでは?」
そう、こうやって毎回悪魔の囁きみたいにそれ言ってくるのもストレスなんだけどね・・・それに乗っかってしまいそうで。
「ダメですわよ、そんな事をすればお父様達にご迷惑がかかってしまいますわ。」
「チッ。」
綺麗なお姉さんの姿で舌打ちしない。全く・・・。
「レイラ、それで調べて見てどうだったんですの?」
話題を変えるためにティリエスはそう言うといつの間にかどこで仕入れたのかナイフを使って爪をヤスリのように整えているレイラが自分の爪をかざし見ながら口を開く。
「可能な範囲で調べましたが・・・、普通の教会のように見えますねぇ。」
「これが普通・・・。」
教会の皆さんこれが普通で大丈夫か?
「見てくることが出来た部屋は、の話しですが。」
「どういうこと?」
「部屋数は把握してませんが、大体3割程度調べましたがその部屋は表向きなのかわかりませんが変わっているところはありませんでした。ですが、人間は変ですねぇ。特に修道女達の女共、変な統率が取れているが傭兵かなんかか?」
「でも・・・身体能力を見ると普通に思えましたけど。」
テキパキ行動はしていたが、その中でも躓く人もいればこける人もいた事を思い出しティリエスはそう言い返すと「そう思いますよねぇ。」とレイラも同様だと頷く。
「でもちぐはぐで奇妙なんですよねぇ・・・あ、後もう一つ。」
「なんですか?」
「どうやら2週間後に来るみたいですよ、現聖女と言われている女が。」
レイラはナイフを机に突き刺しながらそう言い放った。
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