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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第7章〜教会編〜
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私が聖女候補なんて世も末である。(敵地へ赴く為とはいえ、我々は世にも恐ろしいモノを生み出してしまった。⑥)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は12/4(月)投稿予定です。


体格の良い男がピチピチに近いメイド服の装いなど存在が爆弾そのもの、目の暴力である。

辛うじてシックで落ち着いた色合いの服装だったお陰とスカートがティキ達正規の侍女より足首まであるロングスカートなのが救いである。

もしこれが例えば王城のように可愛らしい色合いのメイド服でスカートが膝上の丈であったなら、今頃発狂しているレベルである。


頭に白いヒラヒラカチューシャしてるし・・・何、何が起こっている?


思わずレイの姿を頭から爪先までじっと見つめる・・・どれだけ見てもいつの間にか姿勢を正し女装したレイがそこに立っていた。


恥ずかしいからか知らないが見つめられてポッと頬を赤らめるのはやめてほしい、そして身体をくねらせないで・・・反応に困るし、気を緩めたら腹筋崩壊しそうになる。

いや、自分で着てきたんだよね?私悪くなくないか?

まぁでもそうか、ようやく分かったわこの違和感。


道理でさっきから潮らしい声色で妙に女性的な物言いだと寝ぼけ頭で違和感を感じていたが女装をしていたからだと合点がいく。

ただ・・・どうして女装をしているのか、それである。


え・・・どうしよう、とうとう気でも触れた?


主人として奇行に走ったように見える彼に対し、真面目にレイの心配をしているとティキの遠慮がちな声が聞こえティリエスはティキの方を向くと困惑している彼女と目が合った。


「あのお嬢様、レイ()さんが一体どうされたんですか?それにお嬢様が驚くほど別におかしな格好でもないと私は思うのですけど・・・。」

「レ」


レイラさん?・・・って誰?


思わず固まったままティキを見つめているとここで私の様子がおかしいことに気が付き、すぐさまレイから距離を取り臨時体制に入った。

「貴女、何者です?」


睨みつけて見ているティキにレイが不敵に笑っていると、ノックと共に誰かが入ってきた。

「え?何々?どういう状況?」

グリップとシナウスが入って来て早々グリップは今のこの状況に困惑しているとシナウスはやっぱりという表情でこちらを見ていた。


「レイさん、残念ですけどお嬢様には通じてないみたいですね。」

「反応を見る限りそうだろうな。」


いつもの口調に戻ったレイと、目の前の人物が誰なのか理解したティキは目を丸くし、グリップはどこか感心したように感嘆する。


「へぇ、やっぱりレンレンなんだね〜、全然見えないや。」

「嘘ですよね?!この人があのレイ先輩なんですか?!」

「・・・シナウス、一体これはどういう事か説明してもらえます?」

「えぇ、勿論です姉様。」

シナウスはどうして彼がこんなことになったのか説明を始めた。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーー


ーー



「成程。つまりお父様が私が今度教会に行く間の侍女を1人つける人材としてレイをこうした、と。」

「えぇ、今回姉様の護衛兼お世話ができる人を置くのにあちらの条件が女性限定と言われてしまい、どうしようか考えていたそうなんですが、このようにレイさんがその役を引き受ける形になったんです。」

「・・・それで、グリップやティキにはレイが女性に見えるんですね?」

「うん、すげぇグラマラスな綺麗な女の人。」

「ちょっとグリップさんっ!」


ポカポカとグリップの胸を叩きながら彼の言葉にティキの顔が赤くなるのを見て、ティリエスは納得する。

レイは自分の魔法で幻影を作り出し今現在彼は周りから女性として認識されているらしい・・・何故か私だけ男のレイがあの格好をしているしか見えないが。


疑問に思っているとシナウスがそれに気がついて口を開く。


「それはきっと姉様の魔力が高くて幻影の魔法が通じないんでしょうね、なんとなくそうなりそうな気はしてました。」

「そっか術者より高い魔力保有者は効かないんだっけ・・・それはそうとシナウスはどう見えているの?貴方もこの世界の住人からみて随分高い方だと思うけど。」

「僕自身も魔力量は多い方ですが、それでもほぼ女性に見えます。ですが、本来のレイさんのシルエットが時折重なって見える時がありますね。アドルフ様も似たように見えるのか最後ギリギリまで今回の件でレイさんを使うか悩んでいらっしゃいました。」


成程・・・私だけこれなんだ、というかそうなるとレイってどれだけ魔力量持っているんだろう?


そう思いながらレイを見ているとレイは何を思ったのか何か閃いたような顔を見せた後にっこりと笑う。


「大丈夫ですよお嬢様、普段からないムダ毛も今回のことで念入りに除去しましたからよりツルツルで毛はよりありませんよ。」

よかったらご覧になります?とそう言って、スカートをたくし上げようとして脚を見せようとするレイにグリップはすぐさま静止する。


「やめてレンレン!ティキちゃんにそんなもの見せないでよ!いくら女に見えても変態だよ!!」


主人である私はいいのかよ!


ティキだけに両手で目を覆い隠して見せないグリップに思わず心の中で突っ込んだ。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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