戦と聞けば武器であるが女の戦と聞けば戦闘服である(友達100人とは言わないがお友達欲しいとは思う㉟)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は9/8(金)投稿予定です。
突然何を言い出すんだとティリエスがジロリとアステリアの方を見やるが、突然言い出したアステリアはどこ吹く風で涼しげにお茶を飲む。
そこから彼女の動揺も焦りも何もない様子に彼女の中では今言ったことは既に決定事項となっているのだと瞬時に悟る。
だが、だからと言ってそうすんなりはいそうですかと返事はできない。何故なら院生に上がるという事は自分の今後の人生に大きく関わる、それに院生というからには何かしら突飛した才を見せなくてはいけない。
品行方向性は兎も角勉学頑張らないといけないのは・・・いや~やだなー、何とか断れないかなその役目。
「貴女の思っていることは分かっているわよ。」
アステリアの言葉に思わずギクッと反応する。
彼女の方を見ると相変わらず涼しげでこちらを見つめていた。
「目立つのを避けたい、それに状況からすれば貴女の自由な時間は学園に入れば普通以上に削られるのは必然だわ。貴女は何事にも完璧を目指す、それを私は昔から知っているしそして貴女の目標に沿わない勉学はただの苦痛にしかならないでしょう。」
「そこまで分かっていて、それを押し付け・・・お願いするということはそれだけ今後のことに左右されかねない事態ということなんですよね?」
ここまで有無を言わさないお願い事のその意味を分かった上で聞いているとティリエスは暗に彼女に告げる。
アステリアはティリエスの言葉を聞いてにっこりと笑みを浮かべた後、急に真顔になる。
「それが分かっててなんで貴女は断ろうとするのかしら・・・たまに不思議に思うのよね。」
「いやぁ・・・本当に嫌なものは嫌と言える人間だからね。特に身内には。」
譲歩はするよ?でも嫌なことは嫌って言うもんね。
そんなティリエスにアステリアは小さくため息を吐く。
「まぁ・・・黙ったまま不満を抱えられるのは嫌だからそれでいいのだけど。でも、だからといって貴女の希望を沿うことは今回は出来ないの。」
「・・・主人公という子の接触ですか・・・。」
「事件が起きようが起きまいが彼女の動向を注視する必要はあるの。私が介入できれば良かったのだけれど、私は院生に上がれないの。卒業後公務を任される、だから貴女に頼むしかない。」
「それもそうだよねぇ・・・。」
事情を知り、権力もあって能力も他の人よりどうとにでも出来る人物なんて私ぐらいだし。何ならレイ達という協力者もいる。
「・・・いいわ、まだ先の事だしそのあたりはおいおい話し合いましょう。でも、今以上に協力者が増えたとしても貴女以上の適任者はいないわ。」
「・・・・それも分かっているからすぐに断れないんだよね。でも、ちょっとだけ考えさせて欲しいです。」
いやいや手を上げながらそう告げる私にアステリアは頷く。
「分かっている。まぁそれまでに貴女のモチベーションが上がるように私も努力するわ。」
「へぇ?例えばどんな?」
ちょっとやそっとじゃ私の心はぐらつきませんよアステリアさん。
「もし、貴女が院生に上がれば弟達と一緒に学園生活送れるように何かしらの斡旋は今からかけるわよ。合同行事に委員会での共同作業出来るようにね。」
「・・・へ、へ〜・・・そんなことも出来るんですねぇ。」
・・・ティリエスちゃんぐらついたな。
姉様グラつきましたね。
お嬢様、なんて可愛らしい!
今でさえ弟君と一緒に居れない、そりゃぐらつきますよネェ・・・でも妬けますねぇ?
彼女のひくついた口の端を見て4人の従者は心の中で呟いた。
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