戦と聞けば武器であるが女の戦と聞けば戦闘服である(友達100人とは言わないがお友達欲しいとは思う㉙)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/25(金)投稿予定です。
精神魔法ーーー。
一時期危険視された魔法であり、原則使用を禁じられた魔法で現在はその魔法の存在と対処法を座学で教えられる程度の魔法だ。でももし本当にそれを使用したというなら恐らく第二夫人か、彼女を支援していた誰かとなるが・・・。
「使用した可能性はあると思います。」
ティキの言葉に誰もが彼女を見る。
表情を変えず彼女は言葉を続ける。
「第二夫人の存在は私が幼少期の頃にバカスと何度も面会してました。彼は人には言えない商売をしていましたし、誰かを介して品を運んでいるのも見てますから、恐らくはそこから何か魔法道具か魔法の使える人間を寄越したかもしれません。」
彼女を縛りつけた人間の名を聞いたティリエスは、淡々と話しているティキにだったが少し心配になったが彼女はティリエスに向けて大丈夫と言わんばかりの笑みをこぼす。
黙って聞いていたアレスはじっと彼女を見つめたままお茶を一口飲む。
「髪で隠しているけど・・・その耳、君はエルフ?」
「はい、正確にはハーフエルフです。」
「そう・・・ふーん、まぁそれはどうでもいいや。それなら精神魔法、ボクはあんまり詳しくないから聞くけどそれを使っている可能性があったとして効かなかった人間がいるのは何でなの?」
ティキからシナウスへ話しを振ったアレスはシナウスの方を見る。彼は一度目をぱちくりさせたがすぐに彼の言った事について考える。
「精神魔法は全員が均等にかかるわけではありません。精神の弱いものにはかかりやすいのが特徴ですから、意志の強い者、不安が無い者にはかかりにくとされています。あとは単純に魔力量が多い者はかけられても無意識に護ると言われていますのでそういう方にもかかりにくいです。アレス様も閣下もそれらに該当するんでしょう。」
成程なぁ・・・つまり、私は魔力量が多いからかかりにくい・・・いやもしかしたらかからないかもね、自分の技量で無効系結構あるし。
ティリエスは真顔でそんなことを思っていると、アレスの納得しているようなしていないような生返事が聞こえた。
「もしそうなら、もうちょっと対策しないとか・・・あとで言っとくか。」
そりゃそうだよねぇ、もしかしたら内通者とかいるかもだし。
「その方がよろしいでしょうね・・・それで、話しを戻しますがその事情を聞いた私から言わせればどうにかした方が良いと考えるんですけど。」
「え?嘘でしょ?本気?今包み隠さずボク言ったよね?ぶっちゃけ君を利用しようとしているって。そんな奴らに手を貸すの?ありえないんだけど。」
えらいマシンガントーク・・・というか一番アレス卿が否定的だな、何で?騎士側の人間なのに・・・。
さらに言えば心底大丈夫か?みたいな顔してるし・・・解せぬ。
自分の従者達よりアレスの否定の態度に思わずため息が出る。
「私というより私を介して家を利用したいということでしたら、きっとお父様が後で線引きすると思うんですけど。でも結局はそうならないでしょうね。騎士の後ろ盾をすれば軍事関係で私の家が全て介入する事になるので、そのあたりで他の人間からストップはかかりそうですけど。」
だとすると・・・東と西の公爵らが妥当なような気もするけど・・・ん?そういえば今度こっちに来るーーー。
「あ!」
ティリエスは何か閃き声が漏れる。
「アレス卿、もしかしたら後ろ盾の件で私以外の家での支援が出来るかもしれません。」
「え?本当?」
「えぇ、ただ少し時間がかかると思いますけど。」
ティリエスの言葉にアレスは首を傾げた。
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