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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~
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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。⑧)

切りの良い所で終わりたかったので今回少し短めです。




私が生まれてから今まで真夜中になると私の部屋に幽霊達がやって来ては、例の魔力操作で気絶するという事を相変わらず行い、そして未だに幽霊の正体を確認できないでいる。



勿論怖いからだ。だってホラーものの映画でなけなしの勇気振り絞っていざ確認してみようを試みたらそれ以上のしっぺ返しくらったっていうパターンを知ってしまっているから余計確認できず今に至っている。


ただ私だってあれから成長している、幽霊達の行動を聞き耳立てているうちに分かったことがいくつかある。


まず、彼らは私が1人の時じゃないと現れない。


これは以前にアイルお兄様に頼んで一緒に寝て貰った時に分かっている・・・そいうえばあの時、大分お父様渋ってたな・・・まぁ、それはいいか。


次に彼らは月の満ち欠けに影響されている。

どうしてなのかよくは分からないが、彼らは新月、繊月(せんげつ)や若月といった三日月の時や下弦後の三日月、つまり有明の月と30日目の月である三十月(みそかづき)の日には彼らは現れない。

そしてそれ以外の月上弦の月である弓張り月(ゆみはりづき)から満月、下弦の月である下の弓張り(しものゆみはり)までの夜に彼らは現れる。

さらにより条件を当てはめると月が出ない雨の日曇天な夜も彼らは現れないのでやはり月に左右されているようだ。


そして、最後。

彼らはありえない場所から現れるという事。

それは私の部屋の北の壁から現れる・・・絶対扉がないのに。



マジか・・・幽霊ずるいよ障害ないじゃないか!予想通りだけど物理でどうこう不可能じゃないか!

この事実が分かった瞬間、私は落ち着くまでいつもより魔力操作をめちゃくちゃ頑張りました。

お陰で2属性の同時扱いから3属性の同時扱いが出来るようになったので結果良しということで言い聞かせた。


今まで一度も危害を加えられたことも何かしらされたこともない幽霊達だが、まぁそれでも得体がしれないし、何よりあれだけ泣かれてたのに最近は何が楽しいのかクスクス笑い始めたもんだから・・・・それはそれで怖いし。

だから、もしかしたらお供えしたら成仏してくれんじゃないだろうか?とふと思ったのだ。


今は新月。

残念ながらすぐにお供え作戦は出来ない。

できれば、お兄様が滞在中に試みたいがそれまでに帰るから・・・まぁ仕方ない。

でもいい加減、ずっと逃げ続けるわけにもいかないだろう。



「それじゃぁ、ティリー。お母様はお父様が帰ってくるまでに今の仕事を終わらせてしまうわね。」

「はい、お母様。お仕事頑張ってください。」


いつもよりささっと部屋から出ていった母を見送り、残ったのは私とアイルお兄様だけとなった。

お兄様を見れば、ほんわかと幸せそうに笑っている。


そんな彼をみてにへらと笑った。

やべー癒されるぅ・・・とそう思っていたら急にがしっとお兄様に手を掴まれ私は目をぱちくりする。

急にどうしたお兄様。


アイルは笑顔を見せながら私の方にズィっと近寄ってきた。


なんだろうか・・・なんか、圧を感じる?


「ねぇ、ティリー。」

「?はいなんでしょうか?」


ニコニコとしてアイルは私をじっと見ている・・・笑っているがそれだけじゃないような・・・でも、私にとっては何かこの感じ懐かしいような・・・う~ん、どこで体験したっけ。



アイルから発せられる何かを感じ取って私はぼんやりと考える。

別に・・・何か嫌な感じではなく、そう相手が何かお願いするような・・・・あ。


ぱちんっと、私はあることを思い出して私の思考がクリアになる。

そうだ、この感じ・・・。


そう思っているとアイルがニコニコを笑ったまま口を開いた。

「ティリー、今度はお肉の方で何か美味しくする方法のレシピ解読してないかな?僕、もっと美味しい料理食べてみたい。」


前世で社長に能力並みかそれ以上の企画書お願いされた時の感覚そっくりだっ!


ニコニコと笑うお兄様の背後に前世の社長を感じ取る。

そう、自分より存在があり地位がある上司の・・・有無を言わせないお願い事。


「ねぇ・・・ティリー何か無いかな?」

「うーん・・・そうですね。」


出来ればアイルお兄様のお願いにはできれば答えてあげたい。・・・でも、そんなにほいほい新しいものを開発してしまったら悪目立ちしないだろうか・・・?


断るべきか

それとも承諾するべきか


私が悩んでいると、アイルが私の頬をそっと手に添えてきたので私は思わず顔を上げて彼を見つめる。


「ティリー、ティリーだって美味しいもの食べたくない?」

「・・・う。」

彼の憂いた顔に思わず承諾するほうの天秤がぐらりと傾く。

そんな私の心境を知ってか知らずか、彼は私にとどめの一言を言った。


「僕は食べたい。・・・それに、父上やおじ様に美味しいお肉食べてもらいたくな「やりましょう、お兄様。手伝ってくださいな。」」


そう言い切った私に、彼はまた天使の微笑みをみせたのだった。





いつも読んで頂きありがとうございます。


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