戦と聞けば武器であるが女の戦と聞けば戦闘服である(友達100人とは言わないがお友達欲しいとは思う⑨)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は7/3(月)投稿予定です。
一瞬、2人の間に静寂が広がり互いに見合わせたまま固まっていた・・・が、先にティリエスが首を横に勢いよく振った。
「ないないない!そんなまさか!あり得ないですわ!」
ティリエスは自分とシナウスの行き着いた言葉に真っ向から否定する。
ダンジョンの存在を知らないなんて、そんなことは無いだろうだって。
「そんな単純なことを騎士の人達が理解していないなんて普通にあり得ませんわ。魔物が群れで行動することやましてや根城があるなんて予想、普通の獣の習性でもみれば分かることですよ?」
ティリエスが否定する理由はまさにそれだ。
こんな分かりきったことを騎士達が理解していないわけないと。
シナウスもそれを聞いて確かにと口にする。
「確かにそうです・・・でも、それなら何故オーガ殿もあのような反応だったのでしょうか?ダンジョンを見つけ、その中に希少な魔物を討伐すれば一攫千金なんて夢じゃない・・・彼の性格上一番喜びそうな気がします。」
「・・・・・・・・・・・。」
金銀財宝をバックに怪しげに笑うオーガさんの姿・・・想像出来る!
「それは・・・そう・・・ですけど。」
でも普通に考えてそんな事は無いと思うんだけどなぁ。
結論に渋る彼女の姿を見てシナウスは更に畳み掛けるように言葉を続ける。
「それに、魔塔で保管してある魔物から採取した素材を鑑定した事がありましたけど、殆どが粗悪品に近いモノでしたし、知っていたら討伐編成するなり採取しに行きますよね姉様の大叔父様の性格だと・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
様々な素材をバックに無邪気に笑うディオス大叔父様の姿・・・想像出来る!
可笑しい・・・反論したいけどシナウスの言われたことに物凄く、納得してる!
彼の言い分も尤もでティリエスも反論せず黙り込んだが、直ぐにティリエスは口を開く。
「でも、そうなるとあの人達に対して私、ちょっと思うことができてしまうんですけど・・・。」
おずおずとティリエスがそう言えばシナウスはにっこり微笑む。
「なら、確認しにいきましょう!丁度そこへ向かう予定なんですし!」
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「え?魔物の習性ですか?魔物って個体で彷徨いて生き物を見つければ構わず襲います・・・けど大丈夫ですよ!奴らがどんな存在か把握できていない部分があって心配なんでしょうが、何百年も前から魔物は出現が低い上単体がほとんどなのでそれほど脅威ではないのでご安心ください。」
・・・・本当に知らないみたいだね。
本当ですね。
早速2人が訪れたのはとある訓練場だった。
あの騎士の中でのゴタゴタが一段落し、43番隊改めて12番隊へ昇格し、そこの隊長を務めるダイナはティリエスの突然の質問に何の疑いもなく答える。
それでもしかしての気持ちがまぁ強いがそれでもまさかという気持ちで聞けば返ってきた言葉がこれである。
ティリエスは笑っている頬がつい歪みそうになり一瞬だけひくつかせた。
だってそうでしょ?何百年も同じなわけないのになんで誰も可能性を考えないの?!この国の人間は素直すぎか?!!っていうか勿体な!タダ同然でお金が稼げる絶好のチャンスを逃しているなんて!!勿体なさすぎる!!
危機感のなさ過ぎとチャンスを知らず知らずに棒に振っている事実にとうとうティリエスは内心荒ぶり心の声を大にして叫ぶ。
勿論、笑みを作っているので目の前にいるダイナは彼女の様子に気がつくことなく首を傾げた。
「でもなんでそんなことを聞かれたんですか?」
「いえ・・・最近、魔物の出現が多くなっているみたいということを耳にしたので、一体どんな存在か気になったんです。」
「そうだったんですね。確かに報告がちらほら出ていると聞いてますからね。」
ほら・・・やっぱり素直過ぎなんだよ。まぁそれは些細な事、そんなことより・・・。
ふとティリエスは魔物の話しを聞いて我に帰り、考え始める。
恐らくだが、単体で動いている魔物は斥候役なんだろう・・・そうなると魔物が増えてきたというのは・・・少し注視すべきことかもしれい。
「そういえば公女様、どうしてこちらへ?何か我々に用事があったのではないのですか?」
「・・・ん?あぁ!そうでしたわ。それでこちらへ伺ったんでしたわ!」
本来の目的を思い出しティリエスはダイナを見やる。
「実は閣下にあってお話ししたいんですが・・・どこで取り次いで貰えば良いのでしょう?」
いつも読んでいただきありがとうございます。