戦と聞けば武器であるが女の戦と聞けば戦闘服である(友達100人とは言わないがお友達欲しいとは思う③)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は6/19(月)投稿予定です。
「い、いやあの従者は貴女だから大人しいのであってそれは・・・。」
「え?」
アステリアの独り言を聞き取れずティリエスは聞き返したが何でもないと言うと完璧な笑みを浮かべたままアステリアは口を開く。
「そ、それはそうと、その子って確か魔獣の馬で言葉が理解できるっていう子だったよね?貴女がそんな顔をするということはそんなに凶暴なのかしら?」
「あぁううん、凶暴じゃないんだけど、何というか美やファッションに強く興味があって個性的な子だけど優しい子よ。今はこんな手紙を寄越すほどイライラしてるけどとっても良い子だわ。」
何だか早口で言われた気がするけど・・・まぁいっか、アステリアも別に普通にしているし。
何か引っ掛かる物言いではあるがティリエスは気にせずアステリアの方を見ると、彼女も目をキラキラさせてこちらを見ていた。
「へぇ、話しを聞いただけだけど何だか私と話しも気も合いそう。今度その子にもあってみたいわ。」
まぁ、会ったら会ったでちょっと大変な気もするけど・・・まぁアステリアだし大丈夫か!
自分の頬を指でポリポリと軽く掻きながら彼のマシンガントークの事を思い出したティリエスは一瞬彼女に言うか悩んだか気楽に考えて、話しが逸れつつあったので話題を戻す。
「ということは、アステリアの地位関係なく対等にものが言えて服の知識に精通した人材が欲しい。これであってる?」
「えぇ、王族が召し抱えたオーダーメイドしてくれる職人は居るけどどうしてもこちらが上として見られてし難いわ。それにどちらかというと伝統を重んじる傾向だから私のデザインを褒めることはあっても着手する気が無いのよ。」
話していてあの時のやり取りを思い出したのかはぁと呆れた溜息を吐いた。
「そんなに分かるんだったら相手に不満を少しは言ってもいいんじゃないの?」
「何言ってるのよ、私が不満を言えばすぐ相手はこうよ。」
そう言って自分の首に横一文字を見せ、「良くて舌が斬られるかよ。」と物騒な言葉も口にする。
これにはティリエスも顔を歪ませて彼女の地位の恐ろしさを改めて実感するが、貴族も市井の人から見れば似たようなものだということを思い出す。
本当、無駄に高い地位ってやり難いことあるよね。
でもそれがあって許されてる部分が大きいから仕方ないのかもしれないけど。あ、そういえば。
と、ティリエスはあることを思い出す。
「そういえばアステリア、今回アイルお兄様もこちらへ来られるんでしたわよね?」
この前の返事の手紙にそう書いてあったことを伝えると、アステリアも頷く。
「えぇ!来週にでもこちらへ来られると!あぁ!早くお会いしたいわ!」
喜びを隠すことなく言う親友の顔を見てティリエスもまた綻んだ笑みを浮かべる。
「私も会えるのは嬉しいですわ・・・、それに色々情報のすり合わせもしたいですし。」
アイルお兄様には学生生活をしてもらいつつこの先起こるかもしれない未来を阻止するためこの国の様々な事可能な範囲で情報を集めてもらっており、今度会う時はその話し合いをする予定を元々立てていた。アステリアもまた他国のことなど探りを入れてもらっているし一度起こった未来のことについても思い出してもらいながら今後起きる大きな事件などをまとめて貰っていた。勿論その間私の方でもご先祖様が対抗する術を記したというあの例の書物について解読を進めているのでそのことも話すつもりでいた。
正直解読らしい解読なんてできていないから少し不安を感じることもあるが・・・。
「まぁ・・・焦らず、着実に。ですわね。」
ティリエスはそう言って自分に言い聞かせた。
いつも読んでいただきありがとうございます。




