物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(パン職人を探せ!そして駆け落ちを阻止せよ!㊿と②)
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は5/15(月)投稿予定です。もうそろそろこの章も終われそう、毎回思いますが・・・長かった。
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彼女言葉を聞いてか、それとも独りで何日も考えた彼の決断なのか定かではないが、それから数日後彼らは今回の件から過去の事で芋づる式に問題が発覚しこれを機に問題を起こした騎士達は王立騎士団から重い罰則を受けると平騎士として再スタートとなった。
だが一部ゾルを含めた数人は王立騎士団を脱退し、自分達の領地である南の公爵領へと戻っていった。
それ以降ティリエスは彼らのその後について知らない。だがある人物から彼らは騎士ではなく街の治安部隊を設立し身近な頼られる者として活躍し助けているという話しが聞けるのはもう少し先の話である。
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「お嬢様、此方はどちらに?」
「えっと〜ではティキ、それはそちらの段にこれはこちらの段にお願い。」
「お嬢様、思ったより大人数なようですので皿の補充をしておきます。」
「ありがとうシナウス、お願い出来る?」
「公女様!」
「あれ?どうされたんですかダイナ卿まだお伝えした予定の時刻には早いですか?」
騎士の食堂のある一部屋を借り、慌ただしく用意しているティリエスの前に現れたダイナ卿は少しだけ申し訳無さそうにティリエスへ謝罪すると辺りを見渡す。
「ガサツという言葉が似合う場所がよくここまで変わりましたね。」
「皆さんのお陰ですわ。それにお店としての雰囲気を出したかったですし。」
まぁ、飾りはアステリアが殆ど頑張ってくれたんだけどね。私そういうの皆無なんで!
ブツブツ文句言いながらそれでもしてくれた彼女には後で美味しい物を提供しようと考えながらわざわざ時間をずらしてまでやって来た理由を問うと、周りの飾りに目を向けていたダイナはティリエスへと向き直すと騎士としての彼がそこに居た。
「あの後、ゾルから私達に正式な謝罪がありました。」
「・・・そうですか。」
「彼からは何も聞きませんでしたが、公女様が何かされたんでしょう?」
「断定な言い方ですね、どうして私と?」
「・・・何ででしょうかね、私はそんな気がしたんですよ。」
そう言うとニコッと何を考えているのか読めない笑みを浮かべられティリエスはほんの少しだけ面白くないなと思っているとダイナは話しを続けた。
「彼らは厳罰が終えたあとここを去るそうです。故郷に帰って独りで考えたいと・・・、正直まだ蟠りはありますがこれ以上彼らを追い詰めるようなことはしないつもりです。」
「ダイナ卿も他の方達も優しいですね。私でしたらほんの少し意地悪なことを言ってしまおうと考えてしまいますのに。」
「ハハハ・・・まぁ、まだ許していない気持ちも勿論ありますよ。でも、彼らの立場を考えれば少しですが理解はしているつもりでしたから。」
その言葉の意味にティリエスは思わず問い返そうと口を開いたが彼の顔を見て何も言わず口を閉ざす。
「・・・・そうですか。」
もう過ぎた事をわざわざ聞く必要もないだろう。
ティリエスの様子にダイナもまだ思い出したようにそういえばと言葉を漏らす。
「この前の会議で将軍達他の幹部が公女様によければ鍛錬しているところを順に見学して欲しいと言っておりました・・・おっと、これは言わない方が良かったみたいですね。」
ダイナは彼女のまるで面倒くさいと言わんばかりの表情に苦笑する。
「公女様でもそんな顔をするんですね?」
「何をおっしゃるんですか私5歳児の令嬢です嫌な顔を一つや二つ作りますよ。」
ティリエスはものすごく嫌そうな顔をしたまま時間がないので聞かなかったことにしますとそう告げた。
いつも読んでいただきありがとうございます。




