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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第5章〜王都生活編〜
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物語の主人公は新たな課題に頭を悩ませる。(パン職人を探せ!そして駆け落ちを阻止せよ!㉕)

いつも読んでいただきありがとうございます。次回は3/6(月)投稿予定です。



たまに突拍子もない事を言うグリップの言葉にはいつも驚かされることが多いが、今回の言葉にティリエスは思わず既にいない王都の騎士達がいた場所を思わず見やる。


え?メタメタ?メタメタって言ったよね?え?何してるの?


私はもう一度グリップを見つめる、彼が目を逸らしたのは私が思った以上に良い顔をしていなかっただろう。

目があった瞬間、まるで悪戯がバレた子供のような顔をしたのをティリエスは見逃さなかった。

「私に分かるように話してくださいますよね?」

「・・・・・・・・・・・・いや、別にたまたまだったんだよ?ホントに。」


暫く黙りこくっていたが観念してグリップは何があったのか話しだした。


彼らと討伐することになる数日前、つまり今から約2週間程前の事だ。グリップは毎日王城内で忙しそうにしているティリエスの傍を離れ、鍛錬場で他の騎士達と交え鍛錬を行っていた。

その頃のティリエスは王女と一緒に座学やマナーを学んでいたので王女の護衛と何より、彼女の隣にはほぼレイが控えていたので自分が離れても問題ないだろう

という判断でそのような日々を送っていたそんなある日の事だ。

グリップが何時ものように鍛錬をしていると見知った人間に声をかけられた。

前の職場であり、彼の実家でもあるメドイト家直属の騎士達が鍛錬場へやってきたのだ。

もちろん、グリップは誰かとわかるや否や彼らと談笑し、久しぶりの逢瀬に喜んだ。


様々な近況報告の中にどうやらルーザッファ公爵の領地で近々合同演習というものを行うようで張り切っているのだという話しをしていた際、とある一人がどうやら以前私が武具の扱いや鍛え方をアドバイスした人だったようで、私が領地に不在と聞き成果を見せられないことに残念だとそう漏らしていた。


すると、何処からか笑う声が聞こえた。


突然の笑い声になんだと皆がそちらを見れば鍛錬していた王都の騎士達があざ笑っている顔をみせていた。


それだけでも厭な奴らだなぁというのをグリップ達は思っていたが事を荒らげたくはなかったので黙っていたらしいのだがーーーー。


「まぁ、それだけですまなかったんだよね。」


思い出しため息を吐くグリップは話しを続けた。


その態度が面白くなかったのか、どうやらその後その騎士達は私の事を出して茶化して来た。


茶化して来た内容を、グリップは言葉を濁して言わなかったがただの公女に剣を教えてもらいましてや上達したなど正気ではないとか言われたのだろう。


茶化してきた内容にとうとうメドイドの騎士達もグリップも我慢できず喧嘩腰になり彼らと一戦交えることになった、というわけだ。


まぁ、彼らは市民には優しいし女性のことを悪く言わないから同じ騎士としてそういった態度を取る彼らが許せなかったんだろうと、ティリエスは話しを聞きながら当時の様子を想像してそう呟いた。


「それで、その時にティリエスちゃんに教えてもらって上達したそいつがその騎士達をコテンパンにしたんだよ。まぁ往生際の悪い奴らで、勝負ついた後襲いかかってきたから結局皆で素手でコテンパンにのしたってわけ。後で各隊長の耳に入って何かしらの罰が出たみたいだけどまぁこっちは何もお咎めなしだけどな。」


「私は知りませんでしたから罰をしたくてもできないですけどね。」


「う、ま、まぁ兎に角!そう言うことがあったから・・・それで俺達が勝ったわけなんだけど・・・。」

「けど?」

「その一件のせいでお嬢様に鍛錬を見て貰えば今より上達するという、願掛けみたいのが流行り出してさぁ。」

「え?」


なんだそれ?・・・・あ。・・・・まさかだけど。


グリップに思いがけずに聞き返す。

「グリップ、まさかだけど貴女、騎士達の方に頼む時もしかして私に鍛錬を見るのを条件にお願いなんてしてないわよね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えへ。」



グリップのお茶目な笑いに確信したティリエスはまさかの展開に嘘だろ・・・と天を仰いだ。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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