表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/789

まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。②)

7/4少し修正しました。





ご先祖様の勇士、マジかっけぇ・・・・。



私は、本の中に描かれているご先祖の勇気ある行動に感動する。

友人の為にこうして自分の命を懸けてまで約束を守りたいと思う人なんてそうそういないだろう。


一区切り読み終え、しんしんと降り積もる雪を図書室の大きな窓から眺めながら私は感嘆の余韻に浸る。



ようやく両親の許可がいるがある程度外出も出来、文字の読み書きも出来るようになった。

現在私には家庭教師はいないので、文字や知識は総執事であるロゼフさんに、貴族の礼儀作法はアンに教わっている状態だ。


でも、唯の執事とメイドと侮るなかれ。


実はこの2人、とても凄い方である。


何が凄いのかというとロゼフさんはこの国で現在12人しか名乗れない魔法学問最高学士の称号をもらっている人であり、知識の豊富さは勿論学問の教え方執事の業務も完璧にこなす。


そして、普段はよたよたと働いている姿に内心ハラハラしているアンさんは実は、王族のお抱えであり王族に貴族作法を教えてきたカリスマな人である。

私のお祖母様も彼女が作法を一から教えてきたのである。


そんな彼らのお陰で、私は早く字の読み書きや作法を教わることが出来た。

本来なら5歳になってから教わるものらしいが、私が待てなかったのだ。



何せ1度大人までの過程を経験した身、前世の癖や動作をどうにかしてリセットして自分の身体に叩き込みたかったし、知識の相違もある程度確認したかったからだ。


特に知識の方は他の人に勘繰られる前に正しく覚え直さないと後々私が大変になる。


下手すれば変なことをよく言う変人扱いされてしまう。それだけは何とか阻止しなくてはっ!


そう意気込んでいたがいざ勉強するとあっけないほどに知識の方は大方前世の名前とそうそう変わらないことが判明し、新たに持ち物の名前から覚えなくても良いということにほっとした。


「お陰で、言動も優雅にお話し出来るようになりましたしね。」

まだ舌足らずな言い方になることはたまにあるが、それでも話し方のマナーは大分会得できた。


絶対無理だと思っていた(わたし)(わたくし)といっても違和感がなくなったし大進歩といえよう。


・・・まぁ、内なる言葉は以前と変りないけどねー。

以前より優雅に、気品さを学んだとしてもそうそう内なる心までは染まりはしない。

そう、これは言わば言論の自由・・・・・とまぁ冗談はそこまでにしといて。



「でも、ようやく問題点が見つけられてある意味喜ばしく思うべきか・・・それとも、発覚して嘆くべきかどちらでしょうか・・・。」


私がどうしてこのように、図書室へ篭り歴史を読み耽っていたのか。

それは、お父様が何年も夜遅くまで頑張って働いていても改善の兆しが見られない以前から抱えているこの領地の事があったからだ。



様々な大人から話しを聞いて知った事実がある。


まず、私の家には昔からある支援制度が設けられている。

年に数度国から領地の運営資金諸々を無償で貰っているのだ。



理由がこの書物の内容の続きになるのだが、私達は代々ここの管理者として存続しなくてはいけない。だが、瘴気を抑え込んでいる領域ぐるりと取り囲んだ隣り合わせの領地に、果たして市井の人が喜んで住んでくれるだろうか?


答えは否、である。

なので、この地に住んでくれる人は少なく現在進行形で人口が少ない。


人がいなければ領地の開拓も難しい。交易しようにもこことの取引するメリットがなく更に物流の活発が見込めない。

更に言えば国からもらっている補助金で運営資金をちらつかせて人を集めようにも、ほとんどが村の整備や修繕費に充てなければならず、補助金なので元々雀の涙程度のお金でそんな余裕はない。


そうすると村々の人達の税をあげる対策に講じることになるのだが、そんな貯えもないのは分かり切っているので上げるわけにもいかなくなる。そして結果頼れるのはその雀の涙のお金で領地の遣り繰りをしなくてはいけない現状・・・つまり。



私の領地は広大な土地を持っているが荒れ果て状態で。

若者がここに住みたいという魅力的な仕事も特別ない。

しかも、元々ここに暮らしている人々は人の人口も元々少ない上にどんどん高齢で過疎化が進んでいる。

しかも、資金繰りが上手くいっていない。


「私の領地・・・・ド田舎でしたのね。」

しかも・・・廃村の危機並みの。・・・マジかーー。


私は頭を抱えた。


因みにお祖父様の代はお祖父様自身が名の知れた騎士だったのでお祖父様を敬愛していた騎士達が領地へと集まり一時期騎士運営に携わり栄えたことがある。

若い人も有望な人もいたのでこのままお父様の代で引き継ぎより基盤を固めれば資金繰りの目途も立ったのだろうが、そうなる前に国からこんな議題が上がったのだ。


国の補助金制度撤廃の話しが。


発案はこの国の宰相だった。

彼が言うには・・・。


『瘴気に関する解決策を模索するわけでもなく、ただ領地の管理を行っているだけ。それだけなら他の領地を治める貴族と何ら変わりはないというに、なぜルーザッファ公爵だけこのような資金制度を設ける必要があるのだろうか。』


大まかに言えば、こういうことを言われたのだ。


この時は資金制度を廃止を阻止すべく、お祖父様が頑張って行っていた騎士運営の、それこそ騎士運営の基盤になる若者を王都に派遣し、国に忠義を示すことで何とか免れたのだ。


結果、長期経済を考えていた案がここで一気に振り出しに戻ってしまったのだ。


各代の公爵当主がこのように領地の資金繰りをどうにかしようと様々に取り組んできているがどうにも実を結んでいない現状。そして今度はお父様とお母様がなんとかしようと奮闘しているのである。


お父様は新たな領地改革や資金をどう調達すればいいのか模索しながら歴代の公爵当主が行い資金が集まりそうな事業について掘り進めている。

お母様はこの領地の医療の向上のため薬草の栽培、ゆくゆくは栽培を広げ他領に交易に卸せるように拡大していくつもりのようだ。


「ここが海の近い領土でしたら、少しは見込めますのに・・・・。」

海は資源が豊富で交易できる港ができて活気づくのだが、残念ながらここは山奥の奥。海なんか全く見えやしない。


大きくため息を吐いて私は本を元に会った場所へ戻した。

嘆いても仕方ない。私は今出来ることをするしかないのだ。


本来なら3歳児に出来ることなんてたかが知れている。


だが、私は普通の3歳児ではない、大人1人の人生と経験と知識を持って生まれ落ちたイレギュラーである。

そんな私がまず思ったこと、それは。


「先ずは、調味料を確保したいですわ。」


食事改革である。


ここで出される食事は当然のことながら前世の食事とは異なり質素で味付けもシンプルだ。


簡潔に表すならしょっぱい・酸っぱい・胡椒辛い・油ギッシュ、これである。

山奥なので岩塩と胡椒の生育に適しているらしくこちらは豊富であり、油も酢も懇意にしてもらっている商人の方から取り寄せているのでこれも品切れはまずまず大丈夫だろう。


だがそれだけである。

もっと旨味を引き出す調味料や食材の臭みを消し風味が加わるハーブも欲しい。

そして何より一番欲しい調味料――――。


「お砂糖がほしいですわ。」

そう、お砂糖。

この世界にそれがないのである。


この世界の果物は甘いというより酸味が強いので甘味という感じではない。

そんな果物を甘味というならこの世界の甘味は無い等しい。


だが他にないのかと言われればないというわけではない。

この世界の1番の甘味は?と問われれば、魔人の領域(ハディア)で採れる大きい蜂がつくる蜂蜜が1番と世間一般で答えられている。


ただよっぽど裕福でないと食べられない高級品なので食べたことはない。

食べたことのあるお祖母様がいうには、それはそれはとても幸せになる味だったという。



そうだろうな、今の私が知った甘味に比べたら。

もう1つ世間一般には知られていない甘味の存在を私は知っている。私の知っている甘味、それはこの地方でしか栽培されていない甘味料になる木の実が存在しているのだ。


その木の名前は【シロップ】。


これは14.15代前の先代公爵が古の国の書物から読み解き野生化していたものを見つけ栽培したものだ。

その木は甘い香りの白い花が咲いた後、鬼灯のような実が鈴なりに生り始める。

そしてその実の周りの薄い膜を破ると中に正八面体の形の核のようなものがあり、それを割ると中に甘い汁が出てくるのだ。



お父様に聞くと、このシロップは魔力を多く持つ人には身体の調子を整えてくれる作用があるようで魔術師には薬として飲まれているらしい。



なのでこの水、甘露水は収穫したら王都に殆ど魔術師団のお薬として出荷しているのだそう。


ある時私も、おやつ代わりに飲んだことがあるが甘いといってもほんのりと甘い砂糖水の味で正直飲んだ感想と言えば・・・そんなに甘くなくて美味しいと思えない代物だった。


だが私がそう感じている代物を隣でお父様とお母様は美味しそうに飲んでいたのだ。


その姿を見て私は・・・・。

私は、心の中でしょっぱくなる気持ちを押し隠しその時決意したのだ。



絶対にもっと甘くて美味しいものを両親に食べてもらおう!・・・と。



いつも読んでいただきありがとうございます。

裏設定:ちょくちょく出てくる魔術師団。お薬を称して買っている甘露水ですが、皆さん甘いものが好きなので薬というより彼女みたくおやつ代わりに飲んでます。因みに実の1つからとれる甘露水の量は250㏄~450㏄程度。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ